![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/4f/43f74b8ebe175e3cc11e8879a3e3b688.jpg)
空には満月が浮かんでいた。
その頃赤山家では、普段より一組多い布団が敷かれようとしているところであった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/38/bfeb61db97ef47118d3511ad40bd1054.jpg)
少し丈の短い蓮の服を着た淳が、気まずそうに頭を掻いている。
「明日の朝は七時頃起きるかしら?」「はい。すみません、お世話になります」
「ううん、土曜だしゆっくりするわ」「そう?」「うん」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/90/a4780af9f268c4757db1321b53d4a6ea.jpg)
「それじゃ、ゆっくり休んでね」「は‥はい、おやすみなさい」
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にこやかにそう言う雪の母の後ろで、ゴオオという音と共に雪の父が佇んでいた。
父は淳が雪の部屋で寝ることに、未だ納得いかないのであった。
「おいあれで大丈夫なのか?蓮の部屋でもいいだろう」
「いや〜二人喧嘩したみたいだし、話出来るようにそっとしといてやろーよ。
家族皆居るし何も無いって〜俺一人で寝たいし」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/b3/7b7aee466e069110127693614ffefd48.jpg)
そんな蓮の優しさと共に、家族は二人を温かく見守ることにして雪の部屋を後にした。
ドアが静かに閉まる。
タン
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途端にしん、と部屋の中が静まり返った。
淳は何も言わずに、疲れたように幾分俯いている。
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雪は彼の様子をそっと覗いながら、彼を布団へと促した。
二人はそれぞれ横になり、部屋の電気を消す。
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暗闇にぼんやりとほのかな明かりが灯っていた。
雪は彼の気配を感じながら、ゆっくりと口を開く。
「明日が土曜日で良かったですね。きっと明日は瞼がパンパンでしょうから」
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淳は決まり悪そうに、布団の中でゴソゴソと動いていた。
そして何か言いたそうな顔で、雪のことをじっと見ている。
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「‥上がって来ます?」
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その視線の意味を察した雪がそう言うと、
淳は無言でコクリと頷いた。
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淳がベッドに上がって来ると、雪は彼の膝を枕にしてコロリと横になった。
その体温を感じながら、ふわぁと欠伸をする。
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まるでようやく懐いた兎を愛でるように、淳は雪の髪の毛を優しく撫でてやった。
その柔らかな手つきを感じながら、雪がポツリとこう口にする。
「別れたりしないですよね?」
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「それはこっちの台詞だよ」
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淳のその言葉を聞いて、雪はゆっくりと目を閉じた。
ありのままの自分の気持ちを、慎重に言葉にする。
「まだ‥先輩の考え方が理解出来ない時があります。私の価値観とは違うって感じる時も。
それでも一緒に居たかったから、ずっと先輩の考え方に合わせて来ました」
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その雪の告白を聞きながら、淳は去年のことを思い出していた。
今まで見ないフリをして忘れようとして来たそれを、そっと取り出して眺めてみる。
「今考えてみると、最初雪ちゃんが俺を嘲笑ったことは、悪いことじゃなかったんだ」
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「あのことが無かったら、君は俺にとってただの大学の後輩ってだけだった」
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必死に土を被せて埋めようとして来たその過去は、今の二人に繋がる契機だった。
淳は雪の髪を撫でながら、そのかけがえの無い存在を愛おしむ。
「俺に近付いて来る人達は皆、俺の上辺に興味があっただけで、
誰も俺自身のことを知ろうとはしなかった。君だけが俺のことを見てくれたんだ」
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かつて世界で一番遠い存在だった彼女は、いつしか一番近しい存在になっていた。
彼等はまるで合わせ鏡の様に、互いに影響を及ぼし合い、変わって行く。
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淳は柔らかに微笑みながら、彼女に一つ問いかけた。
「知ってたかな」
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「だんだんお互いに似てくるのが嬉しかったし、
そうすれば雪ちゃんは俺から離れて行かないって思えて安心してたけど‥」
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「結局それが幸せとは全く思えなかった。違ってるその部分さえ、好きだったんだよ」
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あの日彼女は「今は先輩のことが前よりもっと理解出来る」と言った。
望んでいたはずのその言葉が淳の心を締め付けたのは、自分に似た彼女より、
本来の彼女そのものが好きだったから‥。
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かつて全ての者を遠ざける為に張った境界が、今は他者を尊重する為に引いた細い線となる。
淳は彼女を囲い込んでいたその手を離して、優しく彼女を撫でた。
「自分がこの先、どう生きて行くかは分からないけど」
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「こんな風にただ一緒に居たいと思う」
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「それだけで充分なんだ」
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もう全部大丈夫だ。
彼も、彼女も。
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今二人は開け放たれた扉の中で、穏やかな表情で寄り添い合う。
いつしか訪れた眠りの中で、優しい夢を分かち合いながら‥。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<エピローグ(2)ー扉の中でー>でした。
いや〜〜良かった‥良かったですね‥
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最後寄り添い合う二人を見た時、本当にこれでチートラは終わりなんだなぁと思えて‥
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淳の「それだけで充分なんだ」という台詞は、
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<互いを知るということ>の台詞と一緒ですが、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/69/3863492fcefd64357c618ddb8c316491.jpg)
この時は、先輩扉を越えないでこう言ってるんですよね〜。
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(懐かしい「おいとま」使用のジジ淳‥)
心の扉を開けて、本心から言ってる今の淳と以前の淳の対比が、彼の成長を表してますよね。
後日の回想シーンで、結局その台詞に繋がる彼の本心は「それだけじゃ嫌だ」だったし‥。
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(同じコマのはずが絵柄変わりすぎ‥)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/ed/6c1210c3d6a7c66bb5b4f97e6d36e385.jpg)
ようやく淳は「雪のトラウマを利用して傍に居てもらう」罪悪感から解き放たれ、
二人は一人の人間同士として寄り添い合えたんですよね。
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淳号泣祭りの結末がこんなに温かなものとは‥うう‥涙が‥
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_naki.gif)
ようやく去年の出来事にも「あれは悪いことじゃなかった」と受け入れることが出来て本当に良かった。
最終回の静香が言った「あの時はそうするしか出来なかった。それしか方法は無かった」という台詞は、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/df/6752bec3cfa96662a0846e3e0e677de3.jpg)
今の淳と雪にも当てはまるし、登場人物皆にも当てはまる。
辛いことや苦しいこと、消したいこと埋めたいこと沢山あるけれど、全部その先に繋がる道の為に必要なこと。
それがこのチーズインザトラップという物語が伝えたかったことなのかな、と思いました。
うう‥感無亮‥
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さて、エピローグも次回が最後です。
<エピローグ(3)ープロローグー>です。
☆ご注意☆
コメント欄は、><←これを使った顔文字は文章が途中で切れ、
半角記号、ハングルなどは化けてしまうので、極力使われないようお願いします!
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涙の結末がこんな素敵な話でまとまって。
そして雪ちゃんがベッドに誘った時に無言でウンッて頷く淳が可愛すぎます。
下から見上げてるのもヤバイ。
2話連続で可愛いさが増してると勝手にキュンキュンしました。
本当に最後までありがとうございました…。
そして淳と雪がまとまって
本当に良かったです(;▽;)
個人的に布団の中から見ている淳に
きゅんとしました(笑)
もうすぐチートラが終わるという事に
寂しさもありますが、淳と雪が笑って終わる結末に胸がほっこりします。
次回で最後になるそうですが……、
最後までよろしくお願い致します!
そしていつもありがとございます、です(;▽;)!
良かったねえ泣
暗い中で心を寄せている2人、、
淳の部屋でコーヒーこぼしながら
近づいた日を思い出します。
あの時はまだ心の内を開かせないけど近づきたい淳がかわいらしく、少年のように見えましたが、今回は大人の階段登った分、弱さもオープンに出来る等身大の男性に見えます。
そしてこういう時もイニシアチブをとる雪(笑)
淳からするとちょっと精神的に頼ることもできてオッパ(てお兄さんですよね?)とも呼んでもらえる年下。
貴重な存在ですね。ふふ(笑)
淳は本当に雪に出会えて良かったねと思います。
もう孤独
そして、次で最後なんですね、、!
嫌だああ〜
スピンオフとかやってええ
なんて、ほっこりと温かな仲直り!
別れませんよね?こっちのセリフって…!!
2人とも本人たちは別れる気ないのに、
相手がそう思ってないかで心配だったんですね…
わたしは割と雪ちゃんがアッサリバッサリ派だから、雪ちゃんからこの言葉が出たことに驚きました。
そして先輩、下の布団で寝たけど、
物言いたげな子供のような目…この純粋な目で雪ちゃんは何度言い返せずに要望を飲んだのか…今ではスッカリ汲み取って「はいはいどうぞ!」って感じなのが、2人の関係性が雪ちゃん主体になってるのかなと印象づける場面な気がします。
まあそのあと膝枕して頭撫でてるから、やっぱり年上の先輩へは素直に甘える雪ちゃんなんですが。。
エピローグでもコメント長くなってしまいます…
待望の2人の相互理解が赤山家という
最高の場所で出来たことがもうただ嬉しくて…
しあわせな2人になれてよかったです( ;∀;)
そんな時に興ざめな発言で恐縮なのですが…。
「明日の朝何時に起きる?」のシーン、「土曜だから遅くまで寝れば?」の吹き出しは雪ちゃんから出ていませんか?
そうすると
雪「土曜だからゆっくりすれば?」
淳「そう?」
雪「うん」
みたいな流れかと?
(細かい台詞回しはかなり適当です)
思いつきで書いていますので、私の勘違いかもしれません。
ラスト1話!楽しみだけど寂しい…(涙)
ほんとだー!!吹き出し雪から出てますね!
ありがとうございます!!早速修正します!
ただ最後の雪の「うん(그래)」が敬語じゃないので、その前の「そう?(=그래?)」はお母さんのセリフだと思いますので、そういう風に修正させて頂きますね^^
ありがとうございました!!
とりま記事修正へのコメ返で失礼致します!!
やっぱり青田淳がどう変わっていくのかが一番の見どころでしたので、この終わり方シックリキテマス。
あのままブラック全開で策士青田淳が出世街道まっしぐらのサイドストーリー的な話はマボロシとなりましたね…ぷはは!
雪ちゃんは戸惑いながらも淳との違いを受け入れている節がありました。2人が先に進むには、同じ考えを持っている人間同士でないと幸せになれない、みたいな強迫観念から淳が解放される必要があったのかな~と。これで2人は真に対等な関係になれたんですね(T^T)
最後は雪ちゃんが主導権を握っている感じがしますが(笑)
ここまで読んでから今までのストーリーを振り返ってみると、淳が雪ちゃんをつなぎとめるのに必死すぎて、あれ、この漫画のヒロイン淳だったの!?と思ってしまいそうですw
それにしても、淳の上目遣いかわいすぎますね
横山事件でもめた後の例のあの夜、淳の部屋で「理解…理解…」と机をトントンしながら、自分とは違う雪ちゃんが自分を理解するためにはどうしたらいいかと考え、過去問のタネを撒いて雪ちゃんの淳化を誘導したのだと思っていました。
でもついにあの暗い部屋のドアを開けて、こんなふうに泣きじゃくりありのままの姿を見せる淳をみて、幸せになれると安心する一方、
完全に白化して普通になってしまった淳に一抹の寂しさも覚えます。(雪ちゃんを思う淳と同じように私も、黒い淳でさえ好きだったですよ)
そうはいっても幾多の衝突を経てようやく「ありのままの自分を受け入れてもらう」「相手をありのまま受け入れる」ようになったこと、それこそが淳の正解なのは疑いようもないです。
裏目とのわだかまりの解消が直接描かれなくとも、息子のありのままを受け入れられなかった父を超え、その影響下から卒業し同じ轍は踏まないと思えるいいラストでした。
淳‥天然の甘え上手ですよね‥(白目)
上目遣いなんかしちゃって!けしからん!もっとやれ!
gumiさん
おっここにも淳の上目遣いにキューンとしちゃったお方が‥
最後まで読者を虜にさせてくれますよね〜
うめやんさん
コーヒー零しながら近付いた日‥あの日はまだ身体だけの接近でしたが、ようやく心も近付きましたよね(言い方)
今まで先輩のスキンシップや言動でドギマギしてた雪ちゃんとは思えぬほどの冷静な「上がってくれば」イニシアチブに完敗‥いや乾杯です!
二人とも
Aliceさん
もう終始うおおおん!ですよね
読者が願ってきた二人の姿が今まさにここに‥!と胸熱でした。
先輩の膝枕にはキュンとしましたけど、「えっ風呂入ったんだよね?」といらん心配までしてしまいました(オイ)
雪ちゃんの「別れたりしませんよね?」もぐっと来ましたよね!
やっぱり吉川事件の後、先輩が駆け付けてくれたのは雪にとって大きかったと思いました。
りんごさん
チートラはいわば淳の成長物語でしたもんねぇ。このような結末に胸熱です。
「ブラック淳の出世街道」‥幻となってしまいましたね‥
これはもう‥我々で薄い本を作るしかないのか‥?!
かりんとうさん
上目遣いといい気の引き方といい、淳がヒロインといっても過言ではないのかも‥ですね
そしてかりんとうさんのコメントから、淳と雪の互いへの考え方の変遷を今一度整理してみました。
横山ストーキング事件の後、「先輩の本心が知りたい」と言った雪に淳は心の中で「けどそれは俺のことを理解出来るという前提があってのことだろう」と思いました。
そういう対象にしておきたい淳は保健室で「君の味方は俺しか居ない」と言って雪を繋ぎ止め、そのことで雪は「先輩が私に望んでいることが分かった」とその思惑を理解する。
そしてそれは雪の「今はもっと先輩のことが理解出来る気がします」へと続き、結果それが「それはちっとも幸せなことなんかじゃない」と気付く。
そしてようやく淳は「自分を理解してくれる彼女」よりも「彼女そのもの」が大切なんだと悟り、雪と自分を切り離して考え、二人で同じ方向を見て歩いて行くことを決める‥。
‥いや〜本当によく練られたお話ですよね‥。主人公二人の関係の変遷を色々な出来事に絡めて、周辺の人物との関係も描きながら変化させていって‥。
スンキさんは本当に只者じゃないですね‥神!!
くうがさん
そして上のまとまらない整理をくうがさんがキレイにまとめて下さるという‥!ここにも神がっ‥!
くうがさんが「黒淳さえ好き」と仰ってるのとは裏腹に、雪ちゃんは「先輩の考えが理解出来ない時がある」と黒淳については否定的なんですよね。
けど「だから先輩から離れる」という結論にはならなかったことが、本当の意味で淳を自由にしたんだろうなぁと思いました。
そこを理解させようと足掻くと、結局雪が黒淳化してしまうわけですもんね。淳自身も自分の黒い一面は無意識下で良くは思ってないのかもしれません。
そういえば、裏目氏の最後の台詞は「淳、俺の息子はお前だ」でしたよね。
あれ、口先だけかと思ってましたけど実はあの時心からそのことを認め、これから淳のどんな一面も受け止めて行く覚悟があっての台詞だったのかな、と思い始めました。
それが裏目氏と淳における「幸せになる準備が出来た」状態なのかな、と。
長文になってしまってすみません
いや〜本当に良いラストでしたよね‥