一時、個体数の減少したカオジロトンボですが、今年は以前のような多くの個体を見ることができました。憶測ではありますが、8年ほど前から爆発的に増え続けたギンヤンマがここ2、3年で個体数が安定し、減少傾向にあることが関係していると思われます。
♂は溜池の岸沿いに沿ってホバリングを交えた巡回飛翔を行います。明確な縄張り範囲は持たないため、次々と目の前を多くの個体が通過して行くのですが、個体数が多いのもちょっと考えもの。すぐに争いになってしまいます。
旭川市内ではカラカネトンボを始め、ヨツボシ、シオヤ、カオジロ、コサナエ、エゾイトの成熟成虫が沢山見られるようになりました。ムカシトンボの成熟成虫はまだですが、これで市内の春トンボはほぼ出揃った感じです。
カオジロ属のトンボは成熟してもすぐに汚くなってしまうので、成熟初期の個体が狙い目です。元々くすんだはっきりとしない色合いのトンボなので、それほど「品のあるトンボ」には見えませんが(笑)、いかにも好寒冷地的な雰囲気はエゾカオジロ独特のものですね。
午後からはエゾカオジロトンボの様子を見に行ってみることにしました。羽化はほぼ終了したようで、林道では沢山の未熟個体を見ることができました。発生地の湿地に降りてみると、まだ個体数は少ないですが既に成熟個体が出始めていました。成熟にはまだ少し早いかな?と思っていたので、これはラッキーでした。
土曜日は「北海道ハイテクトンボブログ」の広瀬氏と道東方面へトンボの様子を見に行ってきました。目的はカラフトイトトンボだったのですが、ちょうど羽化時期に当ったことと、午前中は雲ってしまっていたので、残念ながら成虫を見ることは出来ませんでした。それにしても、これが絶滅寸前というのですから考えものです。近年、本種の確実な生息地は数箇所を残すのみとなってしまいました。
北海道でもあと3週間もすればオオルリボシヤンマが羽化してきます。そこで、写真によるルリボシヤンマ属の終齢幼虫比較を行ってみました。マダラヤンマ以外であれば、まだ植生の少ない今が採集時でもあります。道内で「ヤゴ屋」をやられている方は少ないとは思いますが、同定の参考にして頂けたらと思います。
1.オオルリボシヤンマ
全国的に見ても最も一般的なルリボシ属のトンボなので、本種を基準に同定を行うのが良いと思います。成虫も含めルリボシヤンマと良く似ており同定が難しいと言われていますが、第6腹節にはっきりとした側棘と頭部側面に淡い側線(矢印)があるので、慣れてしまえば簡単に見分けることができます。
2.ルリボシヤンマ
全体的にコントラストのない体色をしており、オオルリボシには手足に明確なマダラ模様がありますが、本種は不明瞭です。また、腹部背面に一直線状の褐色状があり、第6腹節の側棘は非常に小さく目立ちません(個体によっては痕跡程度しかないものもいる)。
3.イイジマルリボシヤンマ
ルリボシ幼虫と非常に良く似ていますが、終齢幼虫の比較では明らかに小さく細身なことと、体表がより艶っぽいこと、第6腹節の側棘が無い或いは痕跡程度しかないことで見分けられます。しかし、ルリボシ幼虫にも同じような特徴が見られるので、同定には注意が必要です。
4.マダラヤンマ
体表、手足のマダラ模様が明瞭な個体が多く、体形的に見ても同属3種との違いは明らかです。終齢幼虫では同属中最も小さく、第6腹節にははっきりとした側棘があります。幼虫期間が3ヶ月程度とアカネ並に短く、道内では8月上旬頃から羽化が始まります。
1.オオルリボシヤンマ
全国的に見ても最も一般的なルリボシ属のトンボなので、本種を基準に同定を行うのが良いと思います。成虫も含めルリボシヤンマと良く似ており同定が難しいと言われていますが、第6腹節にはっきりとした側棘と頭部側面に淡い側線(矢印)があるので、慣れてしまえば簡単に見分けることができます。
2.ルリボシヤンマ
全体的にコントラストのない体色をしており、オオルリボシには手足に明確なマダラ模様がありますが、本種は不明瞭です。また、腹部背面に一直線状の褐色状があり、第6腹節の側棘は非常に小さく目立ちません(個体によっては痕跡程度しかないものもいる)。
3.イイジマルリボシヤンマ
ルリボシ幼虫と非常に良く似ていますが、終齢幼虫の比較では明らかに小さく細身なことと、体表がより艶っぽいこと、第6腹節の側棘が無い或いは痕跡程度しかないことで見分けられます。しかし、ルリボシ幼虫にも同じような特徴が見られるので、同定には注意が必要です。
4.マダラヤンマ
体表、手足のマダラ模様が明瞭な個体が多く、体形的に見ても同属3種との違いは明らかです。終齢幼虫では同属中最も小さく、第6腹節にははっきりとした側棘があります。幼虫期間が3ヶ月程度とアカネ並に短く、道内では8月上旬頃から羽化が始まります。
今回はムカシトンボの面白い一面を見るとこができました。
この日は晴れたり曇ったりの変わりやすい天候だったので、彼等は樹上に飛び去ることなく林道上で摂食/休止を繰り返していたのだと思われます。当然、日照率や気温なども影響してくるのでしょうが、これは未熟個体特有の行動なのでしょうか?成熟成虫は曇天時に林道上で摂食飛翔をする個体をよく見かけます。
この日は晴れたり曇ったりの変わりやすい天候だったので、彼等は樹上に飛び去ることなく林道上で摂食/休止を繰り返していたのだと思われます。当然、日照率や気温なども影響してくるのでしょうが、これは未熟個体特有の行動なのでしょうか?成熟成虫は曇天時に林道上で摂食飛翔をする個体をよく見かけます。
どうしても図鑑に載っているようなぶら下がり型の写真が撮りたくて、しばらく粘ってみることにしました。ひとたび太陽が雲に隠れると、ベタベタとそこら中に止まるのですが、なかなか理想の止まり方をしてくれる個体がいません。 昆虫写真は正に忍耐勝負ですね!(笑)。
この個体も同じ、止まった瞬間はぶら下がっていたのですが、なぜか?このような状態になってしまいます。しかも、わざわざ回り込むようにして枝の背面へ移動していました。これって一種の擬態行為なのでしょうか?自分は枝の一部だ!みたいな。バレバレなんですけどね。
ほとんどの個体が止まった瞬間はぶら下がり型なのですが、徐々に腹部を斜め上に持ち上げていき、最終的には写真のような止まり方になります。面白いことに、休止している間はずっとこの状態をキープしていました。あえて重力に逆らう意味はなんなのでしょうか?とんだひねくれ者ですね(笑)。
この個体は止まった場所が・・・・・・・かなり目立っていました。
この個体は止まった場所が・・・・・・・かなり目立っていました。