先日、日本では草食系男子が増えている話をしたが、その原因についてはいろいろ議論のあるところだ。 ところで、ある人から、職業を持つ女性が増え強くなったことが、男性の“草食化”を促しているのではというご意見があった。考えてみると、それも然りである。
マイホーム型の男性が多くなってから久しい。立身出世にあくせくするよりも、幸せな家庭を第一に考える男が増えてきた。最近は、主婦ならぬ“主夫”も当たり前になっている。日本の男性は、一般的に優しく穏やかになって、どちらかと言うと弱々しくなったのだろうか。その善し悪しをここで論じるつもりはない。それも時代の流れ、現代社会の表われではないかと思うのだ。
ところで、ロンドン・オリンピックが開幕したが、この前、日本の男女別参加選手数を聞いて少し驚いた。女子の方が多いのだ! 男子の137人に対して、女子は156人と明らかに“女性上位”となった。こういう現象は初めてではないのか。これも善い悪いの問題ではなく、スポーツの世界でも女性優位が日本では現実になってきたのだろう。
そこで少し調べたのだが、オリンピックの歴史(夏季大会)を見ると、1948年のロンドン大会までは世界各国の参加女子選手は全体の10%未満であった。しかし、1952年のヘルシンキ大会から10%を超え、以後、順調に比率を伸ばし、8年前のアテネ大会ではついに40%台になった。(末尾に参考記事をリンクしておく)
4年前の北京大会ではその比率が42,4%になったが、これは女子の種目が増えたことが最大の要因だろう。今や、男子がやることは女子も何でもやる時代になったのだ。もちろん、シンクロナイズドスイミングのように女子だけの種目もある。
このように、オリンピックでも男女同権が確立し大変良い時代になったが、そうなると参加できるかどうかは、選手個々人の能力(標準記録の突破)にかかってくる。また、団体競技では予選リーグを通過しなければならない。
今回、日本の女子は団体競技でバレーボール、ホッケーに出場するが、男子は駄目だった。団体競技で欠場すると人数はかなり減る。それで日本は、女子の出場選手が男子を上回ったのだろう。
専門的な話は止めるが、スポーツの祭典・オリンピックでも、日本の女子はついに男子の上に立った。これが日本男子の“草食化”にすぐに結びつくとは言えない。たまたま、今回のオリンピックでは女性上位になったのかもしれない。
しかし、日本の男子はどことなく優しく(弱々しく)家庭的になったように見える。そう思うのは私だけではないだろう。もちろん、マイホーム型は幸せで良いのだが、それだけでは何となく物足りない感じもするのだ。
年寄りがぐちゃぐちゃ言っても始まらないのでもう止めるが、日本男子よ、奮起してくれと言いたい。 “肉食系”になれとは言わないが、女子に負けないように頑張ってほしい。もちろん、なでしこジャパンも応援するが、北島選手ら男子も応援しよう。 日本の草食系男子よ、頑張れ!
ロンドン五輪の日本の選手数・・・http://d.hatena.ne.jp/longlow/20120709/p1
五輪参加の選手数内訳・・・http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3982.html