【学べるところ、いっぱいかも】
これから書くのは、とあるレディーの半生です。
もちろん特定を避けるためにフェイクは入れますが、大切なところは全部ご本人が私に語ってくださったことです。
許可を得たので書かせていただきます!
~生い立ち~
ゆうきさん(仮名。天海祐希さんが憧れだそう)は、ありがちな“しんどい家庭”に生まれた。
母親は脂肪とブスと女が大嫌いで、娘のゆうきさんを365日
「太っているから」
「美人じゃないから」
という理由で怒鳴っていた。
思春期になるとこれに
「色気づくなーっ!!!」
が追加される。
初潮のときも
「なんで生理なんかになるんだ、色気づくな!!!」
と怒鳴られ、ブラジャーを買ってくれない毒母あるある地獄。
お金がないわけじゃないのに、買ってくれるのはスーパーの売れ残りの中で一番地味で可愛くないオバサンブラだけだった。
家事全般が苦手で特に料理がダメだった母親は家に大量のスナック菓子を置いていた。
「足りないならこれを食べろ」
母の作る食事は食べ盛りの子どものお腹を満たす量にも味にも達していなかった。
スナック菓子のおかげで、体重はどんどん増えていった。
父親は娘を怒鳴る妻を無視して素通りする。
自分の部屋から出てこない。
ゆうきが物心ついた頃から両親にはほぼ会話というものが存在していなかった。
制服、大学の入学式用のスーツ、成人式の振袖、大学卒業のための袴。
いつもいつも
「お金がもったいない、あんたは何を着ても衣装をダメにする」
と言われた。
「私がブスなせいでお母さんがかわいそうだ」
そう思い込んでいた。
~あきらかに狙ってる気がする~
ブスだと責めるわりに、母親は積極的に娘を醜くしているようだった。
「太っている」
と怒鳴るくせに、ダイエットしようとするとお菓子を食べさせようと躍起になった。
塾、引越し、模様替え、旅行…お金はあるはずなのに、美容室には半年に一度、近所の床屋でのヘアカットしかゆるさない。
服もバッグも靴もどうにもおかしい。
「醜い」
と怒鳴るくせに、あきらかに変に思われるものを選び与えられている。
自分で選ぶというと怒鳴られる。
母親の与える
「清楚なお嬢様ファッション」
は
「おばあさんが着ていそうな年寄りっぽいファッション」
にしか思えなかった。
おかしいおかしいと思っていたが、大学にはいるとそれは確信に変わった。
素敵な私服で登校する同級生たちと比べて自分がひどすぎるとわかったからだ。
~デッドボール事件~
ゆうきは自分なりの処世術を身に着けていた。
「私ブスなんです」
「私なんてダメなんです」
「ダメだから笑いをとりにいきます」
ダメでブスな自分だってわかってる、自分に期待されている仕事をしっかりこなします、そうやって降伏して
「ブスでダメだけど面白いヤツ」
「こいつはいじり倒していいんだな」
という需要を狙って、全力で応えた。
でも、ある時クラスの人気者美女に
「人数合わせで」
と頼まれた行った飲み会で心を砕かれた。
「こいつ、デッドボールじゃん」
と言われた。
「ここまで、ここまでされる?」
ということをされたのだ。
男も女も誰も自分を助けてくれない。
そして気付いたのだ、
「自分は人間扱いされない道を選んでしまっていたんだ」
と。
自虐したって負けにいったって、誰も自分を人間扱いなんかしないじゃないか。
どんなにいじめられても母親の気は晴れないし、父親は変わらず無関心じゃないか。
私はもう自分をダメだって思わせる環境にいたくない!
「こっそりお金をためよう。
今すぐ行動したいけど、学費をとめるって母が騒ぐから、就職したらすぐ行動にうつせるように準備するんだ」
~一人暮らし禁止から導き出した目標~
当初の目標は、東京から遠く離れた会社に就職して家を出ることだった。
しかしなぜか両親そろって
「一人暮らしなんてゆるさないぞ!!!」
と大反対。
「東京の会社に就職しないなら退学させる!!!」
それなら目標を変えるしかない。
結婚して、堂々とこの家から出て行く。
その日からゆうきの婚活ロードが始まった。
まずやったのはこれ。
男も女も、人気者であろうとなかろうと、美人であろうとなかろうと、自分を馬鹿にして雑に扱う人との関わりを全て断つこと。
男でも女でも意地悪なヤツはいる。
美人だって人気者だって人間扱いしてくれる人もそうでない人もいる。
会社の人とはある程度の付き合いは仕方ないが、それ以外は全て断った。
そして
「黙って努力して一人で欲しいものをとりにいく」
と心に決めた。
といっても最初から上手くいったわけじゃない。
ダイエット(158センチ65キロ)しようとして失敗したことは数知れず。
ファッション誌に載っている服は着られるサイズがほとんどなく、ごく少ないブランドが13号以上のサイズを作っていたけど、高くて少ししか買えない。
ハイヒールもメイクも母親に怒鳴られたり隠されたりしながら慣れていった。
就職した会社のカラーのせいか、この頃はいわゆるリア充の男性とばかり縁がありった。
彼らは群れるのと痩身の美女が大好きで、上手くいかなかった。
~私ならではの需要がある~
ある時、グラビアアイドルが好きな友達から
「この篠崎愛ってグラドル、ゆうきちゃんに少し似てるよ」
と言われた。
自分の何倍も可愛くて細かったが、キャンキャンやJJのモデルさんや女子アナよりは似せられる余地がある、と思い、写真集を買ってメイクと髪型と笑顔を真似し、数少ない私服ショットの服も真似した。
激安洋服店や通販のぼっちゃりサイズ服を組み合わせて再現できる、流行とは違うもの。
ダイエットはやめて、かわりに脱毛と身体の保湿とマッサージを頑張るようにした。
おしゃれな同性からみると自分は相変わらず
「モサモサ」
だったけど、以前とは比較にならないほど男ウケがよくなった。
「いけてる女子って緊張する、ゆうきちゃんは可愛いけど怖くないからほっとする」
自分にも需要がある、そう気付いた瞬間だった。
~ゆうきの勝ちレシピ~
篠崎愛さんを参考にしたグラドルヘアメイクにファッション、足をカッコよくみせるヒール靴。
自虐は封印して笑顔。
そしていい香りを仕込む。
色々試して、自分の勝ち香水はレモンやグレープフルーツのシトラス系香水に決めた。
経験から
「いいにおい」
と言った男性とは必ず付き合える、というデータもとれた。
自分の目的はモテることや付き合うことじゃない、結婚。
そう言い聞かせてきちんと付き合うまで肉体関係はもたないことを徹底した。
~この人だ!~
25才になる夏、友達が合コン話を持ってきた。
合コンはやらないよりはやった方がいいが期待しすぎはいけない。
待ち合わせ場所で友達と男性メンバーと会う。
大学院を卒業して働き始めたばかりだ、という彼らは全員真面目そうないい人たちだった。
その中の一人を見た瞬間、納得するような感覚がした。
「この人と結婚するんじゃないかな」
一目惚れやときめきとは違う、冷静だけど妙に直感的な気持ち。
お店で自己紹介をしあう。
やっぱり感じが悪くない人だな。
隣に自分から座りにいった。
「わあ、いい香り」
と彼が言った。
間違いない、きっとこの人だ。
~あっという間に~
合コンのあと、自分から連絡してデートに誘った。
何回かしてやっと
「付き合おう」
と言ってくれた。
これは結婚もあせっちゃいけないな、そう思っていたのに
「結婚してください」
あっという間だった。
上手くいくときはあっという間だな、これが運命だな、と思ったが、あの合コンの違う男性メンバーと付き合っていた友達も同時期プロポーズされていた。
プロポーズの理由は
「社会人になって初めての海外転勤が決まって怖かったから一緒についてきてほしかったのだろう」
とわかった。
とにかく、こうしてやっとゆうきは実家という檻から脱出できたのだった。
~私がダメダメだったのは~
結婚して海外に住むようになってわかったことがあった。
自分は意外にもアクティブだ。
それに意外と勇気があった。
海外にきてとじこもるどころか何もかもが楽しくなった。
語学できないのに、一人であちこち出かけてる。
そして気付いた。
「ダメだダメだって毎日攻撃されてたら、そう思い込むし、そうなっちゃうよね」
この国にきてから
「愛される女になれ」
とか
「男を操れ」
って言われたことがない。
夫の会社経由で知ったカウンセラーさんも
「何かを変えようとする前に、自分がどうして今の自分になったかを知ることが大事なんですよ」
と言っていた。
少しして妊娠した。
日本からたくさん心理学や家庭学の本を買った。
私はお母さんのようなお母さんにはならない。
【どこに反応するかは自分次第】
ゆうきさんの物語、いかがでしたか?
きっと読む人によって反応する箇所が全然違うと思います。
それこそが自分が今どんな状態なのかを知る基準になるんじゃないでしょうか。
ゆうきさん、ありがとうございました
これからもお幸せに
これから書くのは、とあるレディーの半生です。
もちろん特定を避けるためにフェイクは入れますが、大切なところは全部ご本人が私に語ってくださったことです。
許可を得たので書かせていただきます!
~生い立ち~
ゆうきさん(仮名。天海祐希さんが憧れだそう)は、ありがちな“しんどい家庭”に生まれた。
母親は脂肪とブスと女が大嫌いで、娘のゆうきさんを365日
「太っているから」
「美人じゃないから」
という理由で怒鳴っていた。
思春期になるとこれに
「色気づくなーっ!!!」
が追加される。
初潮のときも
「なんで生理なんかになるんだ、色気づくな!!!」
と怒鳴られ、ブラジャーを買ってくれない毒母あるある地獄。
お金がないわけじゃないのに、買ってくれるのはスーパーの売れ残りの中で一番地味で可愛くないオバサンブラだけだった。
家事全般が苦手で特に料理がダメだった母親は家に大量のスナック菓子を置いていた。
「足りないならこれを食べろ」
母の作る食事は食べ盛りの子どものお腹を満たす量にも味にも達していなかった。
スナック菓子のおかげで、体重はどんどん増えていった。
父親は娘を怒鳴る妻を無視して素通りする。
自分の部屋から出てこない。
ゆうきが物心ついた頃から両親にはほぼ会話というものが存在していなかった。
制服、大学の入学式用のスーツ、成人式の振袖、大学卒業のための袴。
いつもいつも
「お金がもったいない、あんたは何を着ても衣装をダメにする」
と言われた。
「私がブスなせいでお母さんがかわいそうだ」
そう思い込んでいた。
~あきらかに狙ってる気がする~
ブスだと責めるわりに、母親は積極的に娘を醜くしているようだった。
「太っている」
と怒鳴るくせに、ダイエットしようとするとお菓子を食べさせようと躍起になった。
塾、引越し、模様替え、旅行…お金はあるはずなのに、美容室には半年に一度、近所の床屋でのヘアカットしかゆるさない。
服もバッグも靴もどうにもおかしい。
「醜い」
と怒鳴るくせに、あきらかに変に思われるものを選び与えられている。
自分で選ぶというと怒鳴られる。
母親の与える
「清楚なお嬢様ファッション」
は
「おばあさんが着ていそうな年寄りっぽいファッション」
にしか思えなかった。
おかしいおかしいと思っていたが、大学にはいるとそれは確信に変わった。
素敵な私服で登校する同級生たちと比べて自分がひどすぎるとわかったからだ。
~デッドボール事件~
ゆうきは自分なりの処世術を身に着けていた。
「私ブスなんです」
「私なんてダメなんです」
「ダメだから笑いをとりにいきます」
ダメでブスな自分だってわかってる、自分に期待されている仕事をしっかりこなします、そうやって降伏して
「ブスでダメだけど面白いヤツ」
「こいつはいじり倒していいんだな」
という需要を狙って、全力で応えた。
でも、ある時クラスの人気者美女に
「人数合わせで」
と頼まれた行った飲み会で心を砕かれた。
「こいつ、デッドボールじゃん」
と言われた。
「ここまで、ここまでされる?」
ということをされたのだ。
男も女も誰も自分を助けてくれない。
そして気付いたのだ、
「自分は人間扱いされない道を選んでしまっていたんだ」
と。
自虐したって負けにいったって、誰も自分を人間扱いなんかしないじゃないか。
どんなにいじめられても母親の気は晴れないし、父親は変わらず無関心じゃないか。
私はもう自分をダメだって思わせる環境にいたくない!
「こっそりお金をためよう。
今すぐ行動したいけど、学費をとめるって母が騒ぐから、就職したらすぐ行動にうつせるように準備するんだ」
~一人暮らし禁止から導き出した目標~
当初の目標は、東京から遠く離れた会社に就職して家を出ることだった。
しかしなぜか両親そろって
「一人暮らしなんてゆるさないぞ!!!」
と大反対。
「東京の会社に就職しないなら退学させる!!!」
それなら目標を変えるしかない。
結婚して、堂々とこの家から出て行く。
その日からゆうきの婚活ロードが始まった。
まずやったのはこれ。
男も女も、人気者であろうとなかろうと、美人であろうとなかろうと、自分を馬鹿にして雑に扱う人との関わりを全て断つこと。
男でも女でも意地悪なヤツはいる。
美人だって人気者だって人間扱いしてくれる人もそうでない人もいる。
会社の人とはある程度の付き合いは仕方ないが、それ以外は全て断った。
そして
「黙って努力して一人で欲しいものをとりにいく」
と心に決めた。
といっても最初から上手くいったわけじゃない。
ダイエット(158センチ65キロ)しようとして失敗したことは数知れず。
ファッション誌に載っている服は着られるサイズがほとんどなく、ごく少ないブランドが13号以上のサイズを作っていたけど、高くて少ししか買えない。
ハイヒールもメイクも母親に怒鳴られたり隠されたりしながら慣れていった。
就職した会社のカラーのせいか、この頃はいわゆるリア充の男性とばかり縁がありった。
彼らは群れるのと痩身の美女が大好きで、上手くいかなかった。
~私ならではの需要がある~
ある時、グラビアアイドルが好きな友達から
「この篠崎愛ってグラドル、ゆうきちゃんに少し似てるよ」
と言われた。
自分の何倍も可愛くて細かったが、キャンキャンやJJのモデルさんや女子アナよりは似せられる余地がある、と思い、写真集を買ってメイクと髪型と笑顔を真似し、数少ない私服ショットの服も真似した。
激安洋服店や通販のぼっちゃりサイズ服を組み合わせて再現できる、流行とは違うもの。
ダイエットはやめて、かわりに脱毛と身体の保湿とマッサージを頑張るようにした。
おしゃれな同性からみると自分は相変わらず
「モサモサ」
だったけど、以前とは比較にならないほど男ウケがよくなった。
「いけてる女子って緊張する、ゆうきちゃんは可愛いけど怖くないからほっとする」
自分にも需要がある、そう気付いた瞬間だった。
~ゆうきの勝ちレシピ~
篠崎愛さんを参考にしたグラドルヘアメイクにファッション、足をカッコよくみせるヒール靴。
自虐は封印して笑顔。
そしていい香りを仕込む。
色々試して、自分の勝ち香水はレモンやグレープフルーツのシトラス系香水に決めた。
経験から
「いいにおい」
と言った男性とは必ず付き合える、というデータもとれた。
自分の目的はモテることや付き合うことじゃない、結婚。
そう言い聞かせてきちんと付き合うまで肉体関係はもたないことを徹底した。
~この人だ!~
25才になる夏、友達が合コン話を持ってきた。
合コンはやらないよりはやった方がいいが期待しすぎはいけない。
待ち合わせ場所で友達と男性メンバーと会う。
大学院を卒業して働き始めたばかりだ、という彼らは全員真面目そうないい人たちだった。
その中の一人を見た瞬間、納得するような感覚がした。
「この人と結婚するんじゃないかな」
一目惚れやときめきとは違う、冷静だけど妙に直感的な気持ち。
お店で自己紹介をしあう。
やっぱり感じが悪くない人だな。
隣に自分から座りにいった。
「わあ、いい香り」
と彼が言った。
間違いない、きっとこの人だ。
~あっという間に~
合コンのあと、自分から連絡してデートに誘った。
何回かしてやっと
「付き合おう」
と言ってくれた。
これは結婚もあせっちゃいけないな、そう思っていたのに
「結婚してください」
あっという間だった。
上手くいくときはあっという間だな、これが運命だな、と思ったが、あの合コンの違う男性メンバーと付き合っていた友達も同時期プロポーズされていた。
プロポーズの理由は
「社会人になって初めての海外転勤が決まって怖かったから一緒についてきてほしかったのだろう」
とわかった。
とにかく、こうしてやっとゆうきは実家という檻から脱出できたのだった。
~私がダメダメだったのは~
結婚して海外に住むようになってわかったことがあった。
自分は意外にもアクティブだ。
それに意外と勇気があった。
海外にきてとじこもるどころか何もかもが楽しくなった。
語学できないのに、一人であちこち出かけてる。
そして気付いた。
「ダメだダメだって毎日攻撃されてたら、そう思い込むし、そうなっちゃうよね」
この国にきてから
「愛される女になれ」
とか
「男を操れ」
って言われたことがない。
夫の会社経由で知ったカウンセラーさんも
「何かを変えようとする前に、自分がどうして今の自分になったかを知ることが大事なんですよ」
と言っていた。
少しして妊娠した。
日本からたくさん心理学や家庭学の本を買った。
私はお母さんのようなお母さんにはならない。
【どこに反応するかは自分次第】
ゆうきさんの物語、いかがでしたか?
きっと読む人によって反応する箇所が全然違うと思います。
それこそが自分が今どんな状態なのかを知る基準になるんじゃないでしょうか。
ゆうきさん、ありがとうございました
これからもお幸せに