福島民報より転載
ノリ養殖、4期連続見送り 相馬の松川浦
東京電力福島第一原発事故の影響で、相馬双葉漁協は相馬市の松川浦でのノリ養殖を4期連続で見送る。1日、同漁協松川浦支所で開いた養殖者の全体会で決めた。
県の放射性物質モニタリング調査で、アオサノリ(青ノリ)から検出される放射性セシウムは減少傾向にある。しかし、同漁協独自の出荷基準値(1キロ当たり50ベクレル以下)を安定的にクリアできていないため、再開を見合わせる。松川浦の復旧・造成工事などが本格化するのを踏まえ、出荷・検査態勢の構築、統一的な加工方法の確立なども検討する方針。
ただ、種の生育などが途絶えると再開まで数年かかるため、9月からの平成26年度漁期も種場の維持・保全活動に取り組む。前年度と同様、竹柵約2000基を松川浦に設置し、ノリの胞子を網に付着させる種付け作業を行う。製品化、販売などはしない。
松川浦は県内唯一の青ノリ生産地で、約70世帯がノリ養殖に携わっている。杉目一郎同漁協松川浦支所長(86)は「松川浦のノリ養殖を途絶えさせぬよう皆で力を合わせたい」と語った。
(2014/08/02 12:19カテゴリー:福島第一原発事故)