『そぞろ歩き韓国』から『四季折々』に 

東京近郊を散歩した折々の写真とたまに俳句。

読書感想50  ○に十の字―新・古着屋総兵衛第5巻―

2013-01-25 16:24:30 | 小説(日本)

 

著者   :佐伯泰英<o:p></o:p> 

生年     :1942<o:p></o:p>

 

出身地    :福岡県北九州市<o:p></o:p>

 

初出版年   :2012年(平成24年)<o:p></o:p>

 

出版社    :新潮社(新潮文庫)<o:p></o:p>

 

値段     :630円(税別)<o:p></o:p>

 

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感想<o:p></o:p>

 

 10代目大黒屋総兵衛勝臣こと鳶沢総兵衛勝臣の新たな敵は薩摩藩と明らかになったのは、第3巻「日光代参」であった。薩摩藩は海外交易で競争相手になる大黒屋を潰すべき、様々な手を使ってくる。この巻では、南の海へ巨大帆船イマサカ号と大黒丸が出発し、それに乗り込んでいた総兵衛勝臣が密かに下船し、久能山裏手の鳶沢村に入ったところから始まる。総兵衛勝臣は鳶沢村に張り付いていた薩摩藩の密偵を捕らえ、圧倒的な武術の差と薩摩藩に戻れない情況を認識させ、薩摩藩を裏切らせる。そして密偵北郷陰吉も伴って京都へ向かう。途中には薩摩藩の追手が待ち伏せる。一方江戸の大黒屋では、薩摩藩の意を受けた与力土井権之丞が立ちふさがる。大黒屋の危機を何度か救い、大黒屋の秘密を知る湯島天神の床下に住む、おこも(乞食)の11歳の少年ちゅう吉がさらわれる・・・。<o:p></o:p>

 

 東海道の旅が6代目大黒屋総兵衛の旅と二重写しになり、新味が乏しい。追手との戦い方も同じようで既視感(デジャビュ)がある。シリーズもののむずかしいところだ。また、総兵衛勝臣もその許嫁の坊城桜子も上流階級の出身で上品だが、雰囲気に野性味が乏しい。古着屋という職業からくる庶民性、裏旗本という凄みやいかがわしさを脇役で補っているが、いまいち脇役がいい人、悪い人のパターンにはまっていて、おもしろくない。<o:p></o:p>

 

 しかし、設定は雄大なので今後の展開を楽しみにしている。<o:p></o:p>

 

2013115日読了)<o:p></o:p>