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ROEは万能か

2021-07-04 07:09:11 | 日記
世の中の企業運営は、ROE(リターン・オン・エクイティ:株主資本利益率)を重視した経営が必要だそうだ。
それ自体は正しいことだと思う、だがそれだけで良いかといえばそうではないと考える。
それは、こんな例からも見て取れるのではないかな。

◆究極の例から考えてみる
 企業のあるべき姿を論ずるには、まず企業は誰のものかを論ずる必要がある。
 ①株主のもの
 ②マルチステークホルダー(多くの利害関係者:株主、社員、取引先、自治体、地域社会等)のもの
 の2種類の考え方があるようだが、今日は①の論に沿ってみることとする。

 ①を最大限に具現化しているのが米国コルゲート社だ。
 ROE8%とか10%が合格点の日本企業に対し、同社のROEは626%と破格だ。
 ROEは当期純利益÷自己資本(株主資本)で求められるが、これを分解すると(中学校の数学のようです)、こうなる。
 ROE=(当期純利益÷売上高)(売上高純利益率)×(売上高÷総資産)(総資産回転率)×総資産÷自己資本(財務レバレッジ)で表わされる。
 売上高と売上高を通分し、総資産と総資産を通分すれば、結局残るのは当期純利益÷自己資本だ。
 つまり、分母である自己資本が少ないほどROEは高まるということなのだ。

 ここで別の指標である自己資本比率を見てみよう。
 日本では安定的な企業運営の自己資本比率は30%以上と考えるのが一般的だ。
 先ほどのコルゲート社の自己資本比率はなんと4.7%なのだ。
 これではひとたび何かあれば金融機関からの貸し渋りにあい、資金ショートを起こしかねないのではないかな。

 →ということで、おいらの考えとしては、強欲な株主の要求ばかりにこたえてはいけないのではないかな、が結論ですが、頭が痛くなった。