ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2012.12.31 大晦日、スキーとグルメとショッピング

2012-12-31 21:18:11 | 
 明け方、お腹を壊しているといいながら布団をかけずに寝ている息子の世話を焼いているうちに眠れなくなってしまう。昨夜の夕食が軽かったせいか、空腹で眼が覚めた感じだが、目覚ましが鳴るまでベッドで静かに過ごす。
 2人が寝ている間に、部屋のお風呂で足湯にとどまらず朝風呂まで頂いてしまう。何とも贅沢な大晦日である。

 今日は昨日の雨とは打って変わって、朝から青空のとてもいいお天気。浅間山からの雪が舞い落ちてくる。
 遅めの時間にバイキングの朝食をしっかりと頂く。高原野菜がとても美味しい。ホテルの中庭を散策し、チャペルを見学。今日もウエディングがあるようだ。

 そして本日のメインイベントは、夫と息子のスキーである。ホテルのシャトルバスでスキー場まで送って頂く。
 お天気は良いけれど、さすがに寒い。けれど、最強240デニール裏起毛のインナーを着ているので思いのほか辛くない。長蛇の列のチケット売り場を無事通過し、2人分のウエア、シューズ、スキー板等一式をレンタルして、いざゲレンデへ。息子はすっかりお腹の調子も良くなった様子で、ハイテンションのお喋り坊主に戻った。
 一方、夫は独身時代以来(何十年ぶり!)というスキー。何とか無事に帰宅せねば、と緊張していた様子で何やら寡黙であった。私はリフト乗り場付近でひたすら写真係。サングラスもなく、雪が眩しくて目がしょぼしょぼする。
 最初2人が初級コースを滑って帰還したのを無事見届けたのだが、次に中級コース・リフトに乗って行ってしまった後はみるみるうちに吹雪になった。ちょっと黒雲が通るといきなり雪になる。あられのような雪に打ち付けられて、かつらは被っているけれど帽子を被っていなかったので、雪だるまになりそうな気分。手袋をしているとカメラも携帯も使えないので、手がかじかみそうになる。なかなか降りてこない2人に何かあったのではと心配ではあった(後で聞いたら、コースを外れて別の所に降りたらしい。待っていても帰ってこないはずである。)が、これで無理をして”痛みスイッチ”が入っては大変、とレストランに移動して2人の連絡を待つことにする。
 レストランもこれまた長蛇の列。雪の中、30分ほど待ってようやく中に入り、場所を確保する。ちょうど2人と連絡がとれて、遅いお昼になった。ここでしっかり温まり、お腹もふくれて2人と別れ、私はショッピングモールへ移動。
 一人で1時間ほどウインドーショッピングをして、カフェに入って人心地着く。紅茶とケーキを頂きながら、優雅に読書する予定が、息子から「お父さんがストックを落とした!」だの「ロッカーのキーがない!」だのなんだかんだとメールが入り、落ち着かないことこの上ない。結局、1時間ほどして2人がカフェにて合流。
 今日の武勇伝を聞き、勇姿の写真を見せてもらいつつ、とにかく“何とかの冷や水”で、救急車で運ばれるようなことがなくて何より、と胸をなでおろした。そして2人のスキー姿、見られて嬉しかった。

 辺りはすっかり暗くなり、湖畔にきらめく8万球のウインターイルミネーションが美しく、寒さを忘れるほどだ。今日は、私のものと夫のものもゲットして、快調に復帰した息子のリクエストで、トラットリアで野菜たっぷりの前菜やパスタを楽しむことが出来た。どれもこれも美味しく大満足。ふと外の温度計を見ると-7度。

 タクシーでホテルに戻ると、降りた途端、息子が「凄い!」と歓声を上げる。そう、空から星が落ちそうなほど瞬いている。こんな星空を見たのはどのくらいぶりだろう。2人はまた夜空を写真に収めに出かけて行った。

 そうこうしているうちに今年もあと数時間となった。
 無事に2012年の大晦日を迎え、まもなく2013年がやって来る。ブログを初めて4回目の新年を迎えることが出来て素直に嬉しい。来年も、また再来年も続けていけますように。

 お読み頂いている皆様、今年もお付き合い頂き、どうもありがとうございました。おかげさまで今年も無事年越しが出来ます。来年も引き続き細く長くしぶとく綴っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 どうぞ皆様お揃いで良いお年をお迎えください。
 明日もまた、更新する予定です。年始のお忙しい中だとは思いますが、もしもよろしければ、またご訪問ください。
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2012.12.30 1時間ちょっとで銀世界の街へ

2012-12-30 20:26:53 | 
 いつもと同じ時間に起きて、今年最後の洗濯をして出発。心配した雨模様でなくほっとする。ここのところ旅行といえば、いつも病院の最寄駅から新幹線に乗る、というパターンだったので、改装相成った東京駅に降りたのは初めて。おのぼりさんよろしく、あまりの人混みと沢山のお店に圧倒されてしまう。それにしても、せっかちの夫のおかげで新幹線の出発時間まで45分もあった。帰省客や旅行客でごった返している駅の構内で座っているだけでどんどん草臥れてくる。

 新幹線が出発するときにはかなり雨足が強くなっていた。出発してしまえば1時間ちょっとで目的地へ到着。ここにはかつて新緑のゴールデンウィークの頃、数年続けて泊まりに来たことがあるが、冬の時期は初めて。かなり寒いことを覚悟して、皆で完全防寒でやってきたが、一面の銀世界ではあるが、雨のせいか思いのほか暖かい。そして湿気が適度にあるため、乾燥しきっていた東京とは打って変わって空気が喉に優しく有難い。

 いつもは元気印、人一倍食欲旺盛の息子が、なぜか朝出がけからお腹を壊し、途中、何度もお手洗いのお世話になるハプニング。旅の初めを景気よく美味しいランチで、と思っていたが、とてもそんな状況ではなくなった。気兼ねないようにセルフサービスのデリに入って、夫と私はサンドイッチを、息子は温かいスープだけで、簡単に済ませた。
 3年半ぶりのアウトレットショッピングモールはお店の入れ替えもあり、配置が結構変わっていた。空腹の息子は、ファストフードのいい匂いが漂ってくる場所を避けながらショップ回り。一通りぐるりと回って夫と息子のものを少しだけ買って、その後タクシーでホテルへチェックインした。

 息子は空腹と疲れで、せっかく淹れたお茶も飲まずにそのままベッドでお昼寝。まるで保育園児である。その間、おかげで静かに読書を楽しむことが出来たのだけれど。
 雨のせいもあり、5時前に真っ暗になる。1階にある部屋からの眺めは雪景色の森だ。ベッドで本をめくりながらソローの「森の生活」を思い出す。

 今夜はホテルでの夕食を手配していなかったので、駅までタクシーで行くかそれとも近辺で済ますかの選択だ。結局、ホテルで近くのレストランを教えてもらい、傘を差しながら暗く雪解けのぐちゃぐちゃ道を歩く。滑るのと靴の中に水が浸み込みそうで、とてもストレスだ。フロントで左にフレンチ、右に中華と教えてもらっていたが、息子のお腹の調子を考え中華料理店に入る。

 温かい麺類やスープでほっと一息。どれも美味しい。7時には早くも夕食を済ませ、部屋に戻ってきた。

 明日は、夫と息子はスキーを楽しむ予定だ。夫は雪国育ちなのでスキーは得意というが、私は夫のスキー姿を見たことがないので真偽のほどはわからない。息子は、中学時代から毎年スキースクールに通っているが、その滑る姿も見たことがない。そんなわけで、私が彼らのスキーを一度是非見てみたい、というのが今回の旅の動機だ。かくいう私は、就職して2年目に友人と職場スキーツアーに参加したのが最後で、もう四半世紀スキーとは無縁だ。もちろん今回、この骨転移の身でスキーをしようなどという無謀なことは考えていない。当然見学の予定である。

 今降っている雨も明日の朝遅くには止むというので、今日はこれからサウナとスパを楽しんで、早めにベッドに入って明日に備えたいと思う。
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2012.12.29 ちょっぴり親孝行の昼食会

2012-12-29 21:21:48 | 日記
 今日から6連休。
 まだ寝ていていい日に限って、いつもどおり目が覚める。せっかく寝坊が出来る日、ここで起きてはもったいない、と往生際悪く洗濯が仕上がる時間までうだうだ、ぬくぬくとベッドで過ごす。

 そうこうしているうちに、朝食を済ませて2回分の洗濯物を干したら、あっという間に出かける時間になってしまった。
 今日は午前中マッサージを予約していた。その後、8月のベトナム旅行後、9月の治療が始まってからずっとご無沙汰していた両親との昼食会。サロンの最寄駅には、実家の両親がバス一本で来ることが出来る。

 今年最後のマッサージ。新製品だという備長炭のマットにくるんでもらいながら施術して頂いた。まさにポカポカと極楽の時間だ。血液を温めて血流を良くしてくれる効果があるそうだ。温熱療法というのもあるくらいだから、きっと体に良いだろうと悦に入る。肩も首も頭も丁寧にほぐしてもらって、沢山お喋りも聴いて頂き、あっという間に至福の時間が終了した。
 施術後はデトックスのハーブコーディアルを頂き、次回の予約を入れ「良いお年を。」とサロンを後にする。

 両親との待ち合わせまで時間があったので、年明けの息子の誕生日に写真館の予約等をして時間調整。
 さすがに年の瀬。既にクリスマスイルミネーションはすっかり片付いて、門松が飾られ、お正月飾り、おせち料理やお年賀品の買い出しでデパートはごった返していた。まだ風邪が完全に抜け切っていないので、なるべく人混みには入らないようにすり抜ける。

 そして、昼食会。いつものようにせっかちの両親が一番最初に到着していた模様。夫と息子はほぼ同時の10分前に、時間調整をして5分前に到着した私が一番最後になってしまった。ホテル内のレストランはほぼ満席だった。久しぶりの再会に乾杯した後、美しく盛り付けられた御鮨や和食に舌鼓を打ち、満足して食事を終える。そのままロビーに流れてお茶をした後、両親をバス停近くまで送って別れた。

 まぁ、かつらのお世話にはなってはいるものの、マッサージ直後でお肌もつやつや。治療の副作用で参っていることもなく、風邪気味であるとはいえほぼ元気な姿が見せられたので、ちょっぴり親孝行が出来ただろう。ご馳走した筈だったのだが、逆に息子にも私にもお年玉を頂戴してしまった。50過ぎの娘が年金生活者の親からお年玉をもらうなんて・・・。

 さて、明日から家族で年越し旅行に出かける。
 去年の年末年始は夫と息子が2人で山陰・山陽地方を訪れた。私は、彼らの旅行前半は治療直後でイマイチの体調だったが、後半は映画やショッピングと、おさんどんから解放されて独身貴族を愉しんだ。一昨年は3人で友人を訪ねて名古屋へ、また初詣でお伊勢様を参ったのはこのブログにも書いたとおりだ。今回は2年ぶりの年越し家族旅行。来年は息子が受験生なのでおそらく再来年の春まで家族旅行はお預けだろう。

 そんなこんなで、またも大掃除をしないで年を越してしまう大胆な我が家である。

 ブログは明日以降も続けますので、まだ「良いお年を」のご挨拶はいたしません。年末でお忙しいかとは思いますが、もしよろしければご訪問をお待ちしております。
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2012.12.28 仕事納めに思うこと

2012-12-28 20:04:18 | 日記
 今日で2012年も仕事納め。
 昨年は仕事納めが通院日、今年の仕事始めも通院日に当たっていた。曜日の関係がうまくいってナベルビン2投1休のスケジュールが、休みを挟むことなく予定通り投与出来たのだ。
 とりあえず今回の年末年始は片方だけでも出勤することが出来て良かったと思う。年が明けると仕事始めが通院日だから。

 さすがに今日は職場に人が少ない。暖房の効きも悪く、何とも寒々しい。風邪ひきの身、特に体に堪える。この年末年始は、カレンダーの並びで仕事始めに休暇をとれば9連休になる。思い切って大きな旅行も出来るだろう。仕事納めか仕事始め、どちらかに休む人が大半だ。
 2009年5月に病気休職から復職した時は、有給休暇がほぼゼロだった。それから病欠取得が出来るようになるまでに1年かかり、さらにこの年末までかかってようやく人並みに、有給休暇を翌年度に繰り越せるまでになった。少々のことでは有給休暇を取らず、必死に溜めた甲斐があって、治療以外に何かあっても休めない、という切羽詰まった状況から脱したことが有難い。

 とにもかくにも今年の仕事も無事(?)終了。
 来年の治療がどうなるのか判らない中、職場は第4四半期を迎え、どんどん繁忙期に突進していく。
 出来るだけ先回りして、少なくとも1月末までの仕事の段取りはつけているけれど、当然ながら未確定で手をつけられないものもある。
 こうして無治療で1カ月以上を過ごしてしまうと、体の楽さ加減にまた慣れてしまって、治療をすればまたあの副作用と付き合うのだ、と思うのが情けないしやるせない。
 無事に今働けているのはあのキツい治療のおかげだった、ということをどうも忘れてしまうのがいけない。

 朝、出勤するとプチ虹のサロンのSさんからメールを頂いた。メンバー中フルタイムで働き続けているのは、同い年の彼女と私の2人だけだ。
 「今年も今日一日の勤務ですね。お互い治療しながらも、勤務出来たことを嬉しく、よく頑張りましたよね」と。
 本当にそうだ。

 体調が良い時、こうして勤務することは全く何の問題もなくごくごく普通のこと、呼吸をするのと同じことだ、と思える。逆に、毎日が日曜日になってしまったら、自宅以外に自分の机がなくなってしまったら、・・・という不安さえある。
 けれど、いざ体調が悪くなると、精神的にも肉体的にも綱渡りの連続。こんなにまでして仕事を続けている意味が果たしてあるのか、がん患者でもこうして働けます、などということは健康な人たちにとって何の意味もないし、私なんぞが辞めても世界は全く変わらないのではないか、とつい弱気になり、思考は負の螺旋に入る。
 もちろん、仕事を続ける意味は経済面だけでない。今や「いきがい」とまでは言えないかもしれないけれど、私の生活のかけがえのない一部であるには違いないのだけれど。

 そんなこんなで、相変わらず気持ちがすっきりと穏やかになりきれず。まだまだ修行の身である。
 それにしても寒いわけだ。年末の挨拶を済ませて帰途についたが、晴れのち雨の予報だったのに、霙どころか雪になっていた。

 とにもかくにも明日からは年末年始の6連休。もちろん今年一年頑張ったご褒美やお楽しみの予定もある。1月の新刊文庫もどっさり買い込んだ。しっかりチャージして新年からの治療と仕事に備えたい。
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2012.12.27 宝くじ買いましたか?

2012-12-27 19:51:34 | 日記
 お読みくださっている皆様、唐突ですが、年末ジャンボ宝くじ、お買いになりましたか?

 私は自分で宝くじを買ったことはない。もちろん買わなければ当たらないことは重々承知の上。けれど、「宝くじ当たったら、どうする?」という話をするのは嫌いではない。 
 こうして再発するまでは、豪華客船で世界一周クルーズ!とかなんとか言っていたけれどもうそれは叶わないだろう。好きな本を捨てなくて済む(今では夫からヤイノヤイノ何とかしろ、と日々どやされている。)大きさのセカンドハウスを買って仕事も辞めちゃおうかな、などなど。
 我が家では、例年、夫が家族3人分といって毎年300円を3枚お小遣いで買ってきてくれる。いつだったか一度息子の分だったか私の分だったか3000円が当たって、皆で大喜びした、という可愛らしいものだ。

 さて、既に何度もご紹介している朝日新聞医療サイトアピタルの連載から、長尾先生の最新号を転載させて頂く。
 だんだん抗がん剤のやめどき、というテーマの核心に近づいてきたような内容だ。抗がん剤は宝くじなのか・・・と。

※  ※  ※(転載開始) 

町医者だから言いたい!【984回】抗がん剤のやめどき 抗がん剤治療は宝くじ!?長尾和宏 (2012年12月27日)

なぜか大当たりが出やすい宝くじ売り場が知られています。1億円の大当たりが出やすい売り場は予め分かっています。
抗がん剤治療も実際にやってみないと効果は分かりません。効くと思っていたのに効かなかったり、その反対だったり。
予想は、外れることもあるので、予想なんです。天気予報もあくまで、予想。いくらでも外れます。
大昔、抗がん剤の専門家に言われた言葉が忘れられません。
「抗がん剤治療は、宝くじのようなものだよ。 時々、大当たりがあるので、買うのをやめられないんだ」と。
私は聞き返してみました。
「どれくらいの確率で、当たるのですか?」
「さあ、100人買って1人当たればいい方じゃないか」と。
それじゃあ、ギャンブルじゃないか。そう思いましたが、とても言い返せませんでした。
「でも、たまに当たった時はほんとうに快感なんだ。その快感が忘れられないので、また買ってしまうんだよ」とも。
買って大当たりしたひとが、2回続けて当たることはごく稀にあるかもしれません。しかし3回続くことはまず無いでしょう。
抗がん剤が効き易いといってもいつまでも効く訳ではありません。耐性が出来て、そのうち効きにくくなります。
宝くじは、買わないと絶対に当たりません。当たりを味わいたければ、一度は買わねばなりません。
買うか買わないかは、あくまで自由です。買わないという生き方も充分あり得ます。
しかし買わないで後悔するなら、一度買ってみればいいのです。もしそれがハズレだったら、もう買うのをやめればいい。
ただそれだけだと、昔、教わったことを思い出しました。
(後略)

(転載終了)※  ※  ※

 うーん、と唸ってしまった。効くことを信じて必死で抗がん剤治療を続けているがん患者さん(私も含めて)は、どんな気持ちでこのコラムを読んでいるだろうな、と思うとちょっと辛い。

 もちろん、長尾先生と抗がん剤の専門家の話が大昔のものということを割り引けば、日進月歩の医療で、ここまで効くのが稀ということもないのだろうけれど、王様級に効くと言われていた3つ目の抗がん剤ECの効きがイマイチになり、それより体のダメージが大きくなってきている私にとってはとても悩ましい内容だ。
 おっしゃるとおり、抗がん剤はやってみなければ効くかどうかわからない。そうはいっても効く時はうんと効く。快感を忘れられないから止められない・・・。けれど、そうそう効き続けることはなく効かなくなる。効かなくなったらもうやめればいい。

 もっともなことだ。
 では、私はいつまで抗がん剤治療を続けるのか。

 やってみても効かない・・・、そして副作用だけが大きくクローズアップされる。つまり負けが混んできた時、体のダメージが大きくなっても、もしかしたら次に使うものは効くのではないか、という一縷の望みを繋いでひたすら使ったことのない抗がん剤治療を、いわば自分の体で人体実験する、ということか。
 さらには、手持ちのカードを全て使い切ってしまったら、個人輸入をして日本で認可されていない抗がん剤までにも手を伸ばす、ということか。

 ますます、次は抗がん剤治療はお休みにしたい、と思うようになっている。
 年明けの通院日、もろもろの検査結果によってまた主治医からは新しい抗がん剤治療を提案されるかもしれない。
 けれど、分子標的薬でまだ使っていないものもある。ここまでアンスラサイクリン系を使ってきて、すぐにまた心毒性のあるハーセプチンに戻るのは心配だけれど、もう一度ハーセプチンに戻して、ちょっと息がつきたい。最初の頃にちょっとだけ使っておしまいにしてしまったホルモン剤・フェマーラに戻してみるのは冒険だろうか。
 もちろん、そうして再び悪化することになれば、次の分子標的薬・ラパチニブにトライしたい。粘っていればT-DM1の恩恵にも預かれるか。
 抗がん剤も、点滴薬でなく内服薬なら少しはマイルドかもしれない。けれど、主治医は今のように通院出来る体力があるうちはなるべく点滴の薬を使い、通院がしんどくなる時まで残しておく、と考えているように思う。

 悩ましい年末である。
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