今回投稿するのは、2018年6月に行った八幡平の記録だ。
この時は、妻と東北の温泉に1泊で出かけることにしてJRの大人の休日俱楽部パスを購入した。
妻はその2年前に病気で入院したので、旅行も1泊でいいという。
大人の休日倶楽部パスは連続して4日間有効なのでもったいない。
そこで1日のとんぼ返りで八幡平に出かけることにしたのだ。
新幹線のはやぶさ1号を使うと盛岡に8時44分につく。
盛岡からは八幡平へ岩手県北バスを利用する。
八幡平を歩くのは初めてなので、今回は、東の茶臼口から茶臼岳、源太森、八幡平頂上と歩いて八幡平登山口のバスターミナルに出ることにした。
ネットで調べて八幡平自然散策バスというのが走っていることを知り、それを利用しようと思ったが、バスの案内所で聞くと普通の路線バスで行った方が早いことがわかった。
自然散策バスは、盛岡から松尾八幡平インターチェンジまで高速道を使い、松川温泉、八幡平登山口をへて茶臼口に向かうので少し遠回りになるのだ。
盛岡駅を出た路線バスは、一路国道4号線を北上した。
岩手山がすそ野を広げ、雄大な牧場の風景が広がる。
途中から花輪線にそってはしる国道に入り、大更駅で数人の登山客を拾った。
それを見て、JRのパスをフルに生かすのなら、大更までJRを使い、ここからバスに乗る方法もあることに気がついた。
大更八幡平線からアスピーテラインに入って、松尾地熱発電所の前を通って山へとあがっていき、11時25分、茶臼口に到着した。
空は雲に覆われ、風も強かった。ここは標高1360mだ。
バス停のところから尾根にそって茶臼岳への登山道が始まっている。
雲の下には、八幡平山ろくの雄大な高原が広がっていた。
スケールの大きな景色は、日帰りするのはもったいないと訴えてくる。
前方に見える茶臼岳は、西からの強い風を受けて雲をかぶっていた。
北の方には安比高原につらなる広々とした森の風景が広がる。
足元にシラネアオイを見つけた。
ショウジョウバカマもあった。
天気は曇りでも6月に出かけてきたかいがあったということだ。
目の前に立派な山小屋が現れた。茶臼岳の頂上への入口にたつ避難小屋、茶臼山荘だ。
ここから左に折り返すように登って行ったところが茶臼岳山頂1578mだ。
2kmほどあるいて200mほど登った勘定だ。
とにかく風が強かった。風よけはちゃんと着込んでいても少し寒くなる。
私はこのころめまいの症状を持っていたので、体が冷えると少し目がまわりだしだ。
しばらく座り込んで休み、めまいがおさまるのをまった。
少しの休憩でめまいはおさまったので、ほっとしながら先へと進む。
しばらく黒々とした森の中を歩きながらゆっくりとくだっていく。
まだつつじが咲いている。春と初夏がまじりあっている感じだ。
湿原状のところに出るとヒナザクラがたくさん咲いていた。
森を抜けると広い湿原があらわれた。黒谷地湿原だ。
湿原を展望できる休憩スポット。ここで1446m。たくさんのベンチがある。
背景は今歩いてきた茶臼岳から続く黒い森。
ここから分岐した道を下ればアスピーテラインに出られ、そこにはバス停もある。
湿原の水流にそってたくさんのミズバショウ。くねくねした流れをそのまま縁取って飾っている。
今度は源太森にむかって森の中へと入っていく。
少し標高が高くなって残雪があらわれた。空気が冷えるせいか、ガスが流れて森の木を溶かし込んでいく。
振り返ると雲の下に遠くの景色が見えていた。少し雲も薄くなったように思う。
午後1時43分。八幡平東部の源太森に到着。広い広い大地の盛り上がりの一つの最高点。
標高1595m。茶臼岳より20mほど高いが、ガスが少し濃く流れていた。
源太森からは少しづつくだって八幡平の中心部、八幡沼とその周辺に広がる広い湿原へと入っていく。
つい最近まで雪に覆われていたのだろう。まだ去年の枯れ草の中にようやく芽が出始めている状態だ。
八幡沼から少し離れた湿原の中を木道が続いているので沼は時々見えるだけだ。
前方に八幡平頂上がある黒い森が見えている。
沼の近くに立つ避難小屋、凌雲荘。これも立派な建物だ。
沼は近いのだが、少し高台になっているので水面は見えない。
凌雲荘を過ぎると分岐点があり、左に行けば八幡平入口のバス停に出られる。
私は右に進んで八幡平頂上に向かった。
また残雪があらわれ、冷たい風がガスを運んでくる。
このあたりはバスで来た観光客も訪れるので道が石畳になっていた。
森の中を少しづつ高度をあげていくと、大きな木組みの展望台があらわれた。
そこが八幡平頂上だった。
あいかわらずガスに包まれていて展望はなかった。
ふとみるとヤマザクラが咲いている。
関東から来た私には不思議な光景だ。
山頂からは別の道で頂上バスターミナルに向かう。途中にいくつかの沼がある。
最初の沼はメガネ沼。小さな沼がふたつならんでいるはずだが、一つだけが水面をのぞかせていた。
その少し先に鏡沼があった。一面の雪は黒ずんでしまっているが、中心部に青く凍った水面がのぞき始めていた。
いわゆるドランゴンアイだ。
天気が良ければ氷のところがもう少し青くなって「目」らしくなるのだろう。
あいかわらず風が強かったが、旅の終わりが近づいてようやく遠くが見えるようになってきた。
アスピーテラインと八幡平樹海ラインが合流する峠に大きな駐車場とバスターミナルがあった。
午後2時50分に到着。
強風に耐えながら秋田県側の風景を写真におさめた。南には畚(もっこ)岳が。
ここを起点に畚岳、大深山を経て松川温泉にくだるコースもなかなか魅力的だ。
今回はこれで終了だが、またこんな機会があったら歩いてみたい。
帰りは自然散策バスを利用して樹海ライン経由で盛岡駅へと戻った。
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