『そぞろ歩き韓国』から『四季折々』に 

東京近郊を散歩した折々の写真とたまに俳句。

読書感想45  泥棒はライ麦畑で追いかける

2013-01-04 12:36:09 | 小説(日本)

 


 

著者      ローレンス・ブロック<o:p></o:p>

 

生年      1938<o:p></o:p>

 

出身地     アメリカ合衆国ニューヨーク州バッファロー

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受賞歴     シェイマス賞・エドガー賞・MWA賞巨匠賞・<o:p></o:p>

 

        PWA生涯功労賞<o:p></o:p>

 

代表作     泥棒バーニイ・シリーズ<o:p></o:p>

 

        アル中探偵マット・スカダー・シリーズ

「泥棒はライ麦畑で追いかける」初版    1999年出版

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感想<o:p></o:p>

 

 これは著者の代表作、泥棒バーニイ・シリーズの第9作目にあたる。サリンジャーとサリンジャーの手紙がオークションにかけられた事件を下書きにしたという。<o:p></o:p>

 

泥棒が本業で副業に古書店を営むバーニイはニューヨークのマディソン・スクウェアの向かいに建つパディントン・ホテルに3泊の宿泊費を払い4階の客室に入る。そして6階のアンシア・ランドーの部屋に忍び込む。アンシアは出版エージェントとしてプライバシーを秘密にしている人気作家のガリヴァー・フェアボーンの作品を一手に引き受けている。バーニイはガリヴァー・フェアボーンの手紙を盗みにきたのだ。しかし手紙は見当らず、アンシアの死体が硝煙と煙草の煙の中に横たわっていた。そこへ警察がドアを叩く。バーニイはアンシアの部屋の外の非常階段を伝わって3階の誰もいない客室に入りこむ。そこで豪華なルビーのネックレスとイヤリングを見つける。ホテルから逃れようとロビーへ降りると、アンシアの部屋へ入る前に6階で会った舞台女優に名指しされ、旧知の警官レイに逮捕される。バーニイの体からはアンシアを刺殺した物も泥棒の七つ道具も盗んだものも出てこない。釈放されたバーニイは盗みの依頼人に連絡をとろうとするが連絡がとれない。バーニイの古書店に次々にガリヴァー・フェアボーンの手紙を買いたいという人が訪れる。伝記を書こうとしている大学教授、ファンのコレクター、オークションのサザビーズの人、警官のレイまで来て山分けの話をもちかける。更に保釈金を払ってくれた大富豪ジョン・コンシダインからルビーのネックレスとイヤリングを取り戻してくれという依頼がくる。手紙はどこにあるのか? アンシアを殺したのは誰か? バーニイが謎を解いていく。<o:p></o:p>

 

 バーニイが泥棒なので非合法な手段で犯罪の証拠が集められるし、犯罪の現場に犯人と同じような感覚で近づくことができる。殺人事件を解決しながら、盗みの依頼者との取引で自分の利益を確実にする。まるで古書販売のように。盗み出したものも表ざたにできないような品物で、最終的には犯罪が成立しない。実にスマートな泥棒探偵である。バーニイと会話する人達が魅力的で楽しい。彼らを生かすためか、犯人も真相もあまりに意外である。脈絡が途切れたようだ。<o:p></o:p>

 

 またパディントン・ホテルで貸し出してくれるテディベアのエピソードが楽しい。日本人観光客にテディベアが大人気でお土産に持って帰る人が多いそうだ。ニューヨークへ行ったらパディントン・ホテルに泊まろう。<o:p></o:p>

 

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わがまま評価(5点満点)<o:p></o:p>

 

長さ      :☆☆☆<o:p></o:p>

 

人物造型    :☆☆☆<o:p></o:p>

 

推理の難解度  :☆☆☆<o:p></o:p>

 

独特の雰囲気  :☆☆☆☆<o:p></o:p>

 

面白さ     :☆☆☆☆<o:p></o:p>

 

アメリカ文化紹介:☆☆☆<o:p></o:p>