今、安保法案で国会が大きく揺れている。この国の最近の政治リーダーは、平和と戦争の関係について、極めて安易で横着な「論理」を提出し、これが憲法を超える、急造的な論理であることを物ともせず、議決を計り、詰まるところ、世界で「ドンパチ」をやることを可能にする道を開こうとしている。これは、日本は資源小国、海外での資源確保は日本の生命線、これを守ることは自衛(即ち海外派兵)という三段論法である。この論法には、日本に対峙する諸国の事情、人々の生活などまるで入っていない。これらの諸国には、アジアやアフリカや中東には、人々が生活し、その資源を管理し、磨いている。これらの人々との対話、即ち外交的努力を抜きに、力を使う、これを私は帝国主義の論法と言う。 日常会話のレベルで、「日本は資源小国」であるという文脈で論理やら主張やらを展開する場合、資源は鉱物資源と農地や漁場のことである。これは、一旦使われれば、あるいは略奪的に、特に商業主義的に使用すれば何れ枯渇するか再生不良状態になることは誰でも納得する。枯渇資源の大宗は石炭、石油、天然ガス、鉄、非鉄金属で、再生不良資源は森林、農地、漁場である。鉄や非鉄金属は一部は再生利用されるが、あくまで一部である。そして、国家が工業化を進めるためには、これらの資源を囲い込まねばならず、直接資源のある地域を排他的に確保し、そこから市場に通じる輸送路を確保する手段を要する。とてつもない遠隔地に日本の生命線というライン(縄張り)を張り、威嚇した時代があった。 . . . 本文を読む