【政界24時】みんなの党の「分かりやすさ」 (1/2ページ) 2010.7.19 07:00 このニュースのトピックス:諸政党
11日投開票の参院選で、みんなの党は改選0議席から大きく躍進し10議席を獲得した。非改選と合わせて11議席となり、予算を伴わない法案ならば単独で参院に提出できるようになった。渡辺喜美代表は投開票日と翌日、民放各社の報道番組に出演し続け、「みんなの党のアジェンダ(政策課題)を次々に法案化して与党に突きつける」と意気盛んだった。参院での与党過半数に12議席足りないこともあり、みんなの党の動向から今後も目が離せない。
「第三極」を掲げた他の政党が埋没するなか、みんなの党だけが躍進した理由は何か。それは、政権批判勢力としての主張の分かりやすさだろう。昨年の衆院選では「脱利権」を訴え、長年の自民党政権に飽きた有権者の支持を集めた。今回の参院選では「民主党は大きな政府、官僚主導の増税路線。みんなの党は小さな政府、民間主導の成長路線だ」と対立軸を鮮明にし、民主党から無党派層の支持を引きはがした。共通するのは「悪いのは既得権益を持つ官僚と、官僚の言いなりになる政権党」という図式だ。
この単純化した主張を、強烈な個性を持つ渡辺代表一人が発信し続けた点も見逃せない。同党の所属議員は江田憲司幹事長のほかは当選回数が少なく年齢も若い議員が多く、党所属議員がさまざまななメディアで好き勝手に見解を披露して主張の一貫性に疑問が持たれるようなことはなかった。この点は、保守政党として出発しながら、より理念的な平沼赳夫代表と、経済・財政問題を中心に発言する与謝野馨共同代表との違いから、統一的な党のイメージを発信できなかったたちあがれ日本とは大きな違いだ。 (続きあり)「MSN産経)
「悪いのは既得権益を持つ官僚と、官僚の言いなりになる政権党」 確かに分かりやすい。官僚が既得権益を押さえていることには疑問を感じているので、これに”反対する”つもりもない。数(票)の獲得が全てである選挙で、こういう「分かりやすさ」が大きな力になったことは確かで、渡辺氏はそれも狙ってのことだったのだろう。
しかし現実の政治はたぶんこの一点で全てが解決できるような単純なものではないだろう。なので、-「悪いのは既得権益を持つ官僚と、官僚の言いなりになる政権党」という(単純な)図式 -をとにかく強烈に掲げることで躍進してしまった「みんなの党」には、逆に、疑念さえ感じてしまう。「脱利権」は簡単に利権の受け皿の”移動”になる可能性だってあるのだから。
選挙の腕を評価できたとしても、政治家渡辺氏を信頼できるかということは別問題である。それから渡辺氏が好んで使っているらしい「アジェンダ」ってなんだかなあ・・・これ「政策」とは違うの?