151218山代ブラジル会での趣旨
以下に当日お話ししたことの要旨をお伝えします。日系ブラジル人(在日)が多数お出でで下さいましたので、予定していたお話しの趣向を変えさせていただきましたので、ご了解下さい。
お話しのタイトル「和食のブラジルへの普及について、取り組みの意義、方針の考え方」
でした。
お話しの内容
1.激動下の世界でのブラジルと日本の修好の意義と日系人の役割
世界に人種・民族、宗教、資源、環境などで危険な問題が横たわるなかで、南北の両大国である日本とブラジルが握手する意義は世界平和にとって極めて重要な意味を持つ。この修好にとって、日系ブラジル人の存在は計り知れない価値をもっている。実際的には日本に滞在している日系ブラジル人が、誇りを持って、安心して働けるようにするのが日本にとって最も利益になるという認識が必要だが、まだ全くそのことが世論になっていない。この現状と課題を日本人はもっと知り、民間で出来ることを見つけていかなければならないと思う。 |
2.交流について
インターネット時代で情報はリアルタイムで大量に行き交っているが、それが交流として実を結んでいるかは別だ。言葉の壁もそうだが、お互いに通じあっているかに見える言葉でも、文化の違いや、価値観の違い、そして利益に関する考えかたの違いなど、実際の場においては齟齬や不審を来しやすく、言葉だけではどうにもならないことも多い。グローバルに人が行き交うこれからの時代においてはこの問題はもっと深刻になろう。真の交流を実らせるには、お互いの文化を大切に思い(レスペクトし)、メンタルな理解をいろいろな事象や場面において、行動をしながら積み上げていかねばならないのではないか? ビジネスは、交流の中で最も大きな力を持つが、「モノ」だけを見るのではなく、それぞれの国の「技」「文化」を発展させるような行動の型を研究していかなければならないだろう。 |
2.「和食は世界遺産」ということの実際的な意味と普及活動のいろいろな側面
和食は世界遺産だといっているだけでは、いかなる力も生まないし、スローガンだけに終わる危険性がある。極言すればこれは余り意味をなさないかも知れない。ラーメンやカツレツ、カレーライスなどは洋食が日本食に化けたとも言えるし、中華料理などは中国の歴史や文化と共にあると感じさせる要素はうすい。和食を新しく普及させるのはMATERIAL、COOK、CULTUREの三つの面を考え、考えた結果を美しく合わせるとともに、その国の文化と折り合うように、各国の食文化を独自に発展させなければ具体的な展開が見られないではないだろうか? 実際問題として、食は常に文化の一部である。食消費の場や形(外食、給食、独身食など)、生産と消費の経済の条件、地域の違い、世代の違い、調味嗜好などで異なるだろう。普及に取り組まれる形は多様であるが、発展の基礎がその地の文化にあるといっても過言ではなかろう。 |
2.マーケッテイング活動が、突破口ではないか?
ここでは、ブラジル食の日本への普及、日本食のブラジルへの普及といったことは、言葉だけで納得し合っても、先に述べた理由で意味をなさないので、触れない。けれども、これに実際的に取り組むには、マーケテイングで道筋を見つけ、そこにリスクを張るという企業活動が伴う。マーケテイングがなければ、普及はあり得ないので、お互いに現場を持っている生産、流通、消費の人達は、マーケテイングの絵柄を見出しこれを共有し、行動を提起し具体的に戦術を見出す必要がある。そのためには、「小さく生んで大きくする」ことから始めるが良いと思う。 |
4.山代ブラジル会を活性化、共同企画を!
山代ブラジル会としては、実際の行動を生むことを提起したい。事務局を中心にそのために、協議会の形で具体的な行動を開始すべきと考える。第二回和食研究会ではブラジル関係者が多数集まり、議論が出来る環境が生まれた。先ず在日日系ブラジル人の各メンバーの現在のビジネスを起点に、これをどう変革し、発展させるか、以上に述べたことを道しるべにして、販売の共同現場を構築することを(最初は小規模模でも)先ず目指して、スピードを上げて検討をお願いする。 |
以上。
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