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kennyの滋賀から情報発信:能面

2014-03-16 19:47:08 | 能面

能のお面をこつこつと彫って
  そんな皆様の作品展を見てきました

         能繖会 第8回能面展
        Kennyの滋賀から情報発信
        (この日記の掲載期間:4月3日~4月10日)

なぜ滋賀県は「面打」がとても多く盛んな県なんだろう
          これが私の最大の関心事なんです




滋賀は「面打」がとても多くて盛んな県
実はこの世界を趣味とされる友人が私には二人おられます。
お一人は先輩社友のUさん。そして今回、招待状を下さった写
真仲間のMさんです。Mさんは、会員で武悪と云う作品を出展
されました。

Uさん(大阪府在住)から滋賀県は面打が多くが盛ん・、のお話を
お聞きしていた頃から一度そのさわりだけでも見てみたいと思
っていましたが、 この度長年の願望が実現です。

   
                      当日の会場

(なお、ここから先は私が記載の文末は、というそうです、とご理解下
 さいね。以下の文面は、彦根城博物館編集・
発行の冊子「能と雅楽」、
 更に
能面展でお聞きしたお話を参考に書かせていただいた日記です)

面打(めんうち)
能面
を作(彫)ることを「打つ」といい、作者を面打いいます。
これはU氏から教わった能面で初めて知った言葉です。

     
       写真拝借:平凡社 能面入門
      

なぜ滋賀県はそれだけ面を打つのが盛んなの?
私の興味はこれが第一なんです。本当に滋賀県って何でも
揃っているんですよね。例えば 国宝の数、城跡の数、関西
なのにスキー場だってある。そして今日の面打でしょう!


          会場の白雲館  (滋賀県近江八幡市)

先ずは彦根藩主、井伊家の存在が大きい
江戸時代、彦根藩、井伊家が盛んに演能を行ったことは大い
に関係があるようです。井伊家の、
特に15代直忠の時代に
収集の能面 能装束は殆どを網羅する大コレクションで
す。

その背景は、当時江戸幕府は能を式楽(儀式で行う楽舞)と
しており諸藩もこれにならい盛んに演能を行っており、例外
ではなく彦根藩、直忠は特に能面の収集、新たな制作を行い
ました。
      
   
           彦根城博物館内にある能舞台 (当館のHPから)


                     パンフレットから

      彦根城博物館で井伊家 家宝の能面が鑑賞できます
  詳細は 彦根城博物館HP幽玄の美」の項にあります    

ところが更にすごい事が背景に: それは「木地師」です
なぜ滋賀が、
これだけは聞き出したいと会場へ。即質問です。
流石は解説役の会員のAさん(初対面)、貴重な情報を提供く
ださいました。それは木地師(詳細は青字をクリックしてくださいね。
それぞれにリンクします。 以下も同じです
です。
なんと滋賀県東近江市蛭谷(ひるたに)全国の木地師の発祥
地だった
のです(知りませんでした)。

そりゃー、
木材工作に長けているのは明白、なんらかの流れ
で近江での能面造りに繋がるのは私でも容易に理解出来ます。

三つめ、演目の題材も滋賀には: まだまだ理由が!
竹生島逢坂山三井寺など豊富
な上に都(京都)の影響も、
と当のAさん。(それがどんな演目の内容に繋がるのかの詳細は時間
れで、上に掲げたリンクは後日のネット検索です)


   
                 写真拝借:平凡社 能面の世界
                   
それでなんだ!、特に滋賀が盛んなのは
江戸幕府が能を式楽として位置づけ、諸藩もそれに習い、滋賀
には発展の土壌があった。なぜ滋賀がこれだけ盛んに? の謎が
一日にして解けました。

そんなの知って何になるの、ですが、未知の世界を垣間見た喜
びの、目からうろこの一日でした。

では少し能面に付いて: しかし、これは理解するにも
一日にして成らず


              観世流能楽師 田茂井廣 道師の講演

能面の丁寧な解説の他に 仕舞演目の一部を演じるが3演目あり
ました。 目の前で能を! 感動ものでした。

能役者を召し抱える
江戸幕府は、観世、金春(こんぱる)、宝生(ほうしょう)、金剛、
喜多の5座
の能役者を抱え、彦根藩では喜多流が深く浸透し
ました。能が当時 時代を風靡する土壌は贅沢に揃っています。

それにしても色んな表情のお面が
能の面(のうのおもて)といいます。能の登場人物は老若男女、
神や鬼神、幽霊や怨霊そして妖精も。その役柄を演出に応じ
て多くの仮面を使い分ける必要があります。何百種もあるそ
うですが、会場で頂いた解説書の分類で作品の一例を掲げると、

  
  尉面(白色尉)            女面 (小面)
                男面(小喝食)

       
     
異相面( 小癋見)    仏体面(武悪)   

     *写真:平凡社「能面入門」から拝借しました 
     *会場で配布の解説書での分類です
 
     *能面の読み方(ふりがな)は末尾に掲げました

その歴史は
南北朝時代から室町時代は能面の創作期。桃山時代から江戸
時代には能面の形がほぼ出来上がりました。そして室町時代
三光坊(さんこうぼう(同、クリックしてください)を粗とする世襲面打
が代々制作に携わるようになります。

近江伊関・二代目、次郎左衛門親政 (世襲面打家の一つ)
能面(室町時代) 展示がありました


能面の素材は
檜木が多いようですが、中には桐、楠もあります。檜木です
と結構重いそうです。


                     ヒノキ材 (会場に展示)

全く未知の世界にまたのこのこと・・お願い
ここまで、わかったような事を日記として書き留めてきまし
たが、なにせ全く初めて覗いた世界です。記載文、内容に間
違い、誤解などが多々あると思います。どうか素人の日記と
ご容赦くださいますようお願いいたします。

幽玄の世界
と云うそうです。しばしそんな世界に浸ってきました。この
能面展は去る3月28日から30日まで、近江八幡市の白雲
で開催されました。

                ・・・・・

能面の読み方、意味(当日配布の解説書を私が端折って)  
尉面(白色尉):   じょうめん(はくしきじょう):尉(老人)神の面
女面 (小面) :  おんなめん(こおもて):若くてかわいい女面
 
男面(小喝食): おとこめん(こかっしき):禅寺の少年行者 
異相面(小癋見):いそめん(こべしみ):鬼神。緊迫感をみなぎらせる
仏体面(武悪):   
ぶったいめん(ぶあく):主に仕官する人の名。
力感
                                 に満ち格調高く(ネットで)


参考文献

    
        彦根城博物館編集・発行

     その他: 平凡社 「能面入門」、ネット検索

 今日もご訪問くださいましてありがとうございます

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2 コメント

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Unknown (Battera)
2014-04-07 14:46:28
滋賀は奥が深いですね。能面を掘っていると聞いた、昔の友は滋賀県出身だったのかもしれませんね。有り難うございました。
返信する
そうなんですよねー (Kenny)
2014-04-07 20:23:42
こうやってブログをやるようになって、Batteraさんご指摘の滋賀って、を本当に実感するようになりました。 勿論各府県にはそれぞれ色んな文化、歴史がありますが、情報がないとなかなか知ることが出来ません。 Batteraさんのブログはその意味で情報発信の一役を担っておられますし、私も敢えて滋賀から情報発信なんて言葉を使っています。嬉しいコメントありがとうございます。Kenny
返信する

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