ダンス☆ダンス☆ダンスール 1〜4巻
漫画、ジョージ朝倉
男の子主人公のバレエ漫画。
珍しい。
そして面白い!
日本だからこその
男の子のバレエに対する葛藤が
“だよね”感です。
主人公の潤平くんは幼い時に
姉のバレエの発表会で見た
男性ソロのバレエダンサーにビリビリくる。
バレエを習いたいと思うが
アクション監督の父は男らしく
格闘技ジークンドーを習わせたいと反対するが
本人がバレエをマネて回るのを見て
バレエを習うことを許可する。
しかし、友達の男の子たちが
バレて教室の前で男性バレエダンサーの格好を
バカにして笑う。
それでもバレエを続けるつもりだった潤平だが
父が急死し、父の友人でジークンドーの先生に
男の子なんだから家族を守れよと励まされる。
潤平の中で男らしくという言葉がのしかかり
バレエをやめてジークンドーを習う。
時は流れ中学2年生になった潤平、
男らしくを胸にお調子者で明るい潤平は
バレエをしてたのは黒歴史と言い
ジークンドーを続けてる。
2年になるタイミングで引っ越してきた都は
バレスクールの娘。
都は潤平が披露するジークンドーが
実はバレエのジャンプだと気づき
バレエに誘う。
彼女の “一緒にバレエしようよ” に
告白か!?っとフラフラついていってしまう
思春期真っ盛り潤平くん。
教室までついてきたものの、
バレエなんかしない!という潤平と、
「天才」だと思う!という都の争いを聞いた
都ママ(バレエの先生)は、
『10歳まで始めなきゃ
すでに「天才」のふるいから落ちている』
と“バレエなんか”と言った潤平に御立腹。
それにカチンときた潤平は、
その場でバレエ(もどき)を踊ってみせる。
『バレエじゃないわね』と言われ
逃げ出す潤平。
でも凄かったと母も潤平も説得したい都。
『どうせ明日来るわよ』と
冷たい素振りをしながら
『クソガキ、あんなの見たら眠れない』と
ビールを煽る都ママ。
ここから、都ママの予言どおり
バレエ教室に来てしまう潤平。
俺の何処が悪いと踊る潤平、
ココが悪いと指摘する都ママという
喧嘩のようなやりとりで
バレエを習う潤平。
(しかし習ってるわけではないと
潤平が意地を張っているため、
無償で教わってることに気づいてない。)
気持ちはバレエをしたいでいっぱいなのに、
バレエは男らしくない!
俺は男らしくなきゃいけないんだ!
バレエはしちゃいけない!
という気持ちもいっぱいで、
グチャグチャになる潤平。
しかしライバル流鴬(るおう)くんが
現れたことで刺激され、
もう『何もかも捨ててバレエをする』と断言。
ここから、
潤平の遅咲きバレエダンサーへの道が始まる!
という物語。
清々しいまでに男の子な潤平くん。
ちょっとデリカシー欠如系男子なので、
自分が苛めっ子だった自覚もない
ノリだし一緒に楽しく遊んでただけだろと
ピンときてないわりに、
他の子がやってるのを見ると、
ちょっと嫌なことしてるなと思いつつも
場を乱すのが嫌だから黙認するという
ザ男子です。
そんな潤平くんがセンスと勢い頼りで
『バレエに対して無自覚で無知で傲慢で』
ということに、気づくのが3巻後半。
バレエをしてこなかった間に
真面目にバレエしてた子たちに勝つには
真面目に追いかけても追いつかないから
センスで飛び越えてしまえ的なことを
思っていたようですね。
中学生だもんね。
そこから真面目にバレエのことを勉強して
生川のSSクラスのスカラシップの誘いがくる。
しかし条件は
五代バレエスタジオを辞めること。
そして生川に入団すること。
生川のギチギチ真面目バレエも
自分には必要だと思うけど
五代で伸び伸びさせてもらうのも捨てたくない
海外のバレエ団に入りたいのに
生川入団が約束だといつか困る時が来る、
でもコレは二度とないチャンスだとも思い
揺れる潤平。
しかも自分が入りたい気持ちもありながら、
自分より上手い流鴬が埋もれるのも許せなくて
スカラシップは流鴬であるべき
という結論になる潤平。
いじけてる流鴬を焚きつけるために
乗り込む潤平。
しかし流鴬は姿を消していた。
というとこで以下次巻。
なんというか、
潤平くんという男の子がリアルに感じます。
嫌いなタイプの男の子ですが、
こうもキラキラ猪突猛進していかれると
応援したくなって、
いやでもコイツ、自己中でまわり振り回して
結構たくさんの人を傷つけたり追い詰めたり
色々やらかしてるよとも思ったり。
これからどんどん応援したくなりそうな予感に
どこまで踏ん張れるかなと思いながら
読んでしまいそうです。
私、バレエ漫画好きなのかも。