鳥まり、参る!

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『失恋ショコラティエ』言いたい放題・その3。

2019年02月10日 | 言いたい放題
【第2巻】

バレンタインが終わるまでに全巻分かけたらいいな…

と当初考えていましたがそうはいかなそうな感じ。

なのでゆっくりと今回も言いたい放題させていただきます。

2巻&3巻は六道さんが登場・ついに美貌のヒロイン=えれなが登場、まつりとオリヴィエの複雑な恋が…。

とソータとサエコ以外にも細かい描写がでてくる巻で大変面白いです。

きっとこの作品を小学生~大学1年生くらいに読んでいたら、まつりちゃんかえれなを応援したり

「ソータひどい!」

と思ったりしていたんじゃないかなぁと思う。

けど大人になったのでやたらに好きになったり感情移入しすぎることなく、淡々と

「それぞれのキャラクターの作り上げる物語」

として楽しく読むことができます。

思春期~青春期初期は自意識がこりかたまりすぎててどうしても一方的に思いこんだりしてしまうからね~。

それゆえの楽しさもあるのでしょうけど。

いい作品は長く生きて何度も読み返し楽しみたいもんです。

【というわけで言いたい放題】

2巻のはじめに華やかに登場するのが、先に成功をおさめた天才ショコラティエ・六道(りくどう)さんです。

彼のショコラブランド“RICDOR”はアナスイ+ブルガリ×ゴージャス感をたっぷり!って感じの世界観。

(わかる人にはわかるはず。

 だから私はサエコがアナスイのコスメが好きって描写に納得したのだ)

六道さんは美しくカッコよく人格者で商才もあり、芸術家としてもすばらしい…という実はオリヴィエ以上に夢がつまったキャラクターです。

そんな彼はお姉さま言葉を話す“オネェ”として描かれてます。

これはどうなんでしょうねぇ~漫画やドラマでゲイ男性を描く時の典型的なキャラなんだけど…そもそも彼がゲイなのかトランスジェンダーなのかもあまりわからず…そんな彼がお姉さま言葉を喋る意味とは…LGBTsにくわしい人の考察を聞いてみたい。

まぁこれはここまでにしといて、六道さんは名言連発のいい人です。

特にこの言葉。

「60億人のうち59億9千万人に嫌われてもいいよ

 1千万人と愛しあえたらもう十分

 夢みたいでしょ

 これを欲しいって思ってる人に与えまくってあげたいの

 縁あった人を愛しまくってあげたいの

 (59億9千万人に嫌われることは)怖くない!

 それってゼロなだけでマイナスじゃないもの

 それより自分自身のビジョンが消えてしまうことの方が怖い」


きちんと売れてこう思えたら素晴らしいなぁと思う言葉です。

芸術も商売も求められる=売れる。までもっていけないと

「人に与える・喜ばせる」

って土俵にすら立てないものですから…。

さて、そんな素晴らしい六道さんに

「全然自分は比べものにならない」

と思ったソータは

「サエコさんに喜んでほしくてショコラティエになって……それで?……」

と自分自身の仕事に改めてきちんと向き合う。

サエコさんにキスできそうな近距離で微笑まれても少しも反応しない。(注目!)

ソータ自身にもソータの店=作るチョコにも

「欠けてるものは何もないよ」

とサエコに微笑まれ肯定されまた元気に頑張るわけだけど、この描写で本当に

「ああ、生身の人間同士の恋ではないんだな、芸術家とミューズなんだな」

と受け止めたなぁ私は。

バレンタイン回の描写も、サエコはおまけ扱い。

サエコは手作りのショコラヴィ製ショコラのストラップ(これは嬉しい)を愛されテク満載で可憐に渡しますが、六道さんとのバレンタイン対決に比べてあまりに薄い反応です。

ソータの“大事なもの”はとっくにショコラ。

でも

「本気クッキーきもい、受け取れない」

という妄想場面はしつこく

「キモいって言われた」(実際には言われてない。悲しいすれ違いでソータが受け取った印象)

トラウマを描くので、ショッキングなことは忘れないって人のサガがきちんと出てる…。

サエコの愛されモテテクに薫子さんは

「す、すごい…!」

と雷打たれてますが、サエコはもう“おまけ”だよ~!!

気付いて気付いて薫子さーん!

さて次に登場するのがヒロイン・えれなですが、その前にちょいちょい描かれる他のキャラクターの恋模様について。

・オリヴィエ→まつり

オリヴィエがまつりちゃんに恋するのは普通に納得。

一緒にいるし、趣味のゲームも同じで、好きにならない方がおかしいですよね。

オリヴィエはキュート系が好きなのは常に描写されているので、薫子さんでないのも違和感なし。

・まつり→友達の彼氏と秘密で肉体関係あり(恋とか書きたくない)

この巻では描写されないのですが、のちに説明されるのを読むと、まつりは

「友達の彼氏だと知ってて肉体関係をもつようになった」

わけではなく、自分の彼氏だと思って付き合ってたら友達の彼氏にもなってて二股だった、というのが事実なんです。

まつりが

「悪いのは私」

「サイテーなんだよ私」

と美しく悲劇のヒロイン泣きしまくりますが、彼女も騙されてたんだからそんな言い方しなくていいのにね。

もっと男(まつりのいうところの“彼氏”)に怒っていいんだよ~!!

恋と状況に酔って溺れていくのは大学生あるある。

私がまつりの同級生女子だったら

「そんな男、まつりちゃんにもったいないよ!別れなよ!」

と話してしまい、男と別れる気ゼロのまつりちゃんに嫌われて友情解消されるんだろうなぁ…(笑)。

大人になった今だったら私がまつりちゃんにかけられる言葉は

パターン1「妊娠した(or性病に感染した)から一緒に病院にいこうって話してみて。本心がそこでわかるから」

パターン2「まぁ、あきるまで頑張って。性病と妊娠には気を付けてね」

かなぁ…。

恋愛経験少ないときにこういう興奮する(笑)シチュエーションの恋愛(…)をしてしまうと刺激依存症というかハラハラ中毒になってしまって、たいていアラサーorアラフォーまで濃く暗い影を落とします。

避けられる人は避けてね。

・六道→ソータ

ただの笑わせ要員としての片想い…六道さん…。

・薫子→ソータ

えれな登場までの段階では誰よりソータと結ばれるアドバンテージを持っていた薫子さん。

えれなと出会うまでに好意をみせて付き合っていたらなぁと思います。

まあ、この段階のソータは平気で浮気や乗り換えしそうなので、結局ダメか。

・サエコ→ソータ

相変わらずうざったい恋のかけひきが目立つ(笑)。



…。

そんなこんなで、ヒロインのえれな!

(サエコもヒロインだけど、相手役って意味じゃ断然えれな)

・職業は「テレビにも出ている売れっ子モデル」(みんな大好き、有名人の肩書き&圧倒的美人ブランド

・スレンダーナイスバディ(ソータは一貫してスレンダー体型が好きな男として描かれる)

・未婚

・誰もが認める美貌

・フレンドリーで明るい性格


もうこれは、サエコうんぬんじゃなくこっちいきますよ(笑)。

勝負にならないもん。

これが女主人公の漫画で考えればサエコは

「イケメンじゃないけど女とっかえひっかえするモテ男で、あっさり金持ち女性と結婚した既婚者」

で、えれなは

「モデル並みのルックスをもつお金持ちの若い未婚男で、しかもヒロインを好いて自分からアプローチしてくれる王子さま」

ですよ。

しかもそんな王子さまが

「カッコいいって女性は褒めてくれるけど、けっきょく他の男と恋愛する。

 俺はきっと色気ないんだよ…でもいいんだ、俺は仕事が大事だから」

なんて自虐してきたら

「す…好き…

ってなるよ~。

サエコは自分が翻弄できないハラハラ感とショコラへの愛とでどんどんソータの存在が重要になっていきますが、ソータはもう仕事を頑張ってお姫さまと出会ってしまった。

しかも形はどうあれセック〇までするわけだから…そりゃ、ね。

一般女性はえれなの真似しちゃダメですよ、これは漫画だし、えれなは経済力(池尻大橋のセキュリティばっちりマンションは高いぞ~)と自己管理能力(妊娠や病気は仕事に即影響があるし、脅される危険性もある)と高い自己肯定感(自信のない人はめったに会えない人に片想いプレイなどしない)をもつプロですからね。

「いいコちゃんで色気ないえれなは私そのもの~」

って考えて真似したら大ケガ間違いなしです。

あとね、ソータのショコラのインスピレーションにここからえれなが入ってきます。

夢にみたサエコさんがリクエストしたショコラにえれなのネイルイメージを入れる。

これはまさにソータのミューズがサエコからえれなに代わってくシンボル。

正確にいえば“夢に見た”サエコさんは現実のサエコさんじゃないしね。

面白いわ~。

この巻で学べることは

恋のかけひきなんて、圧倒的なメリットにはかなわない。

ですかね。

えぐい~現実的~!!



この巻に出てくるお菓子で一番食べたいのは“3種のシトロントリュフ”です

マンゴー・レモン・オレンジの詰め合わせなんてステキすぎる~。

巻末のフランス取材漫画にしつこく

「日本のラデュレで出てくるものの倍はあります」

とさりげなく書いてあるのも最高でした。

お手元にある人はぜひ読み返してみて~。

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