若者向けオーディオ雑誌「サウンドボーイ」創刊号です。1980年10月、ステレオサウンド社発行。
これを読み通してみたら、オーディオ雑誌なのにクラシック音楽の記事や広告が意識的に排除されていてビビりました。42年も前から若者のクラシック離れは進行していたのか?
ほんのお慰み程度に載っている記事等は以下の4点のみ。
1.秋だから、ちょっと気取ってクラシックを聴いてみる。
↑ 「サウンド・ボーイ派のガイ&ギャルの諸君に、クラシックなんていうと、あんなのオジンの聴くものでしょ、小難しくてリクツっぽい音楽じゃんか、といわれそうだけど、頭っから敬遠することもないよ。」
無理して当時の若者に迎合してる感バレバレですね。それにしてもナウいヤングにモルダウやら結婚行進曲を勧めてもかえって敬遠されるような?せめてバルトークの弦楽四重奏曲4番やリゲティのエチュードとかの爽やかブン殴り系にしてほしかったじゃんか。
2.スピーカーの内側に貼る遮音材、ユニチカのラスクの広告
エキセントリックっぽすぎ。ヴァイオリン協奏曲や皇帝の第2楽章を書いたひとなのに~
3.スピーカーの試聴に用いられたレコード
1. ケンプの皇帝
2. YMO
3. ボブ・ディラン
4. ZAP
5. ヘブラーとシェリングのモーツァルトのソナタ
ここはクラシック率40%と高め。オーディオ評論家先生には「クラシックは排除してくださいね」とは言えなかった!?ところでケンプのデザインは古すぎて乾いちゃってこれ以上古くなれないから逆に新しく感じますね。
4.秋とは関係なくクラシック
↑ 「レコードついでに、今度はクラシックを紹介しちゃおう。サウンドボーイとしては、どうせ聴くなら、ガリガリのクラシックファンでも知らないという隠れた名曲に挑戦してはどうかな。」
ハンス・カンによるウェーバーのピアノ曲全集6枚組!この雑誌のクラシック担当者の怒りと誇りを感じさせるチョイスでした。
(2016年9月19日の記事を一部訂正しました)
先年、中高の二十年ほど後輩の人物と遭遇し、聞けばずっと声楽を学びアマオペラ団体に在籍しバリトンで出演しているとか。我々の頃は学年で数人ほどクラシック好きがいて‘75年のベーム/ウィーン・フィルなどは連れ立って出かけた話などをしたのですが、‘90年代後半の彼の頃は孤立無援であったと。長期低落を実感しました。やはり絶滅危惧種なのは疑いの無いところなのでしょうか。
年明けからは入退院こそないものの通院は続き、別の気になる場所もちらほら。やはり絶滅危惧種に相応しい成り行きなのかも。
今後も楽しみにしております…。
いつもながら返信が1カ月も遅れてすみません。
> 「サウンドボーイ」誌、「HiVi」誌の前身だった
そうだったんですか!自分もHiVi誌は知っていますがサウンドボーイとは外見も中身も全然違う雰囲気ですよね。HiViは写真は綺麗でしたが富裕層のための雑誌のように感じられてあまり良い印象はありませんでした。
>「レコ芸」「音友」「ステ芸」で手一杯
自分も一時期は特に「レコ芸」は頑張って毎月購読していました(分厚くて狭い部屋を体積的にも重量的にも圧迫)。でも最近は特集の内容によって年2冊でも買えば良いほうです。全盛期に比べてページ数・重量の減少には愕然としましたが内容の濃さは今でも相変わらずのよう(部分的にはよりマニアックになってるような?)ですのでこれからもクラシック音楽が絶滅しないよう音楽の友社さまには頑張っていただきたいものです!楽天マガジン等に全ページは無理だとしても部分的にでも参加しても良いような気もします。
> やはり絶滅危惧種なのは疑いの無いところなのでしょうか。
やはりそうなんですかね。。
ですが「サウンドボーイ」がクラシック絶滅の予兆を示してはいますが、それから40年経っても絶滅していません。それどころかアマチュア合唱団・オペラ団の現場は高齢化してるとはいえコロナに負けず従来以上に頑張っていると感じています。
あと、どこのインターネットサイトだか忘れましたがクラシック人口の割合は他のジャンルに比べてかなり低い一方、客単価(チケット代、ネットコンテンツ・CD・書籍購入、オーディオ機器及びラスク代)が図抜けて高いのでこれからもクラシックはずっと大丈夫だという意見を読んで安心しました。ただ、若い人たちに素晴らしさを知らしめることは喫緊の課題だと思います。
実は自分もSpotifyで「非クラシック」を気楽に毎日楽しく聴いています。だからこそやはりクラシックが一番心に深く響くし、涙を最大量搾り取られることを再認識しました。若いひとがクラシックの奥深さを知らずに一生を終えるなんてもったいなさ過ぎます。
> 75年のベーム/ウィーン・フィルなどは連れ立って出かけた
歴史的な公演ですよね。羨ましいです。それがキッカケでベームの名前も知らなかったのに「カラヤンはベームの足元にも及ばない」一派を産んだことは知っています。ちなみに若きムーティも同行してますよね(違う年でしたか)
すみません、熱くなってしまい長くなってしまいました。
Edipo Reさま、お体にお気をつけてください。
またよろしくお願いいたします。