今月はなかなか面白い本をいっぱい読めました。近藤史恵さんのモップの魔女のシリーズや、米澤穂信さんの古典部シリーズ、そして読友さんからもらった「大阪的」・・・著者の江弘毅が同級生だったことにビックリ
3月の読書メーター読んだ本の数:12読んだページ数:2805ナイス数:501
眠れなくなる 夢十夜 (新潮文庫)の
感想「こんな夢をみた」で始まる10篇の夢アンソロジー。 夏目漱石の「夢十夜」を知らないので、この出だしの言葉は黒澤明監督の映画「夢」を思いながら読み始めました。 作家さんそれぞれに夢を書かれてました。 最後の小路幸也さんのだけは「リライブ」で既読でした・・・また「リライブ」を借りて読もうかな。読了日:03月02日 著者:
阿刀田 高,あさの あつこ,西 加奈子,荻原 浩,北村 薫,谷村 志穂,野中 柊,道尾 秀介,小池 真理子,小路 幸也玉磨きの
感想三崎さん独特の、無さそうで有りそうで無さそうな職業など「失われるために存在する六つの物語」。 最後の「新坂町商店街組合」が一番考えさせられた。 『刻まれない明日』で出てきた歩行技師という職業も登場するし、場所は違うかもしれないけど『海に沈んだ町』だし。 他の話にも出てきたけど、インターネットの検索忌避制度、というのが政府に情報統制された嫌な日本を象徴してる(現実でもあるんだろね)。 最後の初老の夫婦の「いつでも私たちは、取り戻せなくなってから後悔するんでしょうね」という言葉が心に残った。読了日:03月04日 著者:
三崎 亜記モップの魔女は呪文を知ってる (ジョイ・ノベルス)の
感想「水の中の悪意」「愛しの王女様」「第二病棟の魔女」「コーヒーを一杯」の4篇。「第二病棟の魔女」が読んでいて辛かった…でも結末は良かったかな。「コーヒーを一杯」はとんでもない状況のはずなのに何かほんわかしたような雰囲気なのが不思議。 そういえば旦那さん(?)は出てこなかったなぁ。読了日:03月05日 著者:
近藤 史恵モップの精と二匹のアルマジロ (ジョイ・ノベルス)の
感想夜中に目がさめて、読みかけだったこの本を手にとってしまって、ますます目がさえて読み切りました。 シリーズ初の長編。前の本では出てこなかった旦那さんの大介もキリコと一緒に活躍(?)。 最後まで読んで題名の「二匹のアルマジロ」の意味・意図がわかりました。それと「人と同じじゃなくていい」「人と同じである必要なんかない」って、いい言葉です。僕も人と違うの大賛成です。 いろいろな生き辛さなど考えさせられたけど、いい終わり方のお話でした。読了日:03月07日 著者:
近藤 史恵モップの精は旅に出るの
感想■深夜の歌姫:スターウォーズの好きなエピソードで夫婦喧嘩w ■ラストケース:兄やんが猫のはずが「老犬」って書かれてる。文庫化されたら猫に戻るのか? ■あとがきに「最後の本になる」と書かれていて、やっぱりシリーズが終わるのは寂しい。てっきり本書の題名を見て、キリコがどこかに行ってしまって終わるような気がしたけど、そうじゃないかったんで一安心。時間がかかってもいいから「モップの精は再び現れる」みたいにシリーズに戻ってきて欲しい。読了日:03月09日 著者:
近藤 史恵夢十夜 他二篇 (岩波文庫)の
感想「眠れなくなる 夢十夜」を読んでからの本家 夏目漱石の「夢十夜」。 本家の夢のほうが読みやすい。 「夢十夜」も「永日小品」も(短篇じゃなく)小品集なんだけど、一番読みやすかったのは「文鳥」。 なんとなく結末はわかったけど、文鳥とそれに接する漱石が読んでいて楽しい。 文鳥の鳴き声が「千代々々と鳴く」と漢字で表現されていて、僕の知り合いの千代さんを思い出してしまった(^^)読了日:03月13日 著者:
夏目 漱石不時着する流星たちの
感想誘拐の女王/散歩同盟会長への手紙/カタツムリの結婚式/臨時実験補助員/測量/手違い/肉詰めピーマンとマットレス/若草クラブ/さあ、いい子だ、おいで/十三人きょうだい ■実在した人や物事から作られたお話。前半はなぜか読むのに苦労したけど、後半は(慣れたせいか?)読みやすかった。いつもとは少し違っていたのかもしれないけど、やっぱり小川洋子さんの醸し出す不思議な世界。 この前に読んだ夏目漱石にも出てきた文鳥、最近縁があるのかな?ただ死んじゃうけど(-_-;)読了日:03月16日 著者:
小川 洋子大阪的 (コーヒーと一冊)の
感想読友さんに大阪から関東に行った僕にと推薦されて送ってもらった本。読みやすかった。以下、感想というかメモですが・・・■エクリチュール:ある社会集団にとってふさわしい言葉■しゃべっていても、水位の調整みたいなことを大阪の人たちは平気でやる■おもハラ:「おもろないヤツ」としていじめの対象になる■最後に「知らんけど」をぶっ放して逃げる■千葉県柏市「高槻に似てるなと思った」(津村さん)■津村さんは場所の物価を知るのにうどんの玉で判断する■それよりびっくりしたのが江弘毅さんは(全く記憶にないけど)僕の高校の同期読了日:03月17日 著者:
江弘毅,津村記久子いまさら翼といわれてもの
感想今回は古典部が勢揃いで何かを解決することはなかったし、奉太郎自身が謎解きをしないものもあったけど、古典部員のキャラが一段と立って読みやすかった。奉太郎の姉貴も少しやけどいいスパイスになってたような。 なかでも奉太郎がほとんど出てこない「わたしたちの伝説の一冊」が途中は重苦しかったけどその分最後が晴れ晴れして良かった。それと「長い休日」で明かされる奉太郎の過去、そして、少しずつ変わっていく奉太郎の今後。物語とは関係ないけど、十文字の言った「えるきてる」がツボった。このシリーズまた最初から読み直したい。読了日:03月20日 著者:
米澤 穂信女城主 (PHP文芸文庫)の
感想■本田忠勝の女(むすめ)/井上靖:真田信之の妻となった月姫(小松姫)■母の覚悟/岩井三四二:上州金山城の由良氏の母親、北条攻めの激震の関東での決断■虎目の女城主/植松三十里:井伊直虎■立花誾千代(ぎんちよ)/滝口康彦:九州の大友氏の三宿老の立花道雪の娘、ツンデレ■笄堀(こうがいぼり)/山本周五郎:「のぼうの城」で有名になった忍城城主の妻の真名女■夫婦の城/池波正太郎:上州国峰城 ■戦国時代、武将や雑兵の男の物語と同じだけ女の物語もあるんですね。女のほうが強いし、人々をまとめる力があるかも。読了日:03月20日 著者:
池波 正太郎,井上 靖,岩井 三四二泳いで帰れ (光文社文庫)の
感想奥田さんのアテネオリンピック観戦記。アテネのホテルで毎朝ウンコして便器掃除してるのに笑える。奥田さんのスポーツエッセイは本当に面白い。題名は何なのだろうと思ったら、銅メダルに終った野球の面々への捨て台詞。その気持ちわかるわ〜読了日:03月23日 著者:
奥田 英朗「街的」ということ――お好み焼き屋は街の学校だ (講談社現代新書)の
感想江弘毅の考える「街的」という概念などについて書かれた本。正直、解説にも書かれてたけど「街的」というものははっきりとはわからんかったけど、なんとなくボンヤリとは・・・あ、やっぱわからんかも(^^;) この中で「いなかもの」について書かれてあった部分は納得→■「いなかもの」とは「都会にいる非都会的な人」で田舎にはいない■「都会的」であると信じて疑わない類の感性が「いなかもの」をつくりだしている。読了日:03月25日 著者:
江 弘毅読書メーター