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『そぞろ歩き韓国』から『四季折々』に 

東京近郊を散歩した折々の写真とたまに俳句。

読書感想41  悪の経典

2012-12-13 14:37:18 | 小説(日本)

 

著者     貴志祐介<o:p></o:p>

 

生年     1959<o:p></o:p>

 

初版     2010<o:p></o:p>

 

出版社    (株)文藝春秋<o:p></o:p>

 

価格     上下 各1,714円(税別)<o:p></o:p>

 

受賞歴    2010年 第1回山田風太郎賞受賞<o:p></o:p>

 

映画化    201211月公開<o:p></o:p>

 

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あらすじ<o:p></o:p>

 

 町田市の丘陵地帯にある私立高校に在職している蓮実聖司はアメリカに留学した経験があり、MBAの資格ももっているという異色の英語教師である。生徒の信頼と人気も抜群で父兄や学校の首脳部からの信頼も厚く、生徒・生活指導を担当している。そうした立場を利用して、自分の立場の強化と利益のために手段を選ばない。一線を越えることに躊躇が一切ない。一線を越える中には、担任の女子高生を愛人にすることから、生徒との同性愛関係にある同僚を恐喝すること、クレーマーとして学校に足しげくやってくるモンスターペアレントを放火犯の犯行に見せかけて焼き殺すことまである。そのつど三文オペラの中の「モリタ―ト」を口ずさむ。<o:p></o:p>

 

 そうした学校の中で、直感的に蓮実聖司の行動に嘘を感じる少女、片桐怜花と、その仲間の2人の男子生徒が、蓮実聖司の前任校で4人の生徒が自殺した事件を知り、調べ始める。その男子生徒の1人、早水圭介が夏休みの初日から連絡が取れなくなる。それをきっかけに蓮実聖司の完璧な偽装は崩れ始める。彼の選んだ道は・・・・。<o:p></o:p>

 

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感想<o:p></o:p>

 

 サイコパス(反社会性人格障害)と呼ばれる人は人に対する共感能力が全く欠落しているそうだ。異常犯罪者の代名詞だと思っていたが、犯罪に走らないで普通に暮らしている人達もたくさんいるという。反応が一般人とは違うのは当然だが、頭はとてもよく、時代や状況が違えば有能で優秀な人として人生を全うできる可能性も高いらしい。<o:p></o:p>

 

小さい時に「人の気持ちがわからない子」という非難は日本ではよく使われる言葉だ。社会性の欠如として一番厳しい非難である。共感能力の欠如は心がないことである。サイコパスは共感能力を模倣して偽装することはできるようだが、それが本物かそれに近いものになりうるのであろうか。

 

 ただこの小説はあまりに常軌を逸しているので、恐怖よりも滑稽さが募ってくる。しかも舞台になっている学校の教師がどれもこれも狂っている。生徒を愛人にしているのが何人もいるし、過去の殺人を隠したり、腕力至上主義みたいな人もいる。<o:p></o:p>

 

また町田市周辺には土地勘があるので、舞台になっている場所が想像できおもしろい。高校が丘陵の上に造成され、そこへ行く道路に桜並木があるというのは日大三高をモデルにしている。七国山も出てくるし、町田や橋本、JR横浜線、京王線も出てくる。京王線を舞台にした殺人というのはあまりミステリーで読んだことがないので、トラベルミステリーファンとして利用客としてはうれしい。<o:p></o:p>

 

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わがまま評価(5点満点)<o:p></o:p>

 

面白さ   :☆☆☆☆<o:p></o:p>

 

恐怖感   :☆☆☆<o:p></o:p>

 

意外性   :☆☆☆<o:p></o:p>

 

人物造型度 :☆☆☆<o:p></o:p>

 

2012126日読了)<o:p></o:p>

 

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