生徒たち
この教室に集まった子ども達は、桜坂~雪谷、中原街道を越えて田園調布1丁目あたりの自営業(蕎麦屋、下駄屋、タタミ屋、パン屋、海苔屋や散髪屋・・)の子どもや開業医や歯医者、三菱重工や荏原製作所の社宅の子どもたちで、大半が東調布第一小学校と東調布中学校の生徒でした。週3回、二時間の学年ごとの教室で学生教師も週3回お願いしていました。今から55-60年前のことですから、子どもたちは既に高齢者になっているでしょうが、ほとんど “寺子屋”学習会を記憶してくれているのではないかと思います。
算数が苦手な理由
私を含めて、大学生の教師は数学・算数は苦手と思っていないので、子供がどういう時に苦手意識を持つかを時間をかけて調べました。それによると、目に見え、触れて解るものの「量」の理解力があれば四則演算は容易にできますが、苦手の子は3年生から4年生の頃、数とモノとの結びつきが不鮮明だとわかりました。これを丁寧に教えられない場合、抽象的に考える力を損なう恐れがあります。だから計算の目的と意図を理解しないで演算方法だけドリルなどで叩き込ませる方法には苦痛がありました。また算術と言って、鶴亀算とか植木算の技を覚えて受験をクリアーするような指導では、子どもの頭を浪費疲労に導くだけで算数嫌いにさせることもわかりました。単位をそろえなければ演算しても意味はないこと、加減算は具体的だが乗除は2つ以上の係数を起用します。高学年になると抽象的な数がそっと入り込むので、演算の目的も結果が理解しづらいということです。急がば回れということで10歳から12歳の学童には理科と算数の結びつきを強めていく授業を繰り返す方針にしました。(写真は5年生の水質実験教室)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます