詩歌探究社 蓮 (SHIIKATANKYUSYA HASU)

詩歌探究社「蓮」は短歌を中心とした文学を探究してゆきます。

消えているテレビは。

2020-06-13 15:19:19 | 千駄記


消えている時は二人のため息と嘘を映ししテレビ処分す

今日は朝から雨ときどき大雨。んでもって梅雨寒。
家事は大汗かくので梅雨寒は嬉しい。

工場に出たかったのだが今日はテレビがやってくる。
朝8時ころ「10:30頃伺う」と電話があった。
業者さんが来る前に今まで見ていた十年物のテレビを片付け
掃除機をかけたりテレビ台を拭いたりする。

いまはテレビもずいぶん安くなったし何よりも
大画面の時代ではないような気がする。
私なんぞホームシアターに憧れた世代。
テレビはデカければデカいほど良かったし。
今でももちろん75型、65型、55型などはあるが、昔、
テレビゲームと呼んでいたモノだってスマホで愉しむ時代だし、
映画などはパソコンで楽しむ時代のようだ。

こないだ外注先の中年がスマホゲームのドラクエに
嵌まってるって話していた。
アイテムを手に入れるのに7万円くらい使ったとか。
地方に出かけるとドラクエ関連のお土産をゲットするんだとか。
もはや私にはついていけないことを言ってましたよ。

30分ほどで設置試運転を終えて業者さんは帰っていった。
この作業、私一人ではきっと立ち往生しただろう。絶対無理。
それからインターネットに接続したり、ちょっと操作をしてみたり。

今回処分したものは十年間、細長いリビングに鎮座し、
わが家の王として君臨していた。
この画面を何人の情人が眺めたか?なんてことを思ったり。
テレビをつけていないとき、
自分の顔が暗い画面に映されていることに気づく。

ちょっと話があるからテレビを消して・・
なんて言われたことだって何度かある。
ま、だいたいそんなときは良い話じゃない。
なるべく、目を合わせたくないので何も映し出されていない
テレビ画面を見つめたりして。
すると私ともう一人の、つまりふたりの嘘とため息が
暗い画面に見えてきたりするわけです。

ひと通り物思いにふけった後、お昼過ぎ工場へ行く。
今日は三人出勤している。
様子を見たりして自分の仕事を少しする。
先ほど帰宅せり。


大雨もたまにはいいや。


おしまい!