ちょっと思い出したこと。
あきこちゃん
という
小学生のときから中学で私が引っ越すまで
仲良くしていた女の子がいて、
明るくて
どちらかというと目立つグループの子でした。
わたしはもちろんその逆です。
なんでなのかしりませんが、
わたしとあきこちゃんは
ほぼ毎日遊んでいました。
あきこちゃんは
何かというと
「親友だよね」というセリフが好きで
当時、大流行していた
りぼん
とか、ドラマの影響なんですけど、
やたらと友情を語りたがる子でした。
ぼんやりした私は
親友
という意味もさほど理解できず
「うんうん」素直に頷いていました。
で、
そんなある日。
あきこちゃんは
なにかの拍子に
Bちゃんのことを語り始めました。
そして最後に締めの言葉として
「あたし、Bちゃんをイチバンの親友と思ってんの」
と言ったのです。
それはまるで
打ち明け話のような調子でわたしに言ったのでした。
わたしはもともと
あきこちゃんが好きなわけでもなく、
好きかどうかさえ
考えたこともなく、
毎日ぼんやり生きていました。
が、
その言葉に
ものすごく傷ついていました。
あきこちゃんは
友情を語りたいだけで
どの言葉にも真実はなかったかもしれません。
でも毎日のように
「あたしたち親友だよね」と言っているあきこちゃんを
わたしは
親友だ
と思いこみ、
さらには自分が「イチバン」である
と勘違いしていたのです。
あまりのショックに
その後どうしたかは
覚えていませんが、
ただ、
何もいえなかった
ことだけは覚えています。
あれは小学校高学年だったかしら。
わたしは
その後いっさいあきこちゃんには心を開くことはありませんでした。
誕生日プレゼントをくれたり、
引越しの日にわざわざ訪ねてきてくれて
飛行場まで送りにきてくれたり
いまから考えると
すごく優しいことをたくさんしてくれた
と思えますが、
当時のわたしは、
まったくもって彼女を信用していませんでした。
引越しの日。
いつまでも名残惜しそうに話をしているあきこちゃんを、
わずらわしく思っていたほどです。
あのとき
「そんなのひどいよ
わたしを親友だと言ったじゃない」
と一言いっていれば、
また人生が変わったのかも
と今思います。
いやむしろ
わたしが
言葉にこだわるのは
このときのできごとが原因かも。
いやいや。
これは深読みしすぎだ。
今日は
お友達が遊びにきて楽しかったのに、
なんか
そんなことをふと思い出して
結局さびしくなっちゃった。