今日の商店会長 (早稲田商店会相談役 安井潤一郎)

日本でただ一人、商店会の会長現職で衆議院議員になった、早稲田商店会前会長日記。公式ホームページは左下ブックマークから。

稲毛屋の件で御心配いただいています。

2007-11-10 08:35:27 | 商店会長のコメント
先月末から今月初めにかけて、日刊ゲンダイ、テレビ朝日「スーパーモーニング」、週刊文春に掲載、放送された記事や番組を御覧になったお仲間の皆さんから数多くの電話やメールをいただきました。ありがたいことです。記事や番組を見ると「小泉チルドレンの安井の会社が小泉構造改革の余波を受けて倒産」というテーマが最初にあり、それに合わせて作られているような感じがしました。

私が一昨年まで代表取締役を務めていた㈱稲毛屋は倒産も廃業もしていませんし、私自身も自己破産など起こしていません。

使いづらい三角の地形の土地、建築後33年を経過し老朽化した建物、耐震性や水処理機能に問題が有り全体の修繕修理に億に近い資金が必要で、なにしろ30数年前はお客様に本当に喜んでいただき、商売として成績も良かった「生鮮三品自営のミニスーパー」という業態に陰りが出て来た事を、店を引き継ぎ経営の責任者になった弟たちが認識し、その上で、土地建物をより良い条件で整理し近所にて新業態の店舗を複数構えようという企画が夏までに形になり、10月初めに店の場所が更地から駐車場になったというのがこの流れです。

使い切れない資金が有って、左団扇(ひだりうちわ)の経営ならば親から譲られた店や土地は手放しません。悔しい思いはいっぱいですし、親に対して知恵と力が無かった事を謝らなければなりません。それ以上に御愛顧いただいていた近所のお客様にご不便をおかけしている事を心よりお詫びいたします。

10月14日には店の在った所より一つ南側の通りで新業態の店「アンテナショップ」を開業しましたし、今月中には新目白通り沿い、前の店とすぐ近所にもう1店舗開店する予定です。

弟たちに譲ったと言っても25年間私が社長を務めて来た会社ですから、間違いなく私にも責任はあります。早稲田店、杉並店の閉店に際して御協力いただいた問屋、メーカー、お取り引き先の皆さんには心より感謝申し上げます。

今後は、開き直るわけではありませんが今回の経過を、当事者として、また客観的に推移を見る事の出来た立場の者としての経験を生かし、「閉められずに歯を喰いしばって御苦労されている」日本中の商店街の皆さんのお役に立たせていただこうと思っています。微力ですが力いっぱい頑張ります。

先ず初めに経営改善資金等の小規模事業者用の融資を使いやすくする手直しから始めたいと思います。東京商工会議所新宿支部所属会員の経験から言わせていただければ加盟事業所数4千数百で職員さんが4名程度の規模で何が指導なのかと思っています。この会議所で半年近く指導を受けた事業者だけが融資を受けられるなんてシステムは間違いなく机の上だけで考え、現場に出て行った事の無い人が考え出した条件です。融資案件の健全性、将来性を自分が判断出来ない事を棚に上げ、ただただ融資実行の責任が自分に来ないようにするための「アリバイ作り」です。

責任者だから責任を取る。民間ならば、ごく当たり前のことを「指導を受けた半年後に融資を実行するか否かを決める」なんて条文は小規模、零細事業者の資金枯渇の状況を御存知ない、門前払いの取り決めです。商工会議所以外でも法人格を持った公益団体にもこの融資案件に参加できるように中小企業庁担当者の方と折衝させていただこうと思っています。
コメント (1)
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