田園調布の山荘

「和を以て貴しとなす」・・ 日本人の気質はこの言葉[平和愛好]に象徴されていると思われる。この観点から現代を透視したい。

大転換とは、ものの見方、考え方、生き方を変えること

2013年06月21日 09時18分05秒 | 時評
130215大転換とは、ものの見方、考え方、生き方を変えること。
私の友達というか、先生というか、普段交遊しているY 氏(北海道在住)からのレターを公開します。東日本大震災から2年、ローマンクラブの[成長の限界]から早40年、世界史の大転換の時期と言われる今日、モノの見方の指針です。

3・11から2年。成長の限界から40年の検証に照らし、大転換の意味を問い直す

ヨーロッパ文明は、コロンブスの探検に始まる侵略と欧米列強の覇権争いが世界全域に及び、20世紀に頂点に達しました。経済成長と科学技術の進歩は戦争も変貌させた。明らかに科学技術の進歩は自然環境を破壊し、成長の限界を超え、戦争の限界をも超えました。昨年7月の「ローマクラブの警告から40年の検証」では人間社会の破綻は2030年ともう目前に迫っていると指摘しています。
一日も早く、人々の価値観を、「ものと金」から「人の命と暮らし」に転換して、自然環境と生態系・食物連鎖を保全して、人類の共生、〝強欲足るを知らない文化”から〝少慾足るを知る文化”への回帰。人間生活の質を大事にする社会への転換が急務となっています。人類史が示すところによれば、生命の水惑星地球では、生命世界の「進化」の方向へ生きるときは繁栄をもたらし、それに逆らうときに、衰退して滅亡することを示しています。ヨーロッパに生まれた文明が15世紀から世界へ触手を伸ばして欧米列強が19世紀には世界を制覇して20世紀には覇権を争って「戦争の世紀」を創出しました。多くの警告が提起されたにもかかわらず、覇権を争う米ソは耳を貸そうとはしませんでした。唯一超大国となったアメリカは、9・11によって21世紀も戦争と自然破壊を続けてきました。アメリカの覇権の基に影響されてきた世界の各国々も、アメリカ化の影響を受けて、それぞれの歴史と風土に根差した固有の文化を基礎とした政治・経済・社会・教育・生活に劣化が生じ、亀裂が深まり、国のあり方と価値観の転換を迫られています。米国はじめ先進諸国も途上国も科学技術による自然環境破壊と相次ぐ戦争によって財政は破綻し、国民生活は劣化の一途を辿ってきました。もうこれらの国々に未来はない。最も重大な局面ある国は日本です。ぺリーの来航によって開国に転じて近代化し、第2次世界大戦で敗北し降伏して占領下に置かれた日本です。ペリー来航にはじまる開国と近代史、敗戦による米国の占領下にはじまった現代史を、しっかりと読み直す必要があります。更に、一万年に遡って縄文文化を創出し、弥生文化を継承して、卑弥呼、天照大神、古事記、日本書紀、聖徳太子、憲法17条・・・と引き継いできた日本の歴史を読み直すべきです。3・11を契機にこの国の風土が育てた民族と文化と魂を今一度尋ねて、日本の再生に思いを巡らすべき時です。
安倍総理は、2007年に「美しい日本」を提唱し、2012年には「強靭な日本」を提唱し、「日本を取り戻す」と訴えました。この「日本を取り戻す」いうポスターが自民党の圧勝を導いたのだろうか。安倍さんのいう、“取り戻す日本”とは何か。日本の何を、誰が、どう奪いとったのか、日本は、日本の何を、どう失ったのか。敗戦による現代史、ペリー来航による近代史、さらに、近代以前に培ってきた日本の何を、どうして失ったのか。これは、日本に関する課題に止まらず全人類、地球生命の破局を救う命題です。人類の滅亡を目前にして、大転換を図る上での最重要テーマです。3・11から二年間考え続けてきたテーマです。]
注1.これはとりもなおさず、資本主義の批判であろう。もはや地球上に資本主義の広がる場所は無くなった。資本主義は円熟の時期はとっくに過ぎて、生産と消費の循環に生ずる波紋、矛盾を自己修復する力を失いつつある。矛盾収拾機能、恐慌という形の熱病が生まれては消え、消えては生まれるという繰り返しがうまくいかなくなっている。
注2.世界中を駆け巡るのはお金だけでなくものであり人である。このため、地域に限局されてきた文化が、世界中に紹介され、移植され、交わり、文明の形が作り替えられる時代になってきた。多文化共生というが、これを引き起こしているのは情報と金融のシステムの支えによる経済のグローバル化と、必然的に引き起こされる移民(移動)である。日本社会のこれからを考えるとき、移民問題をどう運ぶのか、その影響はどう出るのか、過去の歴史・文化との交渉と融合がどうなるのか、計り知れない厳しく巨大な問題として登場してくるだろう。特にこの百年間、すさみにすさんできた中国、朝鮮と日本との関係において、10年先と言わず、1年先、2年先の問題として人々の意識の中に大きな位置を占め、民族とは何か?という問題すら問われてくるだろう。

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