ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2012.4.30 通りを挟んで、そこは外国・・・

2012-04-30 21:35:53 | 日記
 昨日に引き続いて、今日もゆっくり起床。曇ってはいるけれど、昨日ほど靄がかかっていないせいか、遠方の見晴しは良い。足湯でリラックスした後、あらかた荷物をまとめて朝食会場へ。
 それにしても、どうしてホテルのビュッフェだと朝からこんなにたくさん食べられるのだろう、といつもながら驚く。食後、チェックアウトして荷物を預けたところで、従姉のお迎え。

 午前中、従姉の仕事仲間の女性が案内してくれるということで、ベース見学へ。入口のゲートからもうそこは外国。ブルーの迷彩服を着た男性の手荷物検査の後、ドアの中に入り、免許証やパスポートを確認してから、カウンターで写真を撮影してIDカード(ゲストパス)を作成する。
 中に入ると、日本語の文字標識はすっかり姿を消し、広々とした施設内では何やら時間の流れ方が違うように感じる。司令官等がいる事務所の入り口を見学。代々の司令官の写真、大統領夫妻の銅像等が飾られている建物は、旧日本海軍の建物で、海軍艦船部、鎮守府曾議所等当時の表示板がそのまま残っている。建物内のブルーのカーペットがいかにもネイビーである。
 無料バスがベース内を走っている。どれほど広いのか入るまでは想像がつかなかったのだが、とてもではないが歩き回れる大きさではないということが良くわかる。息子曰く、日本では見かけない車も多いという。
 小学校、学童施設、高校や、私書箱がギッシリの郵便局。4メートルの深さのあるプールやスタジオ、マッサージルーム等完備のフィットネス・センター、沢山の本場ファーストフード店が入っているフードコート等など。僅か通りを一つ挟んだだけなのに、さっきまで日本にいたのが嘘のように、ここは外国以外の何物でもない。

 従姉が持ってきてくれたドルを使って、フードコートでランチ。どれも皆大量で、従姉も私もとても食べ切れる量ではない。さすがの息子も、私たち二人の分まで助けてはくれなかった。飲み物もジャンボサイズで、全部飲んだらお腹を壊しそう。
 窓の外は海。一昨日の公園、昨日のクルーズで船上から見た風景を反対側から見ているのが何とも不思議な気分だ。
 更には、食料品から化粧品、衣料品等なんでも揃うお店にも連れて行ってもらった。ネイティブしか買い物は出来ないというが、大型免税店さながらの豊富な品揃えで、目の保養。しかも値札を見ると本当に安くてびっくりしてしまう。本国に帰って乗るための車まで売っており、左ハンドルの車で息子は気取って写真撮影。帰路のバスの窓からはドックやら艦船やらを、昨日のクルーズとは反対方向から間近に見ることが出来た。

 思いもかけず3時間半強のツアーとなった。ゲストパスをゲートのポストにお返しして退出。ここで日本に帰国した気分を味わう。案内して頂いた方とは御礼の握手をして、お別れした。徒歩5分でホテルに戻って、さすがに緊張していたのかガクッと疲れて、またお茶休憩。
 お土産には名物のカレーを買い、従姉に最寄駅まで送ってもらい、街を後にした。
 本当にテンコ盛りの3日間。私鉄とJRを乗り継いで、無事帰宅した。

 沢山の外人さんたちがごくごく普通に歩いている街の雰囲気に加え、軍港クルーズやベース体験、はたまた海辺の美術館で過ごした優雅な時間。日本にいながらにして、2泊3日の弾丸海外旅行をしたような濃密な3日間だった。

 帰宅後は現実に引き戻されて、洗濯物をエイヤと片付けて、軽く夕食。明日は通常通り出勤。疲れを残さないように早めに入浴して休まなくては・・・。

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2012.4.29 旅行2日目、今日も満喫

2012-04-29 19:36:16 | 日記
 ゆっくり起きて、窓を開ければ港が一望。お天気もまずまず。いつものように私は足湯を楽しんだ。何とも贅沢な朝だ。どんなに目覚ましが鳴ろうと爆睡している寝坊助の息子を起こして、昨夜夕食をとったレストランが今日は朝食ビュッフェ会場。
 
 食後、2人は関東の駅100選に選ばれているというJRの駅まで写真撮影に出かけた。
 ロビーに従姉がお迎えに来てくれて、軍港クルーズへ。いつもは日に5便のところ、ゴールデンウィークということで朝、夕1便ずつ臨時便が出ていた。朝の段階で予約出来るのは15時の便だとのこと。前もって予約をしておいて頂き、本当に感謝だ。
 小一時間のクルーズ。夫と息子は2階のデッキで、従姉と私は日焼け防止のため1階に座って楽しんだ。それにしても空母の凄いこと!全長333mというから東京タワーを横にした長さ。半端でない大きさだ。年の半分は出航しているとのこと。見られるのは確率半分ということらしい。ラッキーだ。他にも、沢山の潜水艦やらイージス艦が沢山並んでいて圧倒される。
 ふつうの観光クルーズとは一味もふた味も違って、船の好きな男の子だったら本当にワクワクするだろうなと思うが、私もすっかり興奮して、説明があるたびにシャッターを押してしまった。案内役の乗務員がイケメン君で、下船時には従姉ともどもツーショットをお願いした。

 そこから歩いてランチのお店へ移動し、従姉のご主人、ご子息2人と合流。地元の野菜、近郊の港でとれたお魚等をふんだんに使った素敵なフレンチのお店で、ゆっくりとランチタイムを楽しむことが出来た。息子もお兄さんたちとよく喋り、とても満足気。

 ランチの後は大人だけで、海辺をドライブ。筋骨隆々の外人さんが自転車を飛ばすのを横目に、まるでカリフォルニアを思わせる椰子の並木道を走って、市制100周年を記念して建設されたという美術館へ。目の前に東京湾を望み、ガラスに覆われた白い建物が何ともお洒落。「全国の絶景美術館トップ5」に選出されたというのも頷けるロケーションだ。地元出身の画家の作品をメインに、ビックネームの作品も多く、素敵な絵画鑑賞の時間となった。
 タンカーが行き交う海を正面に見ながら、広尾に本店があるという館内レストランでお茶。遠くは房総半島まで見渡せて、ゆっくりと流れる贅沢な時間を満喫出来る空間だった。
 帰路、夏は海水浴場で賑わうという景観地等を回りながら、ホテルまで送って頂いた。
 従姉とそのご家族のおかげで、申し訳ないほど欲張りな1日を過ごした。

 軟弱な我が家だけであれば、おそらくホテル近場をうろうろして食事とお茶で終わってしまったであろう。
 次回は是非、我が家の方にもお越し頂きたいものだ。
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2012.4.28  海辺で過ごす素敵な休日、スタート!

2012-04-28 22:05:03 | 日記
 今日からゴールデンウィーク前半の3連休開始。5月2日は治療日だから、後半の体調を考えると、前半に遊ぶしかない!と、夫が何の気なしに予約した行先。あまり遠くなくて、海があって、街歩きも楽しくて・・・と決めた先が、なんと3つ年上の従姉が嫁いで以来ずっと住む街だった。

 結婚後、彼女は2人の男の子の子育てに忙しく、私も社会人になって、結婚して、子育てして、とこれまた忙しく、年賀状だけのやりとりでずっと過ごしてきた。
 その後、ここ数年の間に、伯母の病や伯父の急逝が続いた。4年前の春、伯父が急逝した時は、折り悪く私の再発・転移が判明した直後で、私の体調を案じた母が知らせて来ずに、葬儀には参列出来なかった、ということを以前「生涯現役」という記事で書いたと記憶している。

 私は一人娘だし、今では父方の従兄姉たちとは年賀状すらやりとりがなく、殆ど付き合いがなくなってしまっている。一方、母方の従兄弟を全員集合させてみても、3つ上の従姉、2つ上の従兄、2つ下の従弟と3つ下の従妹の僅か4人である。
 そんな数少ない彼らと、なかなか会うことが出来ない、そして今度会う時はもしかすると誰かの葬儀かもしれない・・・、そう思ったら、元気に動き回れるうちにきちんと会っておきたい、という思いに駆られた。
 彼女の息子さんたちと我が家の息子が逢うのも初めて。伯父の1周忌、3周忌の法要の際も、息子はいつも出かけていて失礼してきたのだ。息子も一人っ子だし、従兄といえば義妹の息子(かなり年上)たち2人のみ。だから、こうした少し年上のお兄さんたちに逢う機会は限られているし、とても良いことに違いない、と。

 そんな大仰なことを言わなくとも、とにかくせっかくそこまで行くのだから、と思い切って、メールをしてみた。「まだ先の話ですが、ゴールデンウィークの予定がまだでしたら、一緒にランチでもできませんか。」と。
 従姉からは早速返事が来て、2泊3日殆どフル・アテンドでお付き合いして頂けることになった。
 今日はランチと街歩き、明日は従姉の家族4人と我が家3人でクルーズとランチの後、ドライブ。明後日は普通は入ることが出来ないベース内にも知人を介して案内してくれるという、豪華で欲張りなスケジュールを組んでくれて、すっかり甘えてしまうことになった。

 離れている・・・とずっと思い込んでいたのだが、実際には電車に乗って2時間弱で行けることが分かり(義母の入院先を往復するよりずっと近い。)、これからのことを思ってなんだかとても心強くなった。

 夫と息子より一足先にこちらに到着して、従姉に街を案内してもらいながら、知る人ぞ知るという感じの素敵な隠れ家レストランでランチを済ませた。結婚して以来、従姉とこんなふうに一対一でランチをしたことなど今までなかった。親のこと、子育てのことなど、話は尽きることなく、あっという間に2時間半も経ってしまった。小さい頃から3つ年上でよく遊んでもらった憧れのお姉さんだった従姉と、そんな話が出来るようになったのだ、と思うと何やら不思議な感じだった。

 街歩きの後、ホテルにチェックインをした私と、学校が終わった息子を連れてやってきた夫と合流し、息子と従姉は初対面のご挨拶。4人で、ホテルのラウンジで名物のチェリーチーズケーキ等に舌鼓を打った後、軍艦が展示されている公園まで散策した後、従姉と別れた。
 それにしてもここは本当に日本なのか、と思うほど沢山の外人さんたちがごくごく普通に歩いている。両替商、アイリッシュ・パブや刺繍入りジャンバー、タトゥーのお店等など、ベースの外人さんたちで溢れる通りをそぞろ歩きながらホテルに戻ってきた。
 ホテルでの夕食の間には、遠方の遊園地で上げられていた花火を楽しむことが出来、夜景がとても綺麗だった。

 海辺の強い陽射しの中、日傘はさしたものの久しぶりに沢山歩いて足がびっくりしている。普段職場と自宅の往復しか歩いていないことに改めて気づかされる。
 今日は早く休んで、また明日一日の楽しい休日に備えよう。
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2012.4.27 病気は私の人生の一部!

2012-04-27 20:16:47 | 日記
 読売新聞の夕刊で連載されていた高野利実先生の「がんの診察室」の連載が昨日で終了した。毎週興味深く愛読していた。
 昨日の最終回を転載させて頂く。

※  ※  ※(転載開始)

がんの診察室(2012年4月26日 読売新聞夕刊)

病気は人生の一部

 この連載も今回で最終回です。様々な患者さんの言葉を紹介しましたが、がんや抗がん剤との向き合い方は、一人ひとり違います。最初から抗がん剤を拒否する人もいれば、効かなくてもすがりつく人もいます。
 抗がん剤は、うまく使って効果が得られれば「がんとうまく長くつきあう」のに役立ちますが、効果がなかったり、副作用がきつかったりすることもあります。 
 マスコミでは、「抗がん剤は効かない」とか、「がんと闘い抜け」という極端な意見が取り上げられがちですが、現場では、そんなにすっきり決められるものではなく、私も患者さんと一緒に悩みながら診療しています。そういう悩みをあるがままに書いてきました。
 この連載で伝えたかったことが三つあります。
 まず、抗がん剤には、いいこともあれば限界もあるということ。いい薬はたくさん出てきましたが、現実よりも期待が上回り、「もっといい治療があるはず」ど、満たされない気持ちでいる患者さんも多いようです。限界を知れば、適度なバランス感党で治療に取り組めるように思います。
 二つ目は、どう生きたいかを考えてほしいということ。病気は人生の一部にすぎず、治療は病気の一部にすぎません。治療がすべてと思い詰めず、人生の目標に向かって、自分のペース目標に向かって、自分のペースで進むことが大切です。
 三つ目は、自分らしく生きるためにできることはたくさんあるということ。病状が進んでも、治療に限界があっても、人生の希望がなくなることはありません。医療はそれを支えるためにあり続けます。これからも一緒に歩んでいきましょう。
 (虎の門病院臨床腫瘍科部長、高野利実)
 
(転載終了)※  ※  ※

 この暖かいトーン、この寄り添い感、バランス感覚に富んだ示唆・・・どれほど励まされている読者がいることか。
 連載が終わってしまうのはとても残念だが、先生が伝えたかったとおっしゃる3点はしっかり胸に刻んだ。この気持ちをもって、これからも病気と向き合っていこうと思う。

 そう、病気は私の人生の全部ではない。あくまで一部である。病気であろうとなかろうと、自分は自分。病気であっても、自分の人生は自分次第で如何様にも彩っていける。だから決して希望は捨てない。けれど、QOLを大切にする上で、抗がん剤だけに依存しすぎるのは、やはりやめたい。

 これまで生きてきた半世紀、その都度その都度、自分自身でいろいろな選択をしてきた。
 もちろん、病気のことだけではない。仕事も、結婚も、子育ても。今、振り返って自信を持って言えること・・・「私の選択が誰から見ても正しかったかどうかはわからない。けれど、いつも、その時々で自分で出来うる最善を尽くしてきた」ということだ。

 だから、決して後悔しない。後ろを振り向かない。迷って悩んで落ち込んで・・・、けれど最後に他でもない自分が決めたことだ。
 一つの選択肢を採ることは、別の選択肢を捨てることだけれど、その時に自分にとってのベストが選べたのだ、と自信をもってこれからも自分の人生を歩んで行けたら、きっと最期に躊躇うことなく「いい人生だった。ありがとう。」と言えるのだ、と思っている。

 今日の勤務で4月も終了。外はあいにくの雨模様だけれど、とにかく4月を乗り切ることが出来た。明日からの休暇はお楽しみも控えている。
 今日も今日とて夫は宴会。息子と2人の静かな週末である。
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2012.4.26 プレゼントの偶然

2012-04-26 22:35:11 | 日記
 昨日の午後からまたお天気が崩れてしまった。これほど気温の高低があると、日々着るものが実に悩ましい。またニットとタイツの厚着に逆戻りだ。
 どうもこの数日、今まで痛みのなかった左の鎖骨がシクシクとしつこく痛んで、なんだか嫌な感じだ。
 それでも明日一日仕事をすれば3連休なのが嬉しい。このお休みはお天気がまずまず、との予報だ。
 そして、あっという間に4月も終わり、ゴールデンウィークが終われば、早くも5月も中盤を迎える。

 今年も学生時代のOB・OG合唱団から校友会音楽祭参加のお誘いのお便りが届いた。例年、6月末から概ね月2回ずつ合計9回の練習を経て、10月半ばが本番だ。これまた練習の日程を早速手帳に書きこんだ。いつまで参加出来るかわからないけれど、今年参加出来れば4年連続となる。この時期の我が家の年中行事としたい、と思う。

 先日、大学時代の友人と久しぶりにランチをして、お互いの息子同士のプレゼント交換をした。去年までは、2人とも趣味に関する本だったのだが、今年は友人の息子さんも高校生になったということで、迷ったのだが、ちょっと大人っぽい筆記具にしてみた。ネームを入れてもらえるサービスもあったので。
 なんとびっくりしたことには、お互いに取り出した包み紙が全く同じお店のものだったこと。目を疑ったのだが、中身も同じ多機能筆記具だった。若干色が違ったものの、なんという偶然か!と驚いた。
 
 その偶然がまたも続いた。3月末で退職した某先生がわざわざ事務室を訪ねてくださって「お世話になったので・・・」と私にくださったのが、同じお店の同じ包み紙のプレゼント。思いもかけないことにびっくりして開けてみると、ネームが刻印されて、息子のものよりもスマートな女性用の濃いグリーンの洒落たペンだった。

 こんなことがあるのだ、と帰宅早々息子が頂いたものと自分が頂いたものを並べてしみじみと眺めてしまった。
 有難いことだ。私もちょっとしたプレゼントにその方のネームを入れるということは良くやるのだが、相手のことを思い、その人の名前を入れる、というひと手間をかけてくださったことが本当に嬉しく、有難かった。




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