「うっうっ‥うっ‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/3a/ab1b8adbc308be062636e56b947e67bb.jpg)
佐藤広隆は、構内のベンチに腰掛けながら涙を拭っていた。
頭の中に、先程の健太の言葉が蘇って来る。
やっぱり佐藤だな!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/f9/de1ee731a9c6d643b8c55c1b920342c6.jpg)
見下したような表情の柳瀬健太。まるで佐藤が屈服する結末を見越しているかのように。
彼は四年間ずっとそうだった。
すると頭の中に、もう一つ声が響いて来た。
アンタも大概ね
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/ab/5a1b7a9f9729c58e2518ed87f0f3fe06.jpg)
河村静香は、そう言ってバカにしたように嗤った。
自分の不甲斐なさを見事に見破って。
悔しかった。
情けなかった。
佐藤の瞳からは、次から次へと涙が溢れて行く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/29/52038fff22f8083c1e7a47da9ba251cd.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/c5/a53f80077043022b59a5bbffa09ff1c4.jpg)
するとそんな佐藤の元に、一人の人物が近付いて来た。
彼は手で目元を覆っている佐藤の横顔に、静かに問いかける。
「一人で何してるんだ?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/e3/b5a130dcdcb074fce9ff8ad24c79ae75.jpg)
音もなく現れた彼に、佐藤は目玉が飛び出るほど驚き、飛び上がった。
佐藤は外していた眼鏡を掛けると、予想もしなかった人物が自分に話し掛けて来ていることを知る。
「なっ‥何だ?!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/97/a46112ba06fd2d01f01b8ca75a8a0950.jpg)
そこに居たのは、彼が四年間ずっと嫌悪し続けたその男だった。佐藤は小さい声でその名を呟く。
「‥青田‥?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/96/7993653b970a4e8b520a59725a3ecbbc.jpg)
驚愕の表情で自分を見上げる佐藤を見て、淳は目を丸くしていた。
佐藤の声は鼻声で、鼻の頭と目の淵が赤かったからだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/44/95f103db73ad5c35befdc65feb9945cd.jpg)
淳は幾分驚きながら、佐藤の背中に手の平で触れる。
「佐藤どうした?泣いてるのか?!何があった?」「なっ何だよ!関係ないだろ!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/fe/a78d11aeff60c53003369ad489455440.jpg)
佐藤は手で顔を覆い、決まり悪そうに俯いた。
お前に何が分かる、と言って淳を追いやろうとするが、淳は佐藤の頭上からその原因を言い当てた。
「健太先輩のせいだろう?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/2b/2e2ab7bd1dd9bd4239c56fa69566ecaf.jpg)
ビクッ、と佐藤の身体が強張った。叩き返すようなリアクションをする。
「ななななんで‥全部知ってるのか?!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/1c/ed4745d98c692facd9ff267af38057fd.jpg)
佐藤の問いに、淳は頷いた。先ほど健太と佐藤が言い争っているのを見ていたのだと言って。
全てを知った上で、こうして自分に声を掛けて来た淳‥。淳の腹の中を想像すると、佐藤の心中が苛立ちに燃える。
佐藤は勢い良く息を吐き捨て、淳に対して突っかかった。
「あ~そうかい。俺を嘲笑いに来たってわけかい。早く消えろよ!からかってんのか?!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/d7/5a9b5b2de765698de7b7407494894934.jpg)
淳の表情は真剣だったが、佐藤は取り合わなかった。
淳はポケットからティッシュを数枚取り出すと、佐藤に向かってそれを差し出す。
「とりあえず泣くのは止めて、ちょっと話をしよう」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/b0/c007d55ae09069eec4a5597d431b64d2.jpg)
その淳の行動に、佐藤はカッと来た。
差し出されたティッシュが、同情による施しのように感じられたのだ。
佐藤の顔がみるみる歪んで行く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/e3/159eaf1622f6d5921b529a701ed71762.jpg)
そして佐藤は、勢い良くそれを撥ね退けた。白いティッシュが何枚も宙に舞う。
「面白いかっ?!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/c1/7024e231a226fb76d158dee0e9dbadae.jpg)
淳は佐藤の行動に目を丸くしたが、落ち着いたまま彼の名を呼んだ。
「佐藤‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/da/6868c1d3215757b232acc8fb01558308.jpg)
目の前の佐藤の表情は、怒りと屈辱に歪んでいた。
ギッと歯を食い縛り、善人ぶった淳の姿勢に腹を立てる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/72/4bd753ad321f8264d8048087bb8b2fd6.jpg)
そして佐藤は、心のままに声を上げた。四年間ずっと青田淳に対して抱いていた、その思いを口に出す。
「気分はどうだ?!今まで俺が毎日毎日健太先輩から虐められるのを見て、どんな気持ちだったんだよ?!
お前が善人ぶってあいつに何か渡すことと、俺が奪われるのは意味が全然違うんだ!!
お前は一生見下されることなんて無いんだから、腹の底から笑ったらどうだっ!?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/3e/a500345bd1d4529833fe4a66bfcc063b.jpg)
怒りのあまり声が震えた。激しい佐藤の心の叫びだったが、淳は冷静にこう言い返す。
「違う。一度も笑ってないさ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/5c/a29a81290974749033f25e6a5beaf1fa.jpg)
淳は真剣な表情でそう言った。
まるで動じないその淳の態度に、佐藤は幾分たじろぎ言葉に詰まる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/52/3577ee9c808460fe76a2dca74866ca6f.jpg)
淳は表情を変えぬまま、佐藤と健太に対しての自分の意見を淡々と述べ始めた。
「お前がなぜ俺のことをそんな風に思うのかは分からないけど、
年上で力が強くて、それを武器にお前の物を盗って行く先輩と、そんな先輩にラップトップを奪われたお前と。
俺がどちらをより問題視すると思う?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/77/4936c6368ee485e524b38ccf020ccfd0.jpg)
佐藤は言葉を紡げぬまま、淳の話をじっと聞いていた。
「俺も先輩が物を返してくれなければ気分が悪いさ。
それに間違ってないのに被害を受けるお前を見て、俺がそれを面白く感じると思うか?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/06/c847e7855d20d36324b8ada2126f4b65.jpg)
真剣にそう口にする淳に対し、佐藤は噛み付くことが出来ずに俯いた。
まるで自分がずっと感じていたやるせなさを代弁しているような淳の言葉に、複雑な気持ちになる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/23/4839fed3baf118667272196bcbee79ce.jpg)
淳は大人しく聞いている佐藤の前で、健太に対する皆の評価を口にする。
「同期達は皆、健太先輩の振る舞いを良くは思っていないよ。今学期は特にそうだった。
佐藤に対してが一番酷いのに、お前が何も言わないから皆耐えているだけなんだ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/60/5334f31b16f467cf3affe38399434fb4.jpg)
その淳に発言に対し、佐藤は心外のあまり声を荒げた。
「なっ何だと?!俺がいつ黙ってたっていうんだ!
俺は‥俺はいつも嫌だって言って来たんだ‥!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/3a/623b141001d57854e6409b1bbf858974.jpg)
佐藤は悔しさを噛みしめるようにしてそう言ったが、淳は淡々とそれに反論した。
「その程度の意思表示では、通じないじゃないか」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/f3/0a48144edfd1b76a9a007417274cfc48.jpg)
佐藤の能力を俯瞰して語るようなその淳の態度に、佐藤は再び腹の中が煮えくり返った。
佐藤は大きく足を踏み鳴らしながらその場で立ち上がると、淳に向かって大声で叫ぶ。
「いい加減にしろ!バカにするのは止めろっ‥!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/af/60f228181938e91afcf5f0f42dd0e676.jpg)
そして立ち上がった佐藤は、淳のことを見下ろして見せた。
肩で息しながら悔しさに顔を歪める佐藤のことを、淳は目を丸くしたまま見上げている‥。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/c7/f36fb1b71111bdb082d44d61c9dbebaf.jpg)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<懐柔(1)>でした。
淳と佐藤の2ショット、珍しいですね~。
そしてなぜ先輩はずっとリュックを背負っているのか‥。
先輩の「泣いてる?泣いてる?」攻撃が佐藤にまで及ぶとは‥想定外でしたね^^;
次回は<懐柔(2)>です。
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佐藤広隆は、構内のベンチに腰掛けながら涙を拭っていた。
頭の中に、先程の健太の言葉が蘇って来る。
やっぱり佐藤だな!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/f9/de1ee731a9c6d643b8c55c1b920342c6.jpg)
見下したような表情の柳瀬健太。まるで佐藤が屈服する結末を見越しているかのように。
彼は四年間ずっとそうだった。
すると頭の中に、もう一つ声が響いて来た。
アンタも大概ね
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/ab/5a1b7a9f9729c58e2518ed87f0f3fe06.jpg)
河村静香は、そう言ってバカにしたように嗤った。
自分の不甲斐なさを見事に見破って。
悔しかった。
情けなかった。
佐藤の瞳からは、次から次へと涙が溢れて行く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/29/52038fff22f8083c1e7a47da9ba251cd.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/c5/a53f80077043022b59a5bbffa09ff1c4.jpg)
するとそんな佐藤の元に、一人の人物が近付いて来た。
彼は手で目元を覆っている佐藤の横顔に、静かに問いかける。
「一人で何してるんだ?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/e3/b5a130dcdcb074fce9ff8ad24c79ae75.jpg)
音もなく現れた彼に、佐藤は目玉が飛び出るほど驚き、飛び上がった。
佐藤は外していた眼鏡を掛けると、予想もしなかった人物が自分に話し掛けて来ていることを知る。
「なっ‥何だ?!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/7e/784a8723d347849ef5bc4f8d7459ade4.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/97/a46112ba06fd2d01f01b8ca75a8a0950.jpg)
そこに居たのは、彼が四年間ずっと嫌悪し続けたその男だった。佐藤は小さい声でその名を呟く。
「‥青田‥?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/96/7993653b970a4e8b520a59725a3ecbbc.jpg)
驚愕の表情で自分を見上げる佐藤を見て、淳は目を丸くしていた。
佐藤の声は鼻声で、鼻の頭と目の淵が赤かったからだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/44/95f103db73ad5c35befdc65feb9945cd.jpg)
淳は幾分驚きながら、佐藤の背中に手の平で触れる。
「佐藤どうした?泣いてるのか?!何があった?」「なっ何だよ!関係ないだろ!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/fe/a78d11aeff60c53003369ad489455440.jpg)
佐藤は手で顔を覆い、決まり悪そうに俯いた。
お前に何が分かる、と言って淳を追いやろうとするが、淳は佐藤の頭上からその原因を言い当てた。
「健太先輩のせいだろう?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/2b/2e2ab7bd1dd9bd4239c56fa69566ecaf.jpg)
ビクッ、と佐藤の身体が強張った。叩き返すようなリアクションをする。
「ななななんで‥全部知ってるのか?!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/1c/ed4745d98c692facd9ff267af38057fd.jpg)
佐藤の問いに、淳は頷いた。先ほど健太と佐藤が言い争っているのを見ていたのだと言って。
全てを知った上で、こうして自分に声を掛けて来た淳‥。淳の腹の中を想像すると、佐藤の心中が苛立ちに燃える。
佐藤は勢い良く息を吐き捨て、淳に対して突っかかった。
「あ~そうかい。俺を嘲笑いに来たってわけかい。早く消えろよ!からかってんのか?!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/f3/84c6f08afc90137f99385cdae9353ff4.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/d7/5a9b5b2de765698de7b7407494894934.jpg)
淳の表情は真剣だったが、佐藤は取り合わなかった。
淳はポケットからティッシュを数枚取り出すと、佐藤に向かってそれを差し出す。
「とりあえず泣くのは止めて、ちょっと話をしよう」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/b0/c007d55ae09069eec4a5597d431b64d2.jpg)
その淳の行動に、佐藤はカッと来た。
差し出されたティッシュが、同情による施しのように感じられたのだ。
佐藤の顔がみるみる歪んで行く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/e3/159eaf1622f6d5921b529a701ed71762.jpg)
そして佐藤は、勢い良くそれを撥ね退けた。白いティッシュが何枚も宙に舞う。
「面白いかっ?!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/c1/7024e231a226fb76d158dee0e9dbadae.jpg)
淳は佐藤の行動に目を丸くしたが、落ち着いたまま彼の名を呼んだ。
「佐藤‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/da/6868c1d3215757b232acc8fb01558308.jpg)
目の前の佐藤の表情は、怒りと屈辱に歪んでいた。
ギッと歯を食い縛り、善人ぶった淳の姿勢に腹を立てる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/72/4bd753ad321f8264d8048087bb8b2fd6.jpg)
そして佐藤は、心のままに声を上げた。四年間ずっと青田淳に対して抱いていた、その思いを口に出す。
「気分はどうだ?!今まで俺が毎日毎日健太先輩から虐められるのを見て、どんな気持ちだったんだよ?!
お前が善人ぶってあいつに何か渡すことと、俺が奪われるのは意味が全然違うんだ!!
お前は一生見下されることなんて無いんだから、腹の底から笑ったらどうだっ!?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/3e/a500345bd1d4529833fe4a66bfcc063b.jpg)
怒りのあまり声が震えた。激しい佐藤の心の叫びだったが、淳は冷静にこう言い返す。
「違う。一度も笑ってないさ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/5c/a29a81290974749033f25e6a5beaf1fa.jpg)
淳は真剣な表情でそう言った。
まるで動じないその淳の態度に、佐藤は幾分たじろぎ言葉に詰まる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/52/3577ee9c808460fe76a2dca74866ca6f.jpg)
淳は表情を変えぬまま、佐藤と健太に対しての自分の意見を淡々と述べ始めた。
「お前がなぜ俺のことをそんな風に思うのかは分からないけど、
年上で力が強くて、それを武器にお前の物を盗って行く先輩と、そんな先輩にラップトップを奪われたお前と。
俺がどちらをより問題視すると思う?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/77/4936c6368ee485e524b38ccf020ccfd0.jpg)
佐藤は言葉を紡げぬまま、淳の話をじっと聞いていた。
「俺も先輩が物を返してくれなければ気分が悪いさ。
それに間違ってないのに被害を受けるお前を見て、俺がそれを面白く感じると思うか?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/06/c847e7855d20d36324b8ada2126f4b65.jpg)
真剣にそう口にする淳に対し、佐藤は噛み付くことが出来ずに俯いた。
まるで自分がずっと感じていたやるせなさを代弁しているような淳の言葉に、複雑な気持ちになる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/23/4839fed3baf118667272196bcbee79ce.jpg)
淳は大人しく聞いている佐藤の前で、健太に対する皆の評価を口にする。
「同期達は皆、健太先輩の振る舞いを良くは思っていないよ。今学期は特にそうだった。
佐藤に対してが一番酷いのに、お前が何も言わないから皆耐えているだけなんだ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/60/5334f31b16f467cf3affe38399434fb4.jpg)
その淳に発言に対し、佐藤は心外のあまり声を荒げた。
「なっ何だと?!俺がいつ黙ってたっていうんだ!
俺は‥俺はいつも嫌だって言って来たんだ‥!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/3a/623b141001d57854e6409b1bbf858974.jpg)
佐藤は悔しさを噛みしめるようにしてそう言ったが、淳は淡々とそれに反論した。
「その程度の意思表示では、通じないじゃないか」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/f3/0a48144edfd1b76a9a007417274cfc48.jpg)
佐藤の能力を俯瞰して語るようなその淳の態度に、佐藤は再び腹の中が煮えくり返った。
佐藤は大きく足を踏み鳴らしながらその場で立ち上がると、淳に向かって大声で叫ぶ。
「いい加減にしろ!バカにするのは止めろっ‥!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/af/60f228181938e91afcf5f0f42dd0e676.jpg)
そして立ち上がった佐藤は、淳のことを見下ろして見せた。
肩で息しながら悔しさに顔を歪める佐藤のことを、淳は目を丸くしたまま見上げている‥。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/c7/f36fb1b71111bdb082d44d61c9dbebaf.jpg)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<懐柔(1)>でした。
淳と佐藤の2ショット、珍しいですね~。
そしてなぜ先輩はずっとリュックを背負っているのか‥。
先輩の「泣いてる?泣いてる?」攻撃が佐藤にまで及ぶとは‥想定外でしたね^^;
次回は<懐柔(2)>です。
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青田先輩としては珍しく本音出してるし。
まぁ、あの青田が雪以外の人にも共感し始めた証拠に・・・取れないかも(汗
ただ会話内容うんぬんよりこの二人が長く話してる絵面が見慣れないせいなのか、イマイチすんなり入ってこず違和感しかないー。笑
表面的なリクツの上では決して間違ったことを言っているわけではないのですが、ホントに共感しているようには見えません。純粋に他人のために行動するって要素は、コヤツの中にはまだないようです。
そっちはまあ、ユジョンの標準仕様みたいなものなので、特に違和感はないのですが、しっくりこないのはむしろ「君」呼ばわりですかねえ。「ナ」とか「ノ」とか言っているってことは、友人としてもう少し心理的距離が近いような気がします。
強いて言えば、ユジョンも「お前」と呼んだ方がまだしっくりくるような…。関西人としては、ここは二人称の「自分」の出番なんですけどね。
「自分がなんで俺のことをそんな風に思うのかは知らんけど、(中略)自分の物を借りパクしてった先輩と、そんな先輩にラップトップを盗られた自分と、俺がどっちをより問題視すると思う?」
ここでの先輩は佐藤君に共感というよりは、
「佐藤は間違っていない」という自分の見解に対する圧倒的な自信が見て取れるような気が。
先輩は相手と喋っていても、結局最後は「自分は間違っていない」という所に帰結するので、彼は本当に他者の身になって考えることが出来ない人なんだなぁと思い知らされます。
ゆっけ丼さん
若作りルック(笑)スタジャン似合いませんねぇ‥。
なんで買ったんだろ‥(雪ちゃんとのオソロを狙ったのか?)
淳と佐藤の絵面、本当見慣れないですよね。
二人のスタイルが違いすぎて画面もなんだかチグハグに‥。
青さん
「お前」‥!いきなりくだけた感じがしますね‥!お前かぁ‥。うーん‥。少し考えます‥。
努力家で勉強も出来るのでしょうけど、賢くないというか。(←ずる賢くない、と。)雪ちゃん同様に不器用。
静香に振り回されても、淳にコマ扱い(?)されても、健太の暴力的圧力みたいには気付かないですね・・・。
なるほど懐柔ですか。淳には朝飯前ですね。明日の会話も楽しみです。
共感はできないにしろ、いろいろ奪われる立場は自分と同じ。佐藤は間違っていない、というのは先輩の本心ですよね。
淳は佐藤くんを自分にへつらわない数少ない級友であると考えている(好意的にみている)のかと思っていましたが、特にに意識するほど大した存在でもない、のですかね・・・。
ヘンな誤解とライバル意識が無くなれば、柳先輩みたいに結構いい友人になれそうな気がするのですけどね・・・。
我慢しようおうちまで
にしても泣いてる攻撃、角度といい顔近い近い
共感はこの弱すぎる相手には持てないでしょうけれどコマとして使うにしてもそこまで酷い扱いはしないと思われます
まあ自分を嫌いな相手なんでわかりませんが
人間やっぱり自分たちを嫌う相手には優しい気持ちは持てませんよね
国もそうですけど
ナイスガイ亮(笑)
脳裏にすぐさまホットガイが浮かんでしまいました^^;
>共感はできないにしろ、いろいろ奪われる立場は自分と同じ。佐藤は間違っていない、というのは先輩の本心ですよね。
これぞ!!私が言いたいこと!!さすがどんぐりさんっ^^全力で同意します‥!
上にも書きましたが、先輩のそれが結局自分を肯定する結論にたどり着くとしても、佐藤を肯定する淳に、この時彼は救われたんじゃないかな‥。
(雪ちゃんは間違ってないと言ってデコチューした時も実は同じ原理‥)
当事者(淳)の心の内はどうあれ、その時肯定された側の人(佐藤、雪)には救いになることがある、そしてそれは決して悪ではないと、私はそう思います‥。
3535さん
二度目のコメありがとうございますー!
しかし‥しかし‥!文字化けか何かで、表示されておりません‥TT
お手数お掛けしますが、もう一度トライお待ちしておりますー!
むくげさん
東欧からはお戻りになられましたでしょうか~^^
日本とのすごい気温差に体調を崩されませんように‥!
佐藤が淳のことを嫌っているので、基本的に淳は佐藤がそこまで好きではないと思いますが、どんぐりさんが仰ったように「佐藤は間違ってない」という思いは彼の中に確実にあると思います。
それに佐藤より健太の方がウザいと思ってるでしょうしね‥。これから佐藤を懐柔してどんな復讐を健太に果たすのか‥楽しみなような怖いような‥!
というかチートラ、絶対夏が終わる頃にも最終回じゃないですよね‥^^;
解決してない問題が多すぎる‥。
先輩寄りの私でも、現段階では雪ちゃんの幸せを望むならあらゆる点で亮さんに軍配が上がりそうです。
爽やかナイスガイの後に、悲しいまでに相変わらずな先輩…佐藤先輩にとっても悪いことではないんだけれど。現時点では。将来ピアノ君のようにならないことを願うばかりです。
むくげさんの「佐藤先輩頑張って 我慢しようおうちまで」のスローガン調に大爆笑でした…