今年はコサナエの姿が目立たず、日陰の存在となってしまっています。縄張りの重なるカオジロトンボがコサナエの入り込む余地を全く与えないからです。縄張り争いでも負けてしまうことが多く、ちょっと気の毒ですね。
オオトラフトンボは主に夕方を中心に産卵します。産卵のピークは16時~17時にかけてで、気付くと周辺のヨシや柳の枝に止まっています。卵塊はあっという間に出来上がってしまうので、タイミングが合わないと全く発見できないこともあります。写真の♀は卵塊を作る直前の静止個体。
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毎年課題としているオオトラフトンボの飛翔シーンですが、今年も苦戦を強いられています。旭川市内では個体数もそこそこで、撮影の機会も多いのですが・・・・・・・どうしても距離を縮めることができず、納得のゆく写真を撮ることができません。やはりカラカネトンボのようにはいきませんね。 写真:2枚ともトリミング
道内では非常に記録の少ない赤化型の♀。胸部と腹部が赤くなっているのが分かりますね。数年前にもっと赤みの強い♀を見たことがありますが、おそらく成熟度合いによるものでしょう。このタイプは翅の付根も♂のように赤くなるのですが、その部分も含めて撮影するとなると、単独個体を探すしかありません。
旭川市内の上流域ではムカシトンボが最盛期を迎えています。川岸に生えるフキやエゾノリュウキンカの茎には沢山の産卵跡が残されていました。産卵個体も午前中を中心に見ることができました。写真の個体は複眼が少し変色していますね。
ここ一週間、旭川市内は30℃超えの真夏日がずっと続いています。気温で見るとおそらく東京方面よりも暑いような気がしていますが、やはり湿度が無い分、体感的にはこちらの方がいくらか涼しいと感じるのでしょうか?そう考えると旭川は真冬はマイナス20℃、夏は30℃超えという、動植物にとってはかなり過酷な環境と言えます。先日、ハイテクトンボブログの広瀬さんとも話したのですが、旭川市は北海道でも道南以北ではトンボの羽化時期が1週間ぐらい早いようですね。
カラカネトンボも完全に成熟し、老熟個体も見られ始めました。
カラカネトンボも完全に成熟し、老熟個体も見られ始めました。
思わず微笑んでしまうような光景だったので、レンズを向けずにはいられませんでした(笑)。止まられたアマガエルにとってはいい迷惑ですが、カオジロトンボにとってはちょうど良い静止場所だったようです。きっと蛙だとは認識していないでしょうね。
カオジロ属は異種間連結や誤認連結の多い種としても知られています。カオジロの生息地では決まって♂同士の連結や3連結、他種♀に連結する♂個体を観察します。今回はコサナエ♀が犠牲となってしまいました。おそるべし!カオジロ属(笑)。
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縄張り行動はアカネ属とほぼ同じ。時折飛び立っては他の♂やトンボを追い払います。午前中は活動的に飛び回りますが、午後になると暑さのせいか?
排他性が弱まり、産卵中のトンボ以外あまり周囲に関心が向かなくなります。 比較的若い個体
見かけによらず意外とすばしっこく、近づくとふわっと風に乗って離れてしまいますが、逃げられてしまってもすぐに別の♂が入ってきます。警戒心はわりと強いですが、飛び方は小型のアカネ類と似ていますね。 老熟に近い個体
カラカネトンボも産卵シーンの撮影が難しいトンボです。産卵中は次々と場所を変えるのでほとんど撮影になりません。写真の個体は♂に追い回されて私の目の前に逃げ込んできた♀。こちらも成熟間もなく、複眼が完全なグリーンになっていませんね。
比較的若い個体の交尾です。生活習慣や生態によるものだとは思いますが、カオジロ属は成熟してすぐに汚くなってしまいます。特に翅の汚れは顕著で、綺麗な状態が保たれているのは未熟~半成熟期にかけてのごく短い間だけです。