<2012年8月に行ったサハリンの州都・ユジノサハリンスクの記事を復刻します>
サハリン(樺太)の州都・ユジノサハリンスクは、日本統治時代に「豊原」と言ったが、今でも戦前の面影が残っている所が幾つもある。 中でも「郷土博物館」は1937年(昭和12年)に建てられた純日本風の建物で、和風の庭園には旧日本軍の戦車や大砲が置かれている。戦前にタイムスリップした感じがした。
郷土博物館の全景
旧日本軍の大砲の前で
ソ連邦が消滅してもう20年以上たつが、サハリンにはあちこちに「レーニン像」が立っている。そこが面白い。ロシア本土ではだいぶ撤去されたはずだが、極東のサハリンにはあまり影響がなかったのだろう。広場や通りの名前も共産主義時代の名残りを留めている。 私個人はレーニンが大好きで、彼はガンジーと並ぶ20世紀最大の英雄だと思っている。だから、レーニン像を見た時は嬉しかった。
レーニンの巨大な銅像
ユジノサハリンスクは州都だけあって賑わっているが、道路などインフラ整備は遅れている。訪れた時はかなり雨が降ったが、道路の至る所に“水たまり”ができ、車が行き交うと水をはねるので困ったものだ。 ガイドさんの話によると、その車もほとんどが日本製の中古車だという。そう言えば、われわれが乗った車もギア付きの古い形のものだった。まだまだ経済発展の途上にあるのだろう。
朝夕は中心街で車のラッシュ
市内を車で移動していたら、ユーリイ・ガガーリンの銅像を見つけた。ガガーリンとは世界最初のロシア人宇宙飛行士である。1961年に初の有人宇宙飛行を成功させたが、翌年 日本にもやって来たことを思い出す。というのは、彼が早稲田大学の記念会堂で講演を行ない、私も一学生として聴いたことを覚えているからだ。もの凄い数の聴衆で、ガガーリンが何を話したかは全く覚えていない。宇宙時代の幕開けを飾った人であり、あの頃がソ連の最盛期だったろうか。
ガガーリンの銅像
町を往来していて最も目に付くのが、やはりロシア正教の教会だろう。写真ではよく見るが、実物を見るのは珍しい。どの教会も美しいし、中には可愛くさえ見えるものもある。以下の教会はガガーリンの銅像のすぐ近くにあるものだが、天気が良ければ、たぶん絵の中から飛び出してきたように感じたかもしれない。
曇天の下でも美しい教会