私は学生時代この駅を降りて、隣駅の沼部近くの自宅まで歩きて帰っていた。その道筋に沿って水路があった。当時は人家も少なくマンションなんていう言葉もない時代で木造平屋の住宅が、並びささやかの商店街がたたずんでいた。その水路は何の変哲もない大きめの下水として認識され、養豚家もいるらしく、汚れ放題だったし、フタをして欲しい、目障りな存在と認識していたように記憶している。けれども、これが六郷用水だと教えてもらったのが、しばらくしてからだった。六郷用水は今や歴史的遺産であって、区民に広く認識されている。多摩川から取水し、水路のネットワークで蒲田、品川などの区内主要部を育てたものだったと教えていただいた。
とにかく。貴重な春の一日の事始め、六郷用水の脇にしばらくたたずんでいた。
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