東京タウンウォッチング情報 & 経営コラム 「経営コンサルタント・安岡裕二」の情報とヒント

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JUDOと柔道 変化に対応して勝ちとった石井の「JUDO」

2008-08-31 17:15:36 | ミニ経営戦略・戦術論
  JUDOと柔道 変化に対応して勝ちとった石井の「JUDO」

  昨夜(8/30)NHKスペシャル「石井慧」金メダルへの軌跡を見ました。この所「不易流行」や「伝統と革新」という経営の舵取りに関する根本のテーマに触れる事件、事柄に遭遇する事が多い。
 北京オリンピックで無惨な負けが続いた男子柔道の中で、誇りを守った石井の戦略にそれを見た。NHKの解説から、ピックアップさせて貰うと… 

『…日本柔道男子はメダルわずか2個という過去最低の結果に終わった。立ちはだかったのはヨーロッパを中心に広がる“JUDO”。日本伝統の一本をとりにいく柔道ではなく、組みあわずに直接足を狙うタックルや、相手に反則ポイントが与えられるように仕掛けて勝つ柔道だ。その存在は対日本選手にだけでなく、あらゆる試合で見られ、今の柔道の主流となっていることを示した。
 その“JUDO”を堂々と征し、金メダルを決めた男がいる。100キロ超級の日本代表・石井慧・21歳だ。決勝こそ優勢勝ちに終わったものの、準決勝までの4試合はすべて一本勝ち。“JUDO”を完全に手の内に納めての鮮やかな金メダルだった。石井は今年1月から3月にかけてヨーロッパで開かれた国際大会「サーキット」に参加。パワーに加え、戦術や駆け引きをも駆使する“JUDO”を吸収していった。4月の日本選手権では、「一本勝ちにこだわらない」「効果や指導でも勝ちにいく」というまさに“JUDO”を実践し、五輪代表の座を手に入れた。
 そして臨んだ北京。いつものように早い段階で動き周る石井に、防戦一方の相手は指導を取られる。ポイントを取って勝つ“JUDO”ならこれで十分。しかし、石井が見せた柔道は更に進化していた。ポイントをとられ、焦る相手が前に出てきたところに投げを打ち、押さえ込み、一本を決める。まさに“JUDO”に“柔の道”を加え進化した完璧な柔道だった。
  多様な変化をとげ世界に広がる“JUDO”に成す術もなく低迷する日本柔道。「変化に対応できるものこそが一番強い」と語る石井の柔道に、復活の手がかりを見出すことは出来ないか…』
 
  「変化に対応できるものこそが一番強い」…経営者が言うような名言を石井は吐く。いつの間にかフランスが柔道大国となり、世界の強豪が集まる。石井は、そこに乗り込み、世界のJUDOの流れを肌で知る。巨漢揃いの外国人は、3分経つとスタミナが切れる事を見抜き、徹底してスタミナを蓄え「3分男」の異名を取った(勝ちにこだわる)戦略も見事だった。
 日本の伝統は、型の美しさ、様式美にこだわる。柔道も又、一本勝ちの鮮やかさに華麗な美を見る。しかし、世界はいつの間にか進化していた。ローカルジャパンにこだわっていたのでは、伝統藝が外国勢に取って代わられる。伝統を活かし、如何に世界に合わせて進化させるか、芭蕉の名言「不易流行」が身に沁みる。
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