200128 朝の散歩 昼の散歩（231）・・・新年アピール【２】

2020年になりました。若い頃は私はここまで生きているとは思いませんでした。されば、残りは少ないがお釣の人生、時間を使い果たすことにしようか。

お医者さんのI君、まだ町医者で頑張っている80翁と日本の未来について架空討論をしています。I君は封建的なインターン制度に反対した急先鋒で、象牙の塔から「追放」された医師、だから今の町医者が似合っている。16年前一緒にブラジルを歩き、共に飲み食いする中で、卒業後30年後に仲良くなった親友。I君の年賀状がエグい。

・・・もう日本はダメなのか?

I君「意識障害だ。日本を蘇生させるため、幼児期から絵本で教育を開始しようとクラスメートに年賀状でアピールした」

・・・何を教えるの?

「宇宙に対する知識、生命の起源・系統樹に対する知識、生きる環境の改善・保持に関する知識」

・・・そういえば人類はこれらに知識も関心も中途半端じゃな。

「クイズの知識はあってもな。実につくものはない」

・・・教養じゃないのか？

「蔓延していくのは教養・哲学の浅さ、文化への無関心かな」

・・・文明は知識人をたくさん作ったが、教養に欠ける?」

「知識と教養を誇るエリートは大部分、付和雷同ばかり。それで勝ち組企業のトップ、学校屋、政治屋に君臨。官僚も宦官のようになった。この間を行き来するネズミのようなマスコミ。ほとんど尊敬に値しない」

・・・マスコミは病原菌をばらまいているの？

 

I君「この国に教養・哲学がなくなって久しい。明治維新から今日までだ。とはいえ、この国は熱い、勢いのある二つの時期を体験したんだ」

・・・熱い、勢いのある時期とは?

「日露戦争の後と第二次大戦後の高度経済成長期だ」

・・・20世紀の初頭と中晩期ね。

「日本は鎖国で遅れた科学技術を追い付き、追い越す努力をした。熱い時期は日ロ戦争後の大正デモクラシー 、そして焦土と化した国土から奇跡の復興を遂げ日本アズ・ナンバー・ワンといわれていた高度成長期の二つかな」

・・・西洋の思想との交わりが大きな力になったんだろ?

「そうだが、ただ一つ、この国の教養・哲学が退化してしまった。今でもそれは停滞のまま」

・・・君の意見を展開してくれ

「富国強兵の選択でカネと戦争が出世になる軍人が台頭し威張る。オレも祖母から末は軍人になれといわれていた。日ロ戦争をやり、彼らの我欲が中国侵略を引き起こした。このニュースを書き立てて新聞は部数を急拡大した。国民は喜んでこれを熟読した。」

・・・うん、ボクも祖母から軍人にといわれていた。祖母の夫も軍人だったし。日本の興隆に預かったのは軍国主義かな?

「一面ではそう思う。だが見えないところで農村の困窮がひどく、いろいろな意味で国力は育たなかった。」

・・・農村は人口を増やし、食料を生むところだからな。農業技術はかなり発展したんだが、地主小作システムが機能しなくなり戦争が農村の発展にブレーキをかけた。どんな理由があり、必然性があっても戦争は国力を消耗するだけだからね

「農村を搾り過ぎて国全体の知性も消滅した。国づくりの知性を生み出す多様性が完封された」

・・・教養・哲学の浅さを生んだ？軍国主義は農村を搾取し、国土も搾取した。そして江戸時代が育てた文化を壊した。その結果、日本は『八紘一宇』の呪文がうろつくスローガン国家になった。

「結果は見ての通り。諸国に拡大した侵略戦線の逆手を取られ、オレンジ作戦に嵌められ、おびただしい農民兵士は玉砕。沖縄、広島、長崎、東京下町が壊滅的打撃。日本軍は消えたんだぞ。それでも知性を失った大新聞社は本土決戦、一億総戦士を終戦直前まで呼号した。」

・・・教養・哲学の浅さ、オレにも当てはまるな。オレも高度成長期の企業戦士だったかもしれんな。24時間戦えますかというCMがヒットし、バブルのころは肩で風切って歩いていた。

「いくら技術が発展しても、いくらビジネスで成功を収めても、教養・哲学が衰えたら社会に与える惨害はまぬかれない。

・・・どうするか

「戦争直後の教師、新聞、読者をみろ。みんな一夜にして反戦平和、民主主義に急旋回。こんなことがまかり通るわが国なら、これからも何回も急旋回するよ」

・・・知性を育てる‥のかな。今の天下を操るエリートにはどう見ても国を守る知性は見当たらない感じがする

「真実これからも怖いな。知性を育てる教育のために、変な教育(進学競争)制度はいらない。だからオレは幼児期から絵本で教育を開始すべきだと思っている。」

・・・寺子屋がいいな。オレたちもう年だから天国でそれを開設するか。そうだな、オレは天国に行ったら、差し当たって、ちょっと気になっているプラトン、アリストテレス、イエスキリスト、老子にFBで友達リクエストをしょう(笑)。