著者 : 東野圭吾
生年 : 1958年
出身 : 大阪府
出版年月 : 1990年6月
出版社 : 講談社
価格 : 619円(税別) 講談社文庫
あらすじ
小学校から高校までの同級生で、どうしても勝てなかった相手である瓜生晃彦を、刑事として和倉勇作が殺人事件の容疑で調べ始める。日本屈指の電気機器メーカーの創業者一族の3代目に生まれながら、なぜか会社には入らず医科大学に進み、脳神経外科の研究室で助手を務める瓜生晃彦。事件が起きたのは瓜生晃彦の父、瓜生直明の49日の法要も終わり、親戚の女たちが集まって美術品コレクションの形見分けをしている日だった。晃彦の父に続いて社長に就いていた一族の須貝正清が殺されたのだ。その凶器は瓜生直明のコレクションの中のボウガンの毒矢だった。須貝正清は昼食後のランニング中に殺された。その時間に出前を受け取った晃彦のアリバイは完璧だった。しかし勇作は、料理に時間がかかるうえに嫌いな鰻を注文した晃彦がわざとアリバイ工作をしたのではないかと疑いの目を向ける。須貝正清が前社長直明の書斎の金庫から無断で持ち出した書類の表題には「電脳」という言葉があったという。そしてその書類はどこにも見つからない。ここに事件の鍵があると勇作は確信するが、犯人は意外な所から現れくる。
感想
東野圭吾のデビュー5年後の作品である。ミステリーの謎解きと同時に宿命のライバルの因縁の糸も解き明かされていく設定になっている。
なんとなく気になって嫌だと感じる人間とはどういう人間なのだろうか。それがこの小説の一つのキーワードにつながっていく。
ただ捜査される側に立たされる瓜生晃彦があまりにも完全で生身の人間らしさが感じられない。少しリアリティーにかけている。
わがまま評価(5点満点)
面白さ ☆☆☆
ミステリー難易度 ☆☆☆
意外性 ☆☆☆☆
人物造型 ☆☆☆
教養度 ☆☆