東京タウンウォッチング 新大久保のコリアンタウン化と商機
~経営コンサルタント・安岡裕二の「東京タウンウォッチングガイド」~
淑徳大学公開講座と「イムスクラブ」の合同で、新大久保のコリアンタウン 探検ウォッチングを試みた。ここにも韓国パワーあり、通りの商店街全体が韓国に占領された感のある変貌振り、色々な事を考えさせられる現実は、見て、買って、食べて…の価値がある。
ここにも…というのは、日本のお家芸といわれた家電製品や半導体、鉄鋼、造船など重厚長大産業まで、韓国パワーやアジア勢に押されているからという積もりである。
その兆候は、新大久保というマチを通してもみられた。2004~05年にかけての第一次韓国ブーム。ヨン様に血道を上げる中高年女性たちがイケメンスターのポスターやプロマイドを買い求め韓国家庭料理を楽しむという職安通り中心の時代だった。
ところが今回の2011~12年に起きている第2次韓国ブームは性格が全く異なるといって良い。時代背景には、歌って踊るAKB48のグループから火がついて、韓国のKーPOPと言われるサブカルブームが日本に上陸してきたことにある。ドラマの世界から音楽とダンスの世界に主役が移ってきたことから客層がヤング層に広がった厚みが全く違う。
こうしたブームは、韓国スター関連グッズから、スーパー、韓国料理店、イケメンカフェ、食材、雑貨、化粧品などへ商売が広がり、新大久保のマチ(通り)が韓国ショップに埋め尽くされ、昔ながらの日本人相手の商店が全くといって良いほど姿を消しつつある現実を引き起こした。韓国ショップの出世組は、韓国料理の おんどる、トンちゃん、韓流百貨店(…と言ってもつぎはぎ増築バラック風!?)、韓国市場、コーヒープリンス(ピルの2,3,4階を占領したイケメンカフェ)など…。
そして、大久保通りと職安通りを結ぶ「イケメン通り」の賑わいは日本人観光客が支えているだけではない。このゾーンがコリアンタウンと化した韓国人が多く住むことを象徴する国旗を見つけた(写真)。そればかりか、周辺には、タイ、中国、インド、マレーシア、サウジ…など、21ヶ国の外国人が住んでいる(*nhk 情報)。これは最早“多民族国家”の先行モデルではないか!?
外国人が住む実感は、イケメン通りの「新宿八百屋」で観察や店のお兄さんに聞くと実感出来る。世界では「ダイバーシティ」(多様性)といわれる、異民族との共存、協調が課題となっているが、日本の将来を暗示している…かも知れない(*日経ビジネス)
ビジネスの視点でみると、韓国パワーの源である、顧客視点からの価格付け、それを可能にする生産量と販売展開のスピード、現地化の巧みさなど、この街にも「韓国モデル」が活かされている。又、発想の違いを示す直截な(強みを誇示する)メニューを視覚に訴えるカンバンを見つけた(写真)。こんな発想は、今までの日本人には余りなかった。韓国人の成功経営者は、この街に多くの人を集めることに貢献した、日本の経営者(商店など)もそこにチャンスを見いだしたらよいという。
今、新大久保は「オオクボ」と呼ぶに相応しい外国のマチになったのである。需要を支える日本人客は、韓国料理を楽しみ、韓国食材を家庭に持ち込み調理し、韓国の化粧品を好み、韓流ドラマや音楽に浸る人達である。もう一方の世界から来て生活する人は、自国の文化を持ち込み日本の食や文化と調和させて暮らしている。ここは、外国と思う方が自然である。
日本人が貸店舗という、いわば城明け渡しにも似た安易な方法ではなく、この賑わいを取り込むには、どんな策があるか? 柔軟に外国人に合わせた商売で現地化成功モデルの先陣を切ったように見えるドンキホーテや新宿八百屋などもある。 多様な民族との共存、協調に進む時代に、これからも「オオクボ」というマチから目が離せない。
~経営コンサルタント・安岡裕二の「東京タウンウォッチングガイド」~
淑徳大学公開講座と「イムスクラブ」の合同で、新大久保のコリアンタウン 探検ウォッチングを試みた。ここにも韓国パワーあり、通りの商店街全体が韓国に占領された感のある変貌振り、色々な事を考えさせられる現実は、見て、買って、食べて…の価値がある。
ここにも…というのは、日本のお家芸といわれた家電製品や半導体、鉄鋼、造船など重厚長大産業まで、韓国パワーやアジア勢に押されているからという積もりである。
その兆候は、新大久保というマチを通してもみられた。2004~05年にかけての第一次韓国ブーム。ヨン様に血道を上げる中高年女性たちがイケメンスターのポスターやプロマイドを買い求め韓国家庭料理を楽しむという職安通り中心の時代だった。
ところが今回の2011~12年に起きている第2次韓国ブームは性格が全く異なるといって良い。時代背景には、歌って踊るAKB48のグループから火がついて、韓国のKーPOPと言われるサブカルブームが日本に上陸してきたことにある。ドラマの世界から音楽とダンスの世界に主役が移ってきたことから客層がヤング層に広がった厚みが全く違う。
こうしたブームは、韓国スター関連グッズから、スーパー、韓国料理店、イケメンカフェ、食材、雑貨、化粧品などへ商売が広がり、新大久保のマチ(通り)が韓国ショップに埋め尽くされ、昔ながらの日本人相手の商店が全くといって良いほど姿を消しつつある現実を引き起こした。韓国ショップの出世組は、韓国料理の おんどる、トンちゃん、韓流百貨店(…と言ってもつぎはぎ増築バラック風!?)、韓国市場、コーヒープリンス(ピルの2,3,4階を占領したイケメンカフェ)など…。
そして、大久保通りと職安通りを結ぶ「イケメン通り」の賑わいは日本人観光客が支えているだけではない。このゾーンがコリアンタウンと化した韓国人が多く住むことを象徴する国旗を見つけた(写真)。そればかりか、周辺には、タイ、中国、インド、マレーシア、サウジ…など、21ヶ国の外国人が住んでいる(*nhk 情報)。これは最早“多民族国家”の先行モデルではないか!?
外国人が住む実感は、イケメン通りの「新宿八百屋」で観察や店のお兄さんに聞くと実感出来る。世界では「ダイバーシティ」(多様性)といわれる、異民族との共存、協調が課題となっているが、日本の将来を暗示している…かも知れない(*日経ビジネス)
ビジネスの視点でみると、韓国パワーの源である、顧客視点からの価格付け、それを可能にする生産量と販売展開のスピード、現地化の巧みさなど、この街にも「韓国モデル」が活かされている。又、発想の違いを示す直截な(強みを誇示する)メニューを視覚に訴えるカンバンを見つけた(写真)。こんな発想は、今までの日本人には余りなかった。韓国人の成功経営者は、この街に多くの人を集めることに貢献した、日本の経営者(商店など)もそこにチャンスを見いだしたらよいという。
今、新大久保は「オオクボ」と呼ぶに相応しい外国のマチになったのである。需要を支える日本人客は、韓国料理を楽しみ、韓国食材を家庭に持ち込み調理し、韓国の化粧品を好み、韓流ドラマや音楽に浸る人達である。もう一方の世界から来て生活する人は、自国の文化を持ち込み日本の食や文化と調和させて暮らしている。ここは、外国と思う方が自然である。
日本人が貸店舗という、いわば城明け渡しにも似た安易な方法ではなく、この賑わいを取り込むには、どんな策があるか? 柔軟に外国人に合わせた商売で現地化成功モデルの先陣を切ったように見えるドンキホーテや新宿八百屋などもある。 多様な民族との共存、協調に進む時代に、これからも「オオクボ」というマチから目が離せない。