美しい多摩川とお月さんのこのようなマッチングは、この地の風土にも影響し、昔から多くの人々の心象に刻まれているのであろう。なお、よく見ると、2日も経っているせいだろう、お月様の下弦がかすかに削られ(欠けて)ている。ちょうど、飴が下から舐められて溶けだしているように見える。不自由な目のせいではない。お月さんを誰かが舐めているような幻想がわいた。「おいおい、舐めちゃいかんよ。」
もう寒空と言ってよいだろう。暗くて寒い河原を、耳宛ての付いた帽子をかぶり、襟巻まきをまき、ウインドブレーカーの襟を立ててとぼとぼ歩く姿は、格好いいもんじゃないと思うが、、私の感度は昼間より良好かもしれない。
川面には、いくつもの水鳥がたくさん遊弋している。一つ一つの名前を知らないが、人によるとこの時期は、次のような名前の鳥が来るのだという。コサギ、アオサギ、ヒドリガモ。ほかには、カワウ、カモメ、水鳥ではないハクセキレイ、ムク、山鳩も多く飛び交う。多摩川沿いに鵜の木という駅があるが、となりの沼部という駅と並んであたりは深い森に覆われ鵜などがが大量に営巣していたとされる。
私の散歩コースは、鵜の木から始まり、鵜の木、下丸子の3駅を巡って往還するコースである。ご存じの方も多いと思うが、この地域は自然に湧水があふれ、さらに多摩川の水を引き込んで灌漑水路を作り、奥まで水田を開き、現大田区の大半を農村にしていた。今は、高層マンションが林立し、古い農村の面影はところどころに残っているが、多摩川だけは往古の風情を残していると思われる。
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