Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

2015-12-23 01:00:00 | 雪3年4部(事件勃発~監視役)
昼食時のファストフード店で、聡美はハンバーガーを咀嚼していた。



‥その姿が少しも美味しそうに見えないのは、目の前に太一が居るからである。

逃げらんなかった‥

「美味くないんスか?俺ダイエットしてるから一個だけにしときマス



いつまでも減らないハンバーガー。

喉を通らないのは、心の中が悶々とした気持ちでいっぱいだからだ。

雪、調べとくって言ってたけど、

まだ答え聞いてないんだよね‥




果たして萌菜と太一は、本当に付き合っているのか‥?

その答えを知りたい気持ちと、知りたくない気持ちが、ずっとぐるぐると回っている。

太一はむっつりと黙り込む聡美を気遣って、明るくこう提案した。

「食べ終わったら、久々に映画でも行きましょうヨ。

聡美さんが見たがってた映画、この間封切りしたとこですし!空講時間に合わせて席も予約しまシタ!」


「うん‥」



太一はいつも通りだ。

大きな口を開けてハンバーガーにかぶりつく。



それを見つめる聡美の胸中は複雑だ。

何のことはない彼の一つ一つの仕草が、特別なものに見えてしょうがなかった。



「イテッ」



唇を手で拭っていた太一が、不意に顔を顰めた。

見て見て、と言いながら聡美の方へ身を乗り出す。

「あ~あ、聡美さん、俺唇切れまくりデス。最近スゲー乾燥してマスよね」

「ん‥まぁリップ塗らなきゃそうなるよ。バカだね‥」



聡美は力なくそう言うと、再び黙りこんでハンバーガーを口に運んだ。

太一は「ふーん‥」と声を出しながら、そんな聡美のことを見つめている。







太一の心の中で、言葉が生まれた。

その言葉を口に出そうと、太一は聡美の名前を口に出す‥。

「聡美さ‥」 RRRRRRRRRR



すると同時に、太一の携帯が着信音を響かせた。

電話を取る太一。

「あ!萌菜さん?」



”萌菜”の名を聞いて、聡美の目が大きく見開かれた。

今太一は、彼の彼女と通話しているのだー‥。

「はい!そうっス。それ良かったスよ。

はい、良いと思いまス。え?」




すると太一は、聡美の方へと視線を流す。

「今からスか?」



その内容から、何か用事が入ったことは明白だった。

そして通話先の萌菜の声は大きく、その詳細までもが聞こえてくる。

「あー‥今からはちょっと‥」

「お願いだから追加撮影来てよ~太一!頼むよ、マジで急いでてさぁ‥」

「それが‥約束があって‥」「大丈夫」



聡美は何を考えるより早く、そう口にしていた。

「そっち行きなよ。急な仕事なんでしょ」「あ‥」



「いいんスか?席も予約してあるのに‥」

「うん、映画はいつでも観れるんだし」「でも‥」



言葉を続けようとする太一。

すると聡美は下を向きながら、寂しそうにこう口にした。

「ただ‥あたしって、今まで自分本位に生きて来たなぁって思って‥」



太一はその意味が分からず、頭の上にハテナが浮かんだ。

聡美は笑顔を浮かべながら、「行きなよ」と口にする。



おそらくこれが一番正しいと、聡美は自身に言い聞かせた。

太一の幸せを考えれば、自ずと答えは見えてくる。

雪に聞く必要も無いね‥



自分本位な自身より、きっと萌菜は太一に似合う。

聡美は太一の幸せな未来を、そっと祈って席を立った。




「ちょっと待って。リップ」



聡美は太一を呼び止めると、

自身のポーチからリップクリームを取り出す。



そしてそのキャップを外し、太一の唇に塗ってやった。

「バイトばっかになっちゃダメだよ。他のことも色々考えるんだよ?」



年上の友人らしく、聡美はそう諭しながらそれを塗り終えた。

すると太一の唇が、ピンクに色づいているのに気がつく。

「げっ!」



「色付きだった?!ごめん!」



予想外の出来事に慌てた聡美は、すぐにティッシュで太一の唇を拭った。

すると太一は聡美の持つリップに、その大きな手を伸ばす。

「貸して」



「こういうのは聡美さんにしなきゃ」



聡美の顎が、沿えられた太一の左手で上を向いた。

唇が、桃色に色づいていく。

「ほら」



「かわいい」










今にも、泣き出してしまいそうだった。

切ない想いが胸を塞ぐ。

感情は現実に置いてけぼりのまま、時間はどんどん流れて行く。

「それじゃ行きますネ。後で皆一緒に夕メシでも行きまショ」



「最近雪さんも聡美さんも元気なさげだし、

俺のバイト代入ったらパーッとやりまショ。ね!」




「それじゃ!」



手を振って、去って行く太一。

聡美は一言も返すことが出来ないまま、ただその場に突っ立っていた。



色づいた唇。

溢れた感情。



その全てが、

もう遅いよと自身に教える。





「あああ‥」



聡美は両手で顔を覆いながら、その場にへたり込んだ。

「どうしよう‥どうしよう」



次から次から、後悔の波が押し寄せる。

「あたし‥」



「なんてバカなの‥」



桃色に色づいたこの唇のように、空が橙に染まって行く。

けれどそれはあっという間に、深い群青へと変わって行った。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<唇>でした。

聡美‥。切ないですね

そして出ました太一の「あごクイ」!



さすがチートラ1良い男と囁かれる太一‥。恐ろしい子‥!!(久々)

次回は<監視役>です。

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5 Comments

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無料ウェブマンガの収入源の一つをちゃんと掴むスンキさん (CitT)
2015-12-23 01:27:39
ちなみにこれ↓がこの回の公告でした。
https://sites.google.com/site/cheesetrapenglish/ads/2015/niveacarecolor
まさかの広告商品を本編に丸出し!
しかも機能(色が出る)もストーリーと関係ありで覚えやすい!
しかも間接キスという萌え入り!

自己本位か・・・やっと自覚したんだ。
ボラが彼氏と長行けないのはやはり
彼氏から父性を求めるからではないかと。
彼氏や旦那はけっしてパパにはなれませんよ。
子姫ちゃん気取りでいたら相手が疲れて逃げます。
返信する
うわわわ (うわ)
2015-12-23 11:56:21
これは落ちるしかないでしょ…続きが楽しみです!
返信する
やっぱりチートラ1いい男だ!! (nossy)
2015-12-23 23:38:29
大好きな太一&聡美ペアが…!!
今までにない描写ですね。弟キャラだった太一がこんなに男前になってて、こっちがドキドキしちゃいました(〃∇〃)
まさか顎クイからのリップとは…
これから、色つきリップ持ち歩こうと思います。(笑)
返信する
スンキさんすごい (だぶる)
2015-12-24 02:46:55
広告に既視感がありましたがこんなにもグッとくるエピソードに盛り込んでくるとは!
リップをつけた時の聡美の顔が…切ない!!
雪ちゃんが探偵しているさなか起こるエピソードで心が清められました(笑)
太一と聡美…ちゃんと2人とも話を、お互い話をしてあげてぇ~!
返信する
Unknown (Yukkanen)
2015-12-30 20:59:13
CitTさん
違和感無く、そしてキュンポイントも押さえた広告ですよね‥!彼氏に塗ってもらう女の子が激増するのでは?!
そして萌菜の作戦(かどうかまだわかりませんが)は大成功ですよね‥。でもいまいち太一がそれを自覚してないような‥?
この二人には本当上手くいって欲しいです‥。

うわさん
うわわわ!ですよね!
私もあの太一の「かわいい」にドギュンとやられました!!

nossyさん
太一、1部や2部の頃とは違ってちょっとミステリアスというか、男前度が上がりましたよね。
顎クイからのリップ、流行る予感ですね!
ただし「イケメンに限る」ですけどね!笑

だぶるさん
グッと来るエピソードですよね~!
ここ最近で一番好きな場面かもしれないです。本編はコソ泥騒ぎの最中ですし‥。
聡美と太一の話だけ集中的に読みたいですよね~
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