ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2013.8.31 猛暑再びの週末、ダイエットはいつ?

2013-08-31 20:43:54 | 日記
 昨日から、またも猛暑日が続いている。一旦涼しくなった後のぶり返しはかなり体に堪える。
 昨夕、仕事が終わってから予約していた歯科クリニックへ行った。先週被せた奥歯のチェックをして頂き、水曜日に口腔外科で診て頂いたときに、上顎の骨隆起が自然に脱落したことをあわせてご報告した。良かったですね、と消毒して頂く。ようやく3か月にわたる治療が終了し、次回11月末に3か月検診の予約をしてきた。

 一方、昨日から学校が始まった息子、この1か月半、殆ど家にいるか、最寄駅前の塾で過ごすかだった。スポーツクラブに行ったのも数えるほどだ。頭を使うとお腹が空くから、ということで、おやつも食事もかなり増えていた模様。消費カロリーより摂取カロリーがすっかりオーバーしていたのだろう。また一段と横方向に立派な体格になっている。せめて寝る前に腹筋でもすれば・・・と言ったら、なまじやるとリバウンドがあるとかないとか、でどこ吹く風だ。
 ずっとウエストゴムの楽な恰好でいたので、あと数か月しか穿かない制服のズボンを新調することにでもなったら・・・と心配したが、とりあえずセーフだった。
 久しぶりに会ったクラスの皆に「お前、随分太ったな~」と言われなかったの、と問うたところ、一言、「皆、太っていた。」とのこと。仲間で、受験が終わるまで仕方ないな、ダイエットはその後だ、という話になったそうだ。
 そう、来春には受験生を卒業してもらいたいものである。まだ続きそうな暑さの中、アップダウンの多い通学路の往復が加われば、少しはエネルギー消費もするかもしれないけれど。大腿骨骨折の大けがをしたT君も、今日から補助器具をつけて登校したそうだ。お見舞いのお礼を言われたと聞き、本当に良かった、と思った。

 学校再開とともに土曜日も寝坊が出来なくなった。今日は息子を送り出した後、強い陽射しに負けないように洗濯機を2回まわし、大物を片付けた。どうも胸痛がしぶとく、なかなかロキソニンが効かず、しかめっ面が続く。あれもしたい、これもしたいと思っていた割には殆ど動けずじまいで、リビングのラックの片付け物をしただけで午前中が終わってしまった。
 片付けの途中、息子が学童クラブで作ったと思しき「母の日・ありがとうチケット」を見つけ、笑ってしまった。お手伝い券がついていて「おつかい」「さらあらい」「しんぶんとり」「ふろあらい・ごみすて」それに「やってもらいたいことなんでも(3回まで)」とあった。
 もったいなくて一度も使っていないので、今からでもいいでしょうか、と訊いてみたところ、そんなものとっくに有効期限が過ぎている、と一笑に付された。

 夫は学校帰りの息子と合流し、恒例の母抜き焼肉三昧ランチをした後、美容院でさっぱりとカットしてきた。次回は10月早々に予約してきたようだが、その時には私も一緒に美容院再デビューとしたいものだ。
 私は一人で簡単なお昼を済ませ、美脚ヨガのクラスに参加した。その後、塾に向かった息子と別れた夫と合流してお茶をした後、買い物。今日は久しぶりに夕食当番を夫に任せ、録画していた映画をゆっくり観させてもらった。

 珍しくこの土日は全く予定を入れていない。ヨガクラスに参加するだけの静かな休日だ。
 気付けば今日で8月も終了。今年も残すところあと3分の1だ。生協の宅配申込書に来年のカレンダーが出てきて、なんだか焦ってしまうのは私だけだろうか。
 
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2013.8.29 職場健康診断結果と「あまちゃん」CDのチカラ

2013-08-29 20:05:46 | 日記
 今朝、出勤すると7月に受診した健康診断の結果通知が机の上に届いていた。
 総合所見はB。“現在心配なし。わずかに異常を認めますが、日常生活に差し支えありません。次回も健診を受けてください。現在の管理・治療を継続してください”。とのこと。
 ここ数年Eの要精密検査が続いていたが、今回の判定は胸部エックス線をパスした結果だ。

 胸部のレントゲン写真は毎月病院で撮影しているし、検査したところで間違いなく「浸潤影あり」と出て「胸部エックス線所見について精密検査を受けてください。」となるのが判っているし・・・ということで、今年は止めてみた。
 たっぷり2日間、下剤の副作用に苦しめられた胃部X線も所見なし。大腸がん検診も便潜血認められず、の陰性。ただ、薬の副作用でもあるが、下痢と便秘を繰り返すと問診票で回答したからか、判定は要経過観察。3ヶ月後に医療機関の受診をお薦めします、とあった。メタボリック症候群も非該当。が、腹囲は若干サイズアップしていた。これは、例年測った後にバリウムを飲むのに、今年はバリウムが先だったし、測る人によると思うけれど・・・(負け惜しみか)。
 昨年は正常値下限の半分ほどだった尿酸値が少し上がって、正常値下限に近づいていた。それ以外はA評定。
 裸眼視力が若干下がっており(というか老眼の始まり?)、VDT健診については「常時作業可であるが、疲労に注意すること」とあった。もちろん、VDTの作業が止められてしまっては仕事にならないし、こうしてブログを更新することすらできなくなってしまう。

 通院時に測ると100行くか行かないかの血圧も、健診の時はなぜか上が120台、下が70台と私としてはやけに高めに出てしまうのがちょっと不思議である。
 1月からフェソロデックス注射のホルモン治療を継続しているが、ホルモン剤を内服していた頃には潜血反応等で(+)や(±)が続出していた尿検査も全て(-)。コレステロールも中性脂肪も昨年、一昨年よりダウンしている。肝機能は正常範囲内とはいえ数値が上昇傾向。白血球は相変わらず3,400と低めだが、貧血もとりあえず正常下限ほどで治まっている。まずまずである。次回の診察時に持参しなくては。

 さて、昨夜は“顎骨壊死ノイローゼ”(!)だった私と何となく険悪だった夫であるが、話の種に、なのか仲直りのきっかけに(?)なのか、今、我が家で唯一全員が観て毎朝毎晩ばか笑いしているNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」のCDを「はい、お土産!」と買ってきた(昨朝の新聞に全面カラー広告が出ていたのは私も目にしていたが、まさか嬉しそうにそれを買ってくるとは・・・)。
 ターミナル駅にある夫の行きつけのCD店はビルの7階で、エレベーターで上がろうとしたら、なんと1階に出店していてこのCDが山と積まれていたという。初回限定で何やら「ミサンガ」と「北の海女」手ぬぐいが当たるクジもあったらしいが、ハズレで紙のPRうちわをもらってきていた。
 毎朝耳にしているから、軽~く歌えるかな~、と思ったカラオケバージョンだが、画面で歌詞が出るわけでなく伴奏だけだとなかなかどうして難しい。
 まあ、確かにいい関係修復の小道具であったことは否めない。知らず知らずのうちに息子と私でフンフン口ずさんでいた。
 そういえば、今年は合唱練習にも行っていない。歌を歌いたくなるのも無理はない。
 一度久しぶりにカラオケにでもいってみようかな、と思う夏の夜であった。

 今週もあと1日。そして何より明日から息子は学校だ。ようやく長い長い夏休み(夏季自宅学習期間)が終わる。

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2013.8.28 フェソロデックス10回目、口腔外科受診

2013-08-28 21:47:39 | 治療日記
 先週に続き今月2回目の通院日。ここ数日、朝起きた時に汗でぐっしょり、ということがなくなった。日々、少しずつ秋の気配を感じる。今日の予想気温は33度とはいえ、カラリとした暑さとのこと。
 夫を送り出した後、いつもより早く家を出る私から、早く朝食を終えるように急かされ、「明後日から学校なのに大丈夫なの?」とお小言を食らった息子はなんとなくまだ寝ぼけまなこで不満そう。
 最寄駅の私鉄もJRも電車は順調。今日も乗換駅から席が確保出来て、ラッキーだ。持参した文庫本は当たり。面白くて夢中になって頁を繰る。

 予定通り病院に到着。今日は診察前の各種検査がないので、自動再来受付機でIDカードを通した後はそのまま腫瘍内科受付へ。受診を希望していた口腔外科の予約が、内科予約の1時間半後となっていてほっとする。
 先週の土曜日に、かかりつけの歯科クリニックで「口蓋隆起・骨分離」の診立てを聞いた後、よせばいいのに「重篤副作用疾患別対応マニュアル」等のネット情報を見まくり、一昨日から昨日にかけて情けないほど精神的に参っていた。
 「骨分離」ではなく、無症状で感染を伴わない「骨露出」ならば、間違いなく“ビスホスホネート系薬剤(ゾメタ)による顎骨壊死のステージ1”ではないか、と。稀に発生する副作用とはいえ、最近では長期投与者に発生が目立ってきているというのも事実だ。これまで、あれだけ顎骨壊死を恐れて3か月に1度の歯科検診を続けてきたのだ。2対1で多く起こるという下顎骨―特に前回EC投与の際に急性歯根膜炎を起こした右奥歯の疼き-にばかり気を取られて、口蓋隆起があれば上顎でも発生しやすい、と記載されていることを見落としていた自分の迂闊さを、何度も何度も繰り返し責めては落ち込んだ。確定診断されればこれから治療はどうなるのだろう、と頭の中は堂々巡り。

 「中待合へどうぞ」のランプが点くまで約2時間。患者仲間のSさんから「昨日は退院後初めていつもの治療に行ってきました」とのメールが入る。「今日は口腔外科も受診です」とちょっと凹んだ返事をしてしまう。本は面白くて読んではいるものの、無意識のうちに骨が出っ張っている上顎に舌が触ってしまい、気になって落ち着かない。もし顎骨壊死が確定診断になったらこのブログでは何と報告するのだろう・・・と、しょうもないことをつらつらと考えてしまう。
 待合椅子はそこまで混雑している気配はないが、主治医の進行状況掲示板には「45分遅れ」と出た。自動血圧測定機で計測した結果は107-66、脈は89。
 その後、中待合に移動して20分ほど。口腔外科の予約時間が迫っており、心配になる。そうこうしているうちに先生が診察室からお顔を出された。

 早速、先生に上顎の骨を確認して頂く。先生は腕を組んで「うーん、5月にゾメタを止めているのでこれで済んでいるのかもしれない。」とおっしゃる。また落ち込む。まだ確定したわけではないのだから先走っても仕方ないのに「もしそうであればゾメタはストップですよね。この後は放射線治療だけになりますか。ランマークもダメですか。」と矢継ぎ早に訊いてしまう。「まあ、ゾメタはストップで、放射線治療ですが、全体の化学療法で骨にも効くものをやれば・・・ただ、ケースバイケースで、ゾメタを再開して大丈夫と口腔外科が言ってくる方もいますし、とりあえずちゃんと(口腔外科で)診てもらいましょう。そして、予定通り今日はフェソロデックス注射、来週はCT、再来週とりあえず採血とハーセプチン」と予約を確認する。診察室での検温は6度2分。

 既に口腔外科の予約時間が大幅に過ぎている。フェソロデックス注射の前に口腔外科に行った方が良いか訊くと、まず注射を先にしてから行ってください、とおっしゃるので化学療法室へ移動して待つ。
 ほどなくして、針刺名人のOさんから「薬がまだ当分届かないので、先に口腔外科に行ってください。」と言われ、2階に上がる。口腔外科にお世話になるのは、昨秋以来。大分間が空いているということで問診票を書いて提出する。待合椅子が溢れるくらいの人で、大分時間がかかりそうだ、と観念する。小さい子供たちが多く、お腹が空いているのか眠いのか、ぐずった泣き声で賑やか。なかなか本が進まない。
 小一時間待って、名前を呼ばれる。前回診て頂いた先生とは別のY先生で、「初めまして」とご挨拶。これまでの経過をざっとお話しする。既に、画面に大写しになった昨秋のレントゲン結果をご覧になっている。やはり、右奥歯の歯根膜が腫れた当時の画像を見て、これは抜歯も選択肢か、というお診立てのようだった。
 今回、3週間ほど前に上顎の隆起部分に白いポツンとしたものがあることに気付いたが、以前もこの部分に口内炎が出来て白くなっていたこともあったこと。これまでずっと近所の歯科クリニックに通っていたが、特に異常も指摘されなかったこと。ちょうどお盆で歯科治療が2週間空いた後、白いポツンが急にザラザラして大きくなり舌に触れるようになったこと。土曜日に診てもらったところ「口蓋隆起・骨分離との診立てで、うまく脱落すればよいが、ここまで出てきているなら切開して外科的に取ることも必要か」と言われたため、受診に至ったことをお話しする。
 そして、診察椅子へ移動。先生は「ん?これは・・・」と。ちょいとピンセット状の器具で押されると、すっと取れてしまった。「?」何ともあまりにあっけない。激しくうがいをしたら、そのまま取れたかもしれませんね、とのこと。出血もなく、カルテには「つまんだら取れた、自然排出、脱落」と書き込まれる。1週間から10日ほどで陥没が治るでしょう、とのこと。
 それまでは経過観察でよいのでは、と抗生剤の処方もなかった。見ると、奥歯1本ほどの大きさの骨。こうした骨隆起は自然排出(脱落)がベストとのことだ。
 顎骨壊死を覚悟してきたので、とほっとした途端、少し涙ぐんでしまう。先生からの話をメモしていると「他に何か聞いておきたいことはありますか。自分で状況を把握して落ち着いて対処すれば、抜歯であれ何であれ、そんなに怖がることはありません」と言って頂く。「今後も口の中を清潔にしておき、出来ることをやっていけば大丈夫、頑張りすぎずに出来ることをしっかりやりましょう」とのこと。来週CT撮影後の夕方、予約を入れて頂いた。
 そうなのだ。自分の今の病状をきちんと理解すること、そして、もし何か起こっても慌てない。諦めない。頑張りすぎずに今やれることをやる。これが私の信条だった筈だ。こうしてブログにも「起こる前からくよくよ考えるのは時間の無駄」とか「何か起こってから考える」とか「何が起こってもきちんと受け容れる」などと偉そうに書いているのに、実際はこのザマである。

 いきなり肩の力が抜けて1階の化学療法室に戻る。ベッドに案内されて、針刺し名人Oさんが来て下さる。ここ数日のことをいろいろ聞いて頂き、とても楽になる。「ほっとしたところで痛い思いをさせて申し訳ないけれど・・・」とフェソロデックス注射。それでも今日は一番上手なOさんで良かった、と思う。フェソロデックスも気付けば今日で10回目。ここまで長く引っ張ることが出来るとは最初は思わなかった。相変わらず結構な痛みには慣れないものだが、注射跡が酷く腫れたり、内出血したり、という目に逢っていないのは看護師さんの技術力が高いから。ラッキーなのだな、と思う。
 今日は左側の出血がなかなか止まらず、止血をしながら右側を打ってもらった。不思議と左の方がいつもより痛いように感じた。無事終了して、会計へ移動。今日は2科受診で3万数千円の支払い。本日の病院滞在時間は4時間半ほどだった。
 
 昨日、一昨日と上顎の骨のことが気になっていつも頭から離れず、気付けばイライラして夫とも険悪になっていた。本当に何年患者をやっていてもまだまだ修行の身である。とりあえずメールで今日の報告。“お疲れ様、私”ということで、駅ビルでちょっぴり贅沢なランチを摂り、読みかけだった本を読み終え、買い物をしながら帰宅した。
 独り相撲といえば独り相撲だったけれど、とにかく何やらぐったり疲れた。本の紹介はまた別の機会に。
 今日はとりあえず、ぐっすり眠れそうだ。
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2013.8.27 ヒントはエコノミークラス症候群!

2013-08-27 20:03:15 | 日記
 読売新聞の医療サイトyomiDr.に連載中の今津嘉宏(いまづ よしひろ)先生の「いのちに優しく いまづ医師の漢方ブログ」最新号に、気になる記載があった。少し長いのだが、以下転載させて頂く。

※  ※  ※(転載開始)

血管のやけどの予防法(2013年8月23日)

 抗がん剤を使ったがん化学療法は、外来通院で行う点滴治療が中心です。内服薬との併用もありますが、1回の治療に数時間が必要で、何種類かの薬を組み合わせて行います。医学の進歩で、治療成績も向上しています。
 しかし、抗がん剤は、その恩恵を受ける代わりに、副作用という試練がついてきます。人によって程度に差はありますが、副作用は必ず出現するといってよいでしょう。
 中でも、点滴治療の際に起こる「血管痛」に悩まされている患者さんがたくさんいらっしゃいます。抗がん剤治療を受けているNさんに聞いたところ、点滴が始まりしばらくたつと徐々に血管に沿って痛みが走るのだそうです。場合によっては、しこりになったり黒ずんでしまったりと、かなりひどいこともあるそうです。
 「病院の看護師さんに聞いても、どうすればいいのか、教えてくれないんだ」とNさんはおっしゃいます。「先生の漢方薬で治してもらえないだろうか」と血管に沿って色素が沈着した腕をさすりながら話されました。
 わたしは「いろんな薬が血管の中を流れるときに、血管の内側がやけどをするために痛みが起こるんです。血管炎を起こしているのです。やけどの程度にもよりますが、ひどい場合は、血管が焼けただれてしまい、黒くなったりしこりになったりします。残念ながらこうなったら、もう、元には戻りません」と説明しました。
 がっくりと肩を落とし、悲しそうな顔をしているNさんにわたしは、「今後、抗がん剤の治療を受けるときに誰にでもできる簡単な予防方法がありますから一度、試してみてはどうですか」と次のような提案をしました。

「エコノミークラス症候群」にヒント
 この方法を行うには、まず、血管の仕組みを知る必要があります。体の中を走る血管は大きく動脈と静脈に分かれます。点滴をする血管は、静脈です。静脈を流れる血液は手足の末端から心臓に向けて流れていきます。心臓の力で流れる動脈と違い、静脈の血液は静脈の周囲を取り囲む筋肉の働きで流れるようになっています。このため、長時間同じ姿勢をして静脈の中の血液が流れないままになっていると、固まってしまうことがあります。この固まった血液が肺の血管につまる病気が深部静脈血栓症、別名エコノミークラス症候群です。
 つまり、静脈の血液はじっとしていると流れがゆっくりになってしまいますから、飛行機や電車などに長時間座ったままの姿勢でいる場合は、定期的に足首を動かすなどの予防策が必要となるわけです。
 そこで、抗がん剤を点滴するとき、患者さん自身で意識的に点滴している腕の筋肉を動かしてみてください。すると停滞していた静脈の中の血液が動き、血管のやけどが軽くなります。やけどが軽くなれば血管痛も軽くなりますから、血管炎の予防につながります。
 じっとわたしの話を聞いていたNさんは、「なんでそんな簡単な方法をもっと早く教えてくれなかったんだろう」と話しながら、「今度、抗がん剤治療を受けるときに早速やってみますよ」と嬉しそうに帰っていかれました。
 がん治療で起こるいろいろな問題は、漢方医学や漢方薬を使わないで解決できることもあります。患者さんたちに元気になってもらう方法をこれからも頑張って考えていこうと思います。

(転載終了)※  ※  ※

 私自身はゾメタやハーセプチンを投与する時から既に、1回で下腕部の針刺が成功せず、毎回看護師さんも私も汗だくで、時には先生にも来て頂きながら、大抵は手首や手の甲にルート確保していた。
 そのため、タキソテールを開始することが決まった時―既に5年ほど前になるが-先生から「これからはまあポートがいいでしょうね~。」の一声で、鎖骨下部に中心静脈ポート設置をし、以来、腕の静脈からの抗がん剤投与は経験していない。
 けれど、毎度毎度苦労していたし、抗がん剤を入れなくとも内出血やら何やらの痛い経験はあるので、こと腕の静脈に抗がん剤投与をすることの大変さは想像が出来る。
 患者仲間でも、長いこと治療を続けることで血管の形どおりに色素沈着したり、内出血が絶えない方を何人も知っている。皆、苦労しているのである。

 特に私たち乳がん患者は、基本的には術側の腕からは採血や血圧測定はしない。腋窩リンパ節郭清をしているからである。一旦リンパ浮腫になってしまうと、その後のケアが大変だから、術後何年経っても術側の腕を大切にしておくのに越したことはない。
 そのため、どうしても健常側の腕の血管ばかりを酷使することになる。経過観察のためほぼ毎月採血するし、CT検査の時には造影剤も入れる。当然両側の血管を使える人の倍の使用率で、血管が硬くなり続けるわけだ。

 今回の今津先生のお話、なるほどな、と思った。
 リンパヨガをやっていても言われることだが、リンパ液も自分自身で流れるのではなく、周りの筋肉の動きにより流れる。だからゆっくりとマッサージしながら回りの筋肉を動かし(リンパドレナージュ)リンパ液の動きを助けてあげるわけである。
 それと同様、静脈血もそれを取り囲む筋肉の働きで流れるようになっているのだ。だから長時間同じ姿勢で静脈の中の血液が流れないままになっていると、固まってしまうのだ、と。
 けれど、実際には腕の静脈に針を刺した時、特に抗がん剤では薬が皮下で漏れたらその部分が壊死するなどそれは大変なことになるから、看護師さんからは「なるべく動かさないで(針が抜けないようにして)くださいね。」と言い渡されてしまう。
 もちろん、こちらとしても針が抜けたら大変だということは重々承知しているから、緊張して極力動かさないことになる。その辺りはどうなのだろう・・・、と疑問に思わないことはないけれど、下腕部の針が抜けるほど激しく動かすのではなく、意識的に手先の部分、手首や指を動かすくらいは構わないのでは、と。

 今、私自身はポート利用により点滴中も両手が自由になるので、極めて無造作に手を動かしている。けれど、かつてポートの破損によりナベルビンが胸の辺りに少し漏れ、皮膚はみるみる真っ赤に腫れ、大変怖い思いをした記憶もある。

 とかくがん患者をやっているとトラブルに遭遇する機会が多いように思うが(別に僻んでいるわけではない。)、今回書かれているようなごく簡単な方法で少しでも薬のお世話にならずに解決が出来るなら、患者1人1人が知っておいていて損はないなと思い、ご紹介する次第である。

 8月最終週が始まった。昨日、一昨日に続き、今日も朝夕涼しくとても凌ぎやすい。明日はまた通院日が控えている。しばらく週1の通院が続くが、無事乗り切りたいものだ。
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2013.8.25 夏ひと休みの日曜日、Mさんからの手紙

2013-08-25 11:30:19 | 日記
 久しぶりに何と涼しい朝!雨の音で目が覚めた。朝から雨模様である。予想最高気温も29度だという。
 これまでの暑さの疲れが出て、こんな日はいくらでも眠れそうだが、今日は息子がセンター模試だ。最寄駅の塾で受験だからいつもより30分早いだけで、なんだか緊張感が欠片も感じられず、ピリッとしない。やっと出かけたと思ったら案の定、時計と財布を忘れた、と言って戻ってくる。都心会場まで出かけて他流試合をしてくる必要があるのでは、と思うのは私だけなのか。いずれにせよ、スケジュール表を見ればセンター模試は残すところ今日を含めて直前の2回のみ。3回目は本番、である。

 こんな日は胸部の圧痛が再燃する。朝食後、ロキソニンを飲んでも改善しない。洗濯物はなかなか乾かないし、掃除をして午後からのヨガに参加する以外どこにも出かけずに、家で読みかけの本を読んでのんびり過ごすことにする。

 先日、Mさんからの手紙が届いた。ポストを開けると一目でMさんとわかる筆跡の封筒。家に入るや否や、着替えの時間も惜しんですぐに拝読した。彼女は私が新規採用で配属された折り、同じ部にいらした大先輩。私と同い年のご子息がいらっしゃる、母の世代の方である。
 いつもお洒落なスーツをさりげなく着こなし、艶やかな長い黒髪をアップにまとめ、上品で穏やかで優しい母の眼差しで、“あまちゃん”だった私を見守ってくださっていた。どう思い出そうとしても、Mさんが嫌な顔をされたり怒ったり、というお顔は全く記憶にない。

 お目にかからなくなってから既に10年以上になる。私が出張で本庁に出向いた時だったと思う。既に退職されてはいたが、以前と変わらず若々しく、ちっともお変わりないお姿。請われてアルバイトをされている、と伺った。湘南の地から遠距離通勤をされているのをおくびにも出さず、定年まで勤め上げた後にも若い方たちに親切にして頂きながら楽しく仕事をしています、と穏やかに微笑みながらおっしゃっていた。その謙虚さとバイタリティに頭が下がったのを覚えている。

 実際に私がMさんと同じ部に所属していたのは僅か2年だった。技術職ばかりの部で100数十人という大所帯の中、女性は庶務担当等のたった6名だった。「お姫様の会」(!)と称してお食事会等にお付き合いさせて頂いていたが、今も年賀状のやり取りをさせて頂いているのは、Mさんと一番歳の近かったもうひとりの先輩の2人だけである。そして、Mさんはこうして私のブログを読んでくださりながら、時折丁寧なお手紙をくださる。結婚式の二次会にもご出席頂き、夫のこともご存知でいらっしゃるから、私の拙い身辺雑記もリアルにお読み頂いているのだな、と推測する。

 コメントを書いてみようかと考えてみることがあるのですが、やはりお手紙で、と。この筆跡を拝見すると、やはり直筆の手紙の力を痛感する。まるでMさんとお話しをしているような優しい雰囲気に包まれるのだ。75歳という年齢を境に“整理”を始められたという。パソコンをやめスマートフォンに切り替えて使いこなしている、ともあった。 メールアドレスが記されていたので、早速登録し、ご挨拶かたがた初メールをしたところ、すぐにお返事を頂いた。28年以上前、新規採用で着任した私がMさんとこうしてメル友になるとは、本当に隔世の感がある。
 ずっと専業主婦で新しいことにはアレルギーを示す我が母と比べては失礼だけれど、その前向きな姿勢に圧倒される。ピアノ、コカリナのレッスンも楽しまれ、私のブログからヨガも始めてみようかしら、とおっしゃる。

 こうしてブログを続けていることで、直接ではなくとも沢山の方たちと繋がり、日々私と逢っているようだと言って頂ける。哀しいかな、体は1つしかないから、実際にお目にかかることの出来る方は限られているけれど、これからもこの繋がり、大切にしていかねば、と思う。
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