忘れないように、子どもに話しておいた話があります。
忘れたくない
わけじゃなくて、
忘れそうなほど小さい話だから。
ハローワークにはいろんな人が来ております。
失業保険の説明会に参加して、
前方の席に座りました。
理由は、
人を観察しすぎてしまうから。
で、子ども連れの人が何人かいました。
赤ちゃんを抱っこひも(って今言わないのか)で抱えている人とか
三歳くらいのよくしゃべる男の子とか。
説明会が終わって、
帰りの用意をしていたら、野太い大声で
「ねー帰っていいの?」
とおじいちゃんに(私が?)聞かれた。
なんで私?
「帰りますよ」となんだかわからない返事をして
外に出たら、
真っ暗で
冷たい雨が降っていました。
家を出る前
外に出ると雲行きが悪く、
一度戻って折りたたみ傘を持ってきてよかったわ
と、カバンから傘を出して、
駅へと歩き出した。
ハローワーク千葉は
京成線と京葉線のちょうど真ん中に位置していて、
どっちの駅からも
徒歩7分ほどかかります。
一度、京葉線に歩き出したのですが、
帰りにスーパーに寄るなら京成線だと
踵を返して、
京成線に向かいました。
一度は出たハローワーク前を通り過ぎようとすると、
赤ちゃんを抱っこひもで抱えた若いお母さんと
ショートカットの女の人がもめています。
「いいから、持って行って!」
「いやいや、大丈夫です」
ショートカットの人が折りたたみ傘を押し付けている。
これはお母さんが傘を忘れて
それを見かねたショートカットの人が傘をあげようとしているのだな。
一瞬ですが、
そんな心温まる光景にほっこりしながら
京成線新千葉駅へ。
電車を八分ほど待つことに。
寒いなー
って凍えていると、
さっきの赤ちゃん連れのお母さんがやってきました。
傘を借りたようで、手には水玉の折り畳み傘が握られています。
二十代くらいかな。
長い茶い髪にブーツを履いて
ピンク色の手帳タイプのスマホケースを出して
誰かに電話しています。
寒い中大変だな
って見ていると、
そのお母さん、
借りているはずの折り畳み傘の取っ手の先についた紐を指に引っ掛けて
傘をぶんぶん振り回しているではありませんか。
え、え、それ、人から借りた傘だよね。
小学生みたいに
それは周りに人がいたら。迷惑なくらい
前後にぶんぶん。
電話かけながら。
おいおい!
ちゃんと、せんかい。
って思って、目が離せなくなったところで
電車がやってきました。
わたしは
そのお母さんと同じ車両に乗ると
凝視するほど観察してしまうだろうと思ったので、
少し雨に濡れながら、違う車両に乗りました。
以上。
「なにこの、小さい話!」
と娘には言われました。
でも
人に話したい話でしょ。
もやっとしたんで。
忘れたくない
わけじゃなくて、
忘れそうなほど小さい話だから。
ハローワークにはいろんな人が来ております。
失業保険の説明会に参加して、
前方の席に座りました。
理由は、
人を観察しすぎてしまうから。
で、子ども連れの人が何人かいました。
赤ちゃんを抱っこひも(って今言わないのか)で抱えている人とか
三歳くらいのよくしゃべる男の子とか。
説明会が終わって、
帰りの用意をしていたら、野太い大声で
「ねー帰っていいの?」
とおじいちゃんに(私が?)聞かれた。
なんで私?
「帰りますよ」となんだかわからない返事をして
外に出たら、
真っ暗で
冷たい雨が降っていました。
家を出る前
外に出ると雲行きが悪く、
一度戻って折りたたみ傘を持ってきてよかったわ
と、カバンから傘を出して、
駅へと歩き出した。
ハローワーク千葉は
京成線と京葉線のちょうど真ん中に位置していて、
どっちの駅からも
徒歩7分ほどかかります。
一度、京葉線に歩き出したのですが、
帰りにスーパーに寄るなら京成線だと
踵を返して、
京成線に向かいました。
一度は出たハローワーク前を通り過ぎようとすると、
赤ちゃんを抱っこひもで抱えた若いお母さんと
ショートカットの女の人がもめています。
「いいから、持って行って!」
「いやいや、大丈夫です」
ショートカットの人が折りたたみ傘を押し付けている。
これはお母さんが傘を忘れて
それを見かねたショートカットの人が傘をあげようとしているのだな。
一瞬ですが、
そんな心温まる光景にほっこりしながら
京成線新千葉駅へ。
電車を八分ほど待つことに。
寒いなー
って凍えていると、
さっきの赤ちゃん連れのお母さんがやってきました。
傘を借りたようで、手には水玉の折り畳み傘が握られています。
二十代くらいかな。
長い茶い髪にブーツを履いて
ピンク色の手帳タイプのスマホケースを出して
誰かに電話しています。
寒い中大変だな
って見ていると、
そのお母さん、
借りているはずの折り畳み傘の取っ手の先についた紐を指に引っ掛けて
傘をぶんぶん振り回しているではありませんか。
え、え、それ、人から借りた傘だよね。
小学生みたいに
それは周りに人がいたら。迷惑なくらい
前後にぶんぶん。
電話かけながら。
おいおい!
ちゃんと、せんかい。
って思って、目が離せなくなったところで
電車がやってきました。
わたしは
そのお母さんと同じ車両に乗ると
凝視するほど観察してしまうだろうと思ったので、
少し雨に濡れながら、違う車両に乗りました。
以上。
「なにこの、小さい話!」
と娘には言われました。
でも
人に話したい話でしょ。
もやっとしたんで。