「志」の英語教育

英語教育実践について日々の雑感を語ります。

県総合教育支援センター研修講座

2009-09-26 16:54:04 | 研修
いわゆる県の研修所による講座にはこれまでにかなりお邪魔してきた。参加した講座の講師は投野由紀夫先生、三浦孝先生、伊東治己先生、北尾謙治先生など錚々たる面々である。

さすがに最近は「必ず参加」とはいかないが、それでも「この人は」というときは何をさしおいても駆けつけたいわけである。

日頃、大枚叩いて街まで繰り出さなければ聞けない人の話が地元で、無料で、仕事として、交通費まで出していただいて、聞けるのだから、利用しない手はないというものだ。

というわけで、今年度は中嶋洋一先生。

定員が中高合わせて十数名ということだったので、とても当たらないだろうと思っていたのだが、希望者はそれにも満たなかったよう。運がよいというべきか、現状が如実に表われているというべきか・・・。

昨年の関西大学で聞けなかったことをしっかり聞いてこようと思っています。


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和文英訳の問題集の問題(わざとです)

2009-09-26 15:21:27 | ライティング
受験向けの英作文教材はあまり売れないらしく、関係の出版社にとってこの分野は鬼門だったりするようだ。学校向け教材として送られてくるサンプルを見ても種類は少なく選択の幅は狭い。

そんな中で、以前にも述べた某定番(にならざるを得ない)問題集を使っているのだが、そこで見た問題から再び気付きを。

「与えられた状況に不満を言っても始まらないし、不平を言う人は生涯その状況から抜け出せないだろう。生きるとはその自分だけの特別な状況を生かして、そこから自信のある己を作り出すことだ」

この問題に対する模範解答として与えられたのがこれ。

Complaining about your circumstances won't get you anywhere. In other words, as long as you keep on complaining about them, you won't try to improve them. But if you are to live more positively, you should make the best of your given circumstances and creating a confident self from them.

もし、課題の和文からこの模範解答がそのまま書ける人がいれば、その人には英語力を超える能力があると言ってよい。おそらく、日本語を「意訳」して英文を作ったものなのだろうが、これを和訳したところで元の和文にはとてもなりそうにない。

これを「正解」として与え、これに沿って生徒に自分の訳例を「訂正」させるくらいなら、英訳させたりせずにハナから英文を与え丸暗記させた方がまだ指導として筋が通っているような気がする。

高校生に書けると私が想定する範囲で英訳してみたものが以下である。

You cannot get anywhere by complaining about your circumstances. Those who complain are not likely to get out of them all through their lives. You have to make the best of your circumstances and try to have confidence in yourself.

入試で点が稼げるかどうかという視点から論じるつもりはない。が、和文英訳指導に際しては、丸腰のまま英訳をさせるなら、到達できそうなゴールを示してやらないと、「英作はやっても無駄」感を生徒の中に広げてしまうだけにはならないだろうか。逆に身の丈にあった解答を示してやれば、直すべき致命的な間違いが浮き上がり、「使える」文法力がつくこと請け合いである。

おそらくは、ネイティブスピーカーが解答作成に加わる段で、より自然な英文への追求から、和文との乖離が広がるのだろう。しかし、英作文を指導する立場からすれば、これ見よがしに無理めな解答を提示する問題集は使いにくいことこの上ない。英作の教材はぜひ生徒目線で作って欲しいものである。その意味では、竹岡先生の教材はかなり優れていると感じている。


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