『そぞろ歩き韓国』から『四季折々』に 

東京近郊を散歩した折々の写真とたまに俳句。

四季折々6  宇津貫公園

2013-04-02 21:38:46 | まち歩き

八王子市の宇津貫公園。JR横浜線の八王子みなみ野駅が最寄りの駅になる。春休みに入った平日のお花見風景。

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〈ご近所と 花見に集う 陽気かな〉

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〈ボケ桜 百花繚乱 春の音  〉

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〈枝折るな 桜は元に もどらない〉

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〈桜の木 ここでも町の シンボルに〉

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翻訳  朴ワンソの「裸木」8

2013-04-02 02:07:53 | 翻訳

 


  -愛するダイアナ、私たちの別れは長くないだろう。私はどんな方法を使ってでもあなたを米国へ連れて来られるようにするつもりだ。愛している。あなたが必要だ。あなたの忠実な〈バブ〉-<o:p></o:p> 

 彼女は特別な反応もなく、サボテンに咲いた花のように腹の足しに手入れした手の爪をいかにも満足したように鑑賞して、<o:p></o:p>

 

「つまらない。それだけなの? クリスマスが明日明後日なのに贈物の話もなくて・・・」<o:p></o:p>

 

 大きなあくびをした。<o:p></o:p>

 

 丸い喉仏がまるで空き部屋の入口のように、寒々しく開いていた。苦悩も歓喜もこもっていないうら寂しい空き部屋。<o:p></o:p>

 

「返信をちょっと書いてくれない。高くしないで」<o:p></o:p>

 

「私、そういう手紙は自信ないんですが・・・」<o:p></o:p>

 

「経験がない、その言葉ね。純真なふりをするのはなしよ・・・適当に書いてみて。熱くね。でもね、贈物の話はどうやって切り出したらいいかしら?」<o:p></o:p>

 

 お掃除の小母さんがゴミを入れた大きな箱を押して入ってくると、<o:p></o:p>

 

チマを巻き上げ下着はふくらはぎまで下げ、隠れていた肌をはばかることなくさらけ出して、紙屑かごの中から歯磨き粉や石鹸を続々と取り出すと、ふくらはぎから積み上げ始めた。一層積んでは下着をそれだけあげて、ゴムひもで縛って、また一層積んではゴムひもで縛って、またたくまにふくらはぎを越えて尻、腰を覆った。<o:p></o:p>

 

 そしてチマを下して外套をまとって出て行った。昼食時間に一仕事やらかしに来たのだった。<o:p></o:p>

 

 瞬く間に、こんなことを手際よく片付けて、彼女たちは以前のように鈍く単純に見えても熟練していた。<o:p></o:p>

 

 もう一仕事した集団がただ昼食を食べて来ただけだというように当たり前の顔でゆっくり歩いて入って来た。<o:p></o:p>

 

 ダイアナ金と何人かの店員は手早く取り囲んで持ってきた、多量のウォン札の分配に不満があるように言い争ったが、大きな鞄の中の札束をいいかげんに引っ掻き回して、<o:p></o:p>

 

「小母さん、変な振る舞いをするなら、今後役得もないわよ。うまく行かなければ、私が直接奪い取るよ」<o:p></o:p>

 

「まあ、後先考えない馬鹿なことを。この腰に小さくても下げるよ」<o:p></o:p>

 

 誰かが、彼女のさわやかな腰を腕でぎゅっと締めてくすくす笑ったが、彼女の目は笑っておらず、強張ったまつ毛の中から冷たく光っていた。<o:p></o:p>

 

 私はその間に〈バブ〉の手紙をそこにそのまま置いたまま休憩室を抜け出て階段を飛んで下りた。<o:p></o:p>

 

 空っぽの弁当箱の中からおかずの容器が揺れる音が、空しく鳴った。私は肖像画部のちょうど前で真鍮容器部のミスギに空っぽの弁当箱を揺すって見せたりしながら、自分の席に来た。<o:p></o:p>

 

 韓国物産部の中でも、貴金属部や手芸部のような大きい所は、店員が34名ずつになるが、真鍮容器部や私達の肖像画部は店員が1名だけでミスギと私は、昼食時間になると互いの売場を交代で見ることになっていた。<o:p></o:p>

 

「お姉さん、酷いです。待てなくてショーケースの下でしゃがんで食べたくて仕方がなかったのよ」<o:p></o:p>

 

 私よりも2歳下のヤングガールだということで、艶々した頭と健康そうな頬を持つこの少女に対して、私は急に気になった。彼女の内部もやはり物寂しい空っぽの部屋だけかと思って、<o:p></o:p>

 

「あんた、ちょっとあくびしてみたら?」<o:p></o:p>

 

「お姉さん、あくびは勝手にするわ。今日は売上がなくて、あくびをたくさんしたけれど」<o:p></o:p>

 

「じゃ、口でも開けてみて。あーと」<o:p></o:p>

 

 彼女はおとなしく口を大きく開けた。鮮やかに赤い口の中と首の奥につるされた喉ちんこ。<o:p></o:p>

 

 彼女はすぐに口を閉めて、米兵がしきりに覗き込む自分の売場へ行き、私はぼんやりさっきダイアナ金の中にのぞき見た、空き部屋とその空き部屋に空しく鳴っていた電話のベルのように〈バブ〉のラブレターについて考えながら、かっと喉に込み上げる嫌悪を持て余していた。<o:p></o:p>

 

 嫌なことが、自分のことなのか自分以外の他人のことなのか、ひょっとするとそのすべてなのか、私はとにかく私を取り囲む周囲の汚らしい光景を、紙切れをしわくちゃにするように、やたらにしわくちゃにして投げてしまいたかった。<o:p></o:p>

 

「馬鹿」<o:p></o:p>

 

 絵描きの金さんが鈍い筆に真っ赤な絵具をたっぷりとつけ、たった今描いた絵を、一気にぬりつぶそうとしたが、ぐっとこらえて筆を強く放って煙草に火をつける。<o:p></o:p>

 

「えーい、非常に奇怪な混ざり物のようなんだ」<o:p></o:p>

 

 銭さんも煙草を吸いたい気分になるのか、筆を投げたり、財布を捜して落ち着かなくなると、舌打ちをしたり<o:p></o:p>

 

「えーい、混ざり物のようなので・・・お前、それ、しけもく一本ないかい?」<o:p></o:p>

 

「お前はいつも混ざり物、混ざり物と言いながら、なぜ終日ふしだらな女たちの両袖を描いて座っているんだい?」<o:p></o:p>

 

「しけもくないからと、どうしてとぼけないんだ。なぜ知らないで尋ねるんだい? お金の厄払いに描くんだ。お金の厄払いに。そういうお前はそれじゃ趣味で描いているのかい? 芸術のつもりで描いているのかい、どうなんだい?」<o:p></o:p>

 

「そうだ、俺は芸術だ。ハウスボーイをしていた奴が、堂々と社長しているけれど、看板屋が芸術をすると言うからって、誰が何だって言うんだ」<o:p></o:p>

 

「ふん、開いた口で、ほざくね。そのしけもくはあるのかい、ないのかい?」<o:p></o:p>

 

「あればすぐやったよ、今まで薬を売ったんだから。それ、あっ、ミス李、どんな西洋人でも引き留めて、それとなくラッキーストライクでも買って慰めてみなさいよ。そのぐらいミス李が決心さえすればできるんじゃない?」<o:p></o:p>

 

「ミス李はもともとなごやかだし・・・」<o:p></o:p>

 

いつのまにか、矛先が私に向かってきたけれど、私は口答えせず笑って切り抜けた。<o:p></o:p>

 

 彼らも今、彼らの周りを手当たり次第に台無しにしなくては、耐えられないのだろう。<o:p></o:p>

 

 オクヒドさんが静かに筆を置いて、両肩を代わる代わる何回かパタパタと叩いたり、疲れたように窓を眺める姿勢で体を回した。<o:p></o:p>

 

 その窓は以前にショーウインドーで使った所で、内部との間仕切りがすっかり開いてしまうので、中の面積を広げたその代わりに外から中が透けて見えないように、灰色の幕でガラス全体を覆ってあるために、何も眺めることができなかった。そんな灰色の幕を<o:p></o:p>

 

彼は時々珍しい光景だと喜んでいるように、向き合って座るのだった。<o:p></o:p>

 

 今日こそ彼のために灰色の幕をしばらく揚げてやろうかと、思っていると、<o:p></o:p>

 

「私、いい考えが急に浮かんだの」<o:p></o:p>

 

と言ってダイアナ金が私の肩を叩いてにこやかに笑った。<o:p></o:p>

 

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