今日の商店会長 (早稲田商店会相談役 安井潤一郎)

日本でただ一人、商店会の会長現職で衆議院議員になった、早稲田商店会前会長日記。公式ホームページは左下ブックマークから。

12月26日・店をやめるにもお金が必要

2007-12-26 23:40:32 | 商店会長のコメント
昨日は無担保、無保証で国民生活金融公庫が貸し出す「マル経融資」について書きました。資金繰りに苦しんでいる中小零細事業者の皆さんにはまさに朗報だと思います。ただ、商売で一番難しいのは止める時だと言われていますし、自由主義経済ですから「淘汰」は当然有ります。賞味期間を過ぎた業態、業種を苦しみながら続けるための、全てを失ってしまう「マル経融資」で有ってはならないのです。

店をやめるのには資金が必要です。銀行も信金さんもやめる店には融資はしてくれません。商店街の複数のお店が店を閉め、シャッター街になる前に上手にやめて、「まちづくり」のために良い大家さんになるためにも政府系金融機関の廃業、転業に対しての融資システムを作る必要を強く感じています。

平成21年度に向けて、商店街や商工会議所という現場の皆さん、経済産業省、中小企業庁という役所の担当部局の皆さんと一緒に勉強出来る会合を立ち上げようと思っています。

銀行の融資環境のゆるい時期に出店、撤退を繰り返し、有利子負債を増やし、不況が長引き、金融機関の貸し渋りから、親から譲り受けた店を閉める現場に立ち会ってきた私の仕事だと思います。

ただ、この貸し渋りがあったからこそ弟の店は皆さんの御協力をいただきながら、次のステップを踏めるようになったのだと思います。「やめる」という選択肢を明確に持つと、最初の一歩が踏み出しやすいというのは今までの活動で十分学習して来ました。中小零細企業の経営環境を作る中で今までに無かった「やめる時」を考えたシステムが構築されたならば確実にこの国の経済は元気になります。扱う金額は小さくても圧倒的な数の事業者が元気になる枠組み作りだと思っています。
コメント (1)
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