当時、わがクラスメートは、こぞって言いました。小学校の低学年から詰め込み教育をするなんてかわいそうだと。お父さん、お母さんたちにもそのことを相談し“寺子屋”では、みんなが競うのではなく一緒に楽しむことで、勉強に興味を持ってもらうことだけを求めていくことにしました。生徒たちには算数などが「できる子」も「できない子」も混ざっていました。 . . . 本文を読む
算数は楽しく学べます
デカルトという17世紀初めの哲学者は数学者として解析幾何学を発見しました。数学はどんなに頭の悪い、勘の悪い人でも、こうすれば必ず解けるという解法の一般原理を発見したのでした。デカルトは、自然科学の夜明けをもたらした偉人でした。そして数学を魔術や当てものにしないことを世に示しました。これにより自然科学は大いに発展し近代科学が花開きます。大げさに言えば、論理を整え、順序だてて教えれば算数なんて楽ちんだよと子供に気付かせることができるはずだと思いました。 . . . 本文を読む
こうして急遽作り上げた学習小屋で、何をどのように勉強するか?H君と私はかなり議論をしました。学年が4年、5年、6年と3つあり、それぞれに生徒が5-6人応募してきました。また、特別に数学をお手伝いする非公開の中1、中2の夜間クラスも置きました。 . . . 本文を読む
夏が過ぎたら姫百合幼稚園は使えませんから、学習会をやる気があっても場所がありません。切羽詰まって洋風の建築の我が家でやることになりました。雨もりが心配なぼろ家でしたが、部屋をぶち抜けばそこそこの広さがありました。その代わり父母には我慢してもらうことにしました。こうして何とか空間を確保しました。理科と算数」をメインにして、基礎の基礎を教えること、父母たちと常時連絡を取ること、原則として家庭訪問をすること、受験勉強はしないことなどを決め父母たちに説明し了承をいただきました。 . . . 本文を読む
詰め込み教育と勉強嫌い わずか1ケ月あまりでしたが、姫百合幼稚園での学習会は楽しいものになりました。まだ20歳そこそこの私が、10歳年下の学童と仲良くなれたばかりか、その父、母とも親しくお話が交わせたことが何よりでした。 . . . 本文を読む
平成も過ぎた今。昭和の35年(1960年)の頃が思い出されます。大学二年生だった私は、大方の学生がそうだったように安保闘争に参加しました。私が田園調布+(沼部)にきたのが昭和34年、高齢に差し掛かった父母を少しでも支えるため、何よりも自分の学費を稼ぐために、この地で何かをしたいと思い、近所の子どもに理科と算数を教えられないかと思い立ちました。 . . . 本文を読む