ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2020.8.31 葉月の晦日 最後の職場健康診断

2021-08-31 20:15:59 | 日記
 
 昨夕は、明後日に治療したらまた当分行けなくなるから、と勤務終了後にT先生のビューティヨガのクラスに参加した。帰宅後は休務日の夫が作ってくれた夕食を有難く頂いた。

 べったりと緊急事態宣言中にオリンピック、パラリンピックが続いた8月も今日で終わり。
 今日から職場の健康診断だ。例年7月末の実施だったが、コロナ禍の去年から1か月後ろ倒しになっている。去年までは平日すべての曜日に渡る5日間だったのが、今年は今日から週末までの4日間、1日減である。
 明日は治療だし、治療後の翌日の木曜なり翌々日の金曜なり、体調不良の状況で受診する元気はとてもない。消去法で今日受診するというのが一択だった。

 37回毎年受け続けてきた職場の健康診断も今回でフィナーレ、来年からは自分でどこか適当な検診機関を探して受診しなければならない。色々考えるに、やはり働いていることでのメリットは大きかったな、と思う。
 前回のエンハーツ治療から今日で28日。昨年治療1週間後、吐き気と疲労度が高い中で受診したことに比べれば今日はとても元気だ。
 
 昨年は三密防止のため、暑い中、外に立ったまま間隔を十分に取って並ぶように、とのことだった。30人ほど並んだらそこを最後尾として打ち止め。それ以上は並ばずにまた出直すように、だった。何分立って待つのか並んでみないとわからないという随分乱暴な仕切りだった。
 今年はさすがにその反省からか、建物の1階大教室で受付、そこから検査種目ごとに小さな教室1室を当てはめることになっていた。

 初日だし、どのくらい待つことになるかわからないけれど、今年は去年パスした胃のレントゲンもトライするつもりで朝食を抜いていつもより早めに出かけたので、沢山並んでいるからといって出直すことも出来ない。
 受付開始の20分弱前に到着したところ、28番目だった。100人教室で38人が座れる形になっていた。そこで所属ごとの名簿から受診チェックの受付をしてもらえるまでに30分以上待った。とはいえ冷房が効いている部屋に座って待てたのでこちらはノープロブレムだった。

 続いて廊下に出て健診事業者による受付。受診科目ごとの検診表に番号を附番し、今朝取った大腸がん検査と尿検査の検体を出すのだが、例年4人くらいでやっていたのに今日は2人だった。
 そのためとても時間がかかっている。あっという間に長い列になる。壁に寄りかかっていてもだんだん疲れてくる。20分ほどして前に並んでいた年配の女性が「腰が痛いので椅子を出してほしい。」と担当係員に仰る。同感である。
 このまま何分待たされるかわからない。皆で別の教室から椅子を出して並べ、残り15分ほどは座ってやり過ごせた。

 肺のレントゲンはキャンセルを申し出て、検温(36.8分)を済ませ、隣の部屋で身体測定に移れたのは隣の大教室に入ってから待ち始めてから1時間10分ほど経過していた。

 身長は頭をかなりきつく抑えられたので、その旨言ったのだけれど、初めて165㎝を割って164.9㎝と去年よりまた0.3㎝縮んでいた。頭頂部の髪の毛のボリュームが少ないこともあるだろうか。もはや自称166㎝と言えなくなってきたかも。まあ誤差範囲だろう。心して姿勢を良くしないと、と思う。

 体重は風袋込みで47.3.kgと昨年より4.2kgの増。昨年は受診前にそれは酷い下痢に見舞われてお腹がぺっちゃんこだったし、そもそもエンハーツ治療が始まって吐き気が酷く食事が摂れないことが多かった。一昨年から2.6Kgの減少で、これはちょっとまずいと思っていた。だから例年に比べれば1.6kgの増といったところか。

 今回は治療後4週間経っている。食べられる時に食べられるだけ頂くという自由な食生活を続けているし、楽なウエストゴムのスカートばかり穿いていることもあって、ウエストのあるスカートを穿くとあれっと思うことも多くなっていた。自宅で毎日測っている体重と変わらないので、これはもう納得の数字。
 腹囲は66.5cmと2.5cmの増。これも体重増と連動しているようだ。まあ、これが今の私の現実である。

 階段で2階に上がってからはスムーズに流れた。ほぼ貸し切りないしせいぜい1人、2人が待っている状態だ。血圧は1回目119-79、2回目が106-77で問題なし。また隣の部屋に移動して採血3本。若い男性だったがお上手で、あまり痛まずにほっとした。先週の検査通院で2回針刺しをしているし、明日も採血がある。針刺しのタイミングが頻繁だし、分かり易く刺せるところが決まっているので、血管が硬くなっていて、当たり所が悪いと本当に痛む。今日はラッキー。きつく止血ベルトが巻かれ、最後の聴力の部屋で外すと言われた。

 次の部屋に移って視力測定。今日も就職の時に作った近視と乱視矯正用の眼鏡を持参。昨年同様遠見は眼鏡をかけて計測。今年も飛沫防止のため声に出さずに指で方向を差してください、という指示だった。両眼とも1.5。しっかり見えていた。なんというモノ持ちの良さ!
 一方50cmの近見は裸眼で右が1.0、左が1.0でガチャ目が治っていた。昨年1.5だった右が悪くなって0.9だった左に揃った感じ。とりあえずもう暫し老眼鏡に頼らなくてよさそう。

 続いて心電図。ストッキングも短いものを穿いていたので脱ぐ必要もなく、特にコメントなく無事終了。
 隣の部屋の内科診察は女性のドクター。喉から見ます、とのことで顎を上げて下げて、続いて聴診器で胸の音を聞いて所見なし、と終了した。既往症のことについては特に触れることはなかった。
 
 最後の聴力の部屋では左右2種類の音の聴こえとも問題なし。ここで止血ベルトが外された。
 最後に残るのが最大の関門である胃のレントゲンだ。階段で1階に降りて、ソファのあるエントランスの待合で3番目だった。レントゲン車からスタッフが呼びに来る。日差しが強い。日傘を差して車寄せに向かう。
 胸部レントゲンからだったが、こちらはキャンセルをお願いしたので、胃部レントゲンに直行する。そのため、1番乗りになる。

 上はブラトップにカットソーだったので、そのままOK。スカートに小さなホックがあったので下だけ検査着に着替える。今日は少量の水がなく、発泡剤もバリウムで飲むように言われる。うう。朝、いつもの薬を飲んでから水分を一滴も飲んでいなかったため、喉がカラカラ。バリウムさえ最初の一口は美味しく感じた。最後は苦しい中なんとか飲み干した。
 そしてやれ右に3度周って、仰向け、左右途中で止まって、右腰を上げて、次は左の腰を上げて、うつぶせで息を止めて・・・というご指示に従いながら、ゲップを我慢してなんとか無事終了。着替えを済ませて、別棟のエントランスの椅子に座って、頂いた下剤をペットボトルの水で飲み干した。
 受付に並び始めてから2時間弱、離席したのは1時間半ほどで済み、今年の健康診断も、第一段階は、クリアした。

 現役最後の恒例行事、一つ一つこれで最後というものが過ぎていく。
 昨日は「年度末定年を迎える方へ」という共済組合からの資料一式が届いた。卒業までいよいよカウントダウンである。
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2021.8.29 治療前の日曜日の過ごし方

2021-08-29 22:16:37 | 日記

 昨夜の高校同期生のZoomミーティングは介護の話題ということもあり、すっかり盛り上がった。30名弱が参加する中、お開きになったのは日付が変わってからのこと。初めて最後の最後までお付き合いしてしまった。
 スピーカーの男性2人に、前回のスピーカーのAちゃんと私を含めて女性が4人の計6名で、あれやこれや。話し込むには丁度いい人数で、Zoomでもここまでディープな話が出来るのだと驚く。
 60年も生きてくれば、皆がそれぞれ色々背負っていることを改めて思い知った。外で帰る時間を気にしながら、下戸な私が同窓会に最後まで残るなんてことはとてもあり得ないから、これまたZoomならではの恩恵だった。

 さすがの夫も先に入浴し、私がリビングに戻ったらパジャマに着替えて就寝するところだった。私も慌てて入浴したけれど、まだ頭が冴えている。このままベッドに入っても前回の二の舞で、朝まで眠れなかったら却ってストレスフル。ということで、1時間だけドラマを視て、眠くなったところでベッドへ移動したらマントラCDをBGMにすっと眠りに落ちた。

 いつも通りに目覚ましが鳴るまで4時間ほど、その後日曜日仕様のアラームまで2時間。そこでのろのろと起き出した。
 朝食の支度を整えて、新聞を読み終えてから夫を起こす。

 予報では昨日までの猛暑は一段落、今日は少し涼しくなるようだ。窓の外は曇天で今にも雨が落ちてきそうなお天気だ。
 夫はマイ電動自転車で、お取り寄せした梨や郷里から届いただだちゃ豆を実家の母に届けに行ってくれるという。昨日まであまりに暑かったので、日中は厳しいから夕方少し涼しくなって到着出来るように遅めに出かけるということだったけれど、夕方になると雨が降り出すようだと知り、少し早めに出発することになった。

 来週水曜日の治療を控え、今日は体調の良い最後の休日だ。夫と観たいと思っていたアクション映画は夫が出かける時間と合わず、諦めた。
 夫に自分の実家に行ってもらい、一人でこちらに残って好き勝手なことをするのもなんだかなあ・・・なのだけれど、気になっていた3時間ほどの長い邦画を観に行くことにした。
 緊急事態宣言中ということで予約は1人置きの席。そこそこの入りだった。3時間は長いなと思ったけれど、観てみればお手洗いに立つこともなく、あっという間だった。

 帰宅して遅いお昼を摂って一服しから夕食の支度。実家に到着した夫からDuo通話がかかってきて母ともお喋り。敬老の日のプレゼントに用意していたパジャマ等も一緒に届けてもらった。
 夫が帰ってくるのと入れ違いに私はアロマビューティヨガのクラスに向かった。パルマローザ、レモングラス、シダーウッドという8月の香りも今日で最後だ。A先生は人気で、参加者は27,8人だったろうか。股関節周り、肩甲骨周りをゆっくり解して骨盤底筋も沢山使ってシャワーを浴びてすっきり。
 帰宅後はほぼ用意していた夕食をパパっと仕上げて2人で食事を摂った。

 ということで、治療前の最後の日曜日はやりたいことだけやらせてもらった1日だった。
 明日はまた通常出勤、今週は職場の健康診断も予定されている。
 
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2021.8.27-28 猛暑再来にげんなりしながら・・・

2021-08-28 19:21:09 | 日記
 
 金曜日。在宅勤務。
 猛暑がぶりかえしている。水曜日は検査だけで、エンハーツの治療だったわけではないし、昼休みから始まる会議が連荘というわけでもなかったのに、翌日の木曜日はかなりぐったり。
暑いととにかくマスクが苦しい。なんとか定時までやり過ごして、身体を解すためにストレッチヨガのクラスに行った。これも夫が休務日だから夕食の支度をお任せ出来るためである。

 金曜日の在宅勤務でマスクから解放されてほっとする。身体がなんとなく重い。冷房で足も身体も浮腫んでいる感じ。
 昨朝はベランダ一杯に洗濯物を干して出かけたので、今日は洗濯機も廻さず。お昼は毎度のようにレンチンで済ませる。終業後に階下のポストまで新聞を取りに行く以外はまたしても一歩も出なかった。スマホの万歩計によれば今日は35歩。

 夕食の支度だけはして、夫が定時に帰宅するのを待って食事を摂る。お腹が満ちて食後のタリージェを飲んだらいつものように眠くなる。普段はウトウトしながら録画したドラマを視て過ごすのだけれど、気づけばソファでそのまま寝落ちして日付が変わる時刻になってしまった。4時間近く眠ったのではないか。
 寝違えたらしくどうも首が痛い。そのままソファで眠るわけにもいかず、入浴を済ませてまたベッドへ。涼しい中ではいくらでも眠れる。夏バテかもしれない。

 土曜日。
 夕食後あんなに眠ったのに、またしっかり5時間以上眠った。土曜日仕様の目覚ましで起き出して、ベッドで寝っ転がったままお行儀悪く新聞を読む。朝ドラのおさらいを見てからノロノロ起き出す。
 朝食の支度をし始めたら夫が代わると言うので、では、と洗濯機を廻す。
 出来上がってみたら、部屋着に引っ張り出した、昔マレーシアで買ったバティックの上下から見事に色が出てしまった。あちゃー。慌ててもう一度洗濯し直したものの、一番のダメージは夫のまだ新しい白いポロシャツが無残にも黄色とピンクのまだらに染まってしまったこと。嗚呼。

 しょんぼりしながらひとまず洗濯物を干し終えて、ヨガスタジオへピラティスのクラスに。2月から今のスタジオに通い始めて早いもので半年以上になるが、ピラティスのクラスに出たのは初めて。★2つなのでなんとなく遠慮していた。
 前半30分はこれなら大丈夫かも、と思ったけれど後半はやっぱりきつかった。腹筋も背筋も腕の力も我ながら本当におそまつである。

 シャワーで汗を流してから夫と待ち合わせ、久しぶりにレストランランチ。夏休みのせいか家族連れ等で混雑している。食事が出てくるまでマスクをしている以外、緊急事態宣言中とは思えない。その足でほぼ2か月ぶりにリフレクソロジーサロンに向かった。最寄り駅前でオーナーにピックアップして頂く。
 治療が4週間に1度のペースになったので、うまくすれば体調が戻る3週間目と4週間目でマッサージとリフレが定期的に入れられるかもしれない。

 施術は前回とても満足度が高かった月の満ち欠け×リフレクソロジーにハンドリフレをオプションで追加。今の時期は、満月から上弦の月へ移るタイミングでリラックスとデトックスだそう。施術が始まってすぐにスーっと眠ってしまった。それでも踝の辺りは本当に痛くて、足が突っ張ってしまった。流れが滞っていたようだった。
 次回予約を入れて“胃腸はお元気ですか”ブレンドハーブティを頂き、再び最寄り駅まで送って頂く。駅前スーパーで、来週の治療後の食欲不振に備えて大好きなアイスクリームを買い込んで帰宅した。

 それにしても、何をしているわけでもないのに毎日が過ぎるのがなんと早いことか。8月も残すところあと3日だ。週半ばからは9月になる。9月の始まりともに4週間ぶりの治療である。
全国で感染爆発、病床ひっ迫どころか医療崩壊の様相を呈している。入院出来ないまま働き盛りの人たちが自宅で亡くなっている。
 パラリンピックでメダルの数がいくつだ、とそんなことは無関係のように放送するテレビを見る気分にもならない。
 そんな折、8年前に訪れた長岡花火の特別番組を教えて頂き、夜空に輝く沢山の花火を愛でている。

 この後は2週間ぶりに高校時代のZoom同窓会。前回のAちゃんに続き今夜は2人の男性による介護体験談の予定である。
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2021.8.25 骨シンチ、造影CT撮影~頚部から骨盤 終日検査

2021-08-25 22:22:47 | 治療日記

 昨夜は、夫が帰宅してから簡単な夕食を摂った後、検査通院に備えて前泊するために病院最寄り駅へ向かった。
 前回の骨シンチは調べてみたら2013年6月4日。実に8年ぶりのことである。
 当時は息子もまだ高校生で家にいたし、前泊などという贅沢はしなかったようで、
 “時間指定の検査前に採血だけ終わらせておけば良いので、いつもより1時間ほど遅い到着でOK。夫と息子を送り出して、ゆっくり新聞を読んで出かけた。JRも乗換駅始発に乗ったので、楽に席を確保して落ち着いて読書が出来た。”
とある。
 まあ様々な治療を重ね、加齢とともにだんだん頑張りが効かなくなってきたのも確かである。

 とはいえ、今回も普段より1時間半遅い到着で良かったので、前泊しなくても十分だったな、と思った。けれど、既に宿も予約していたし(以前から一度泊まってみたいと思っていた天空チャペルのあるウエディングホテルだった。)、そのままキャンセルせずに生かすことにしたのは、結果として正解だった。

 予定より早めにチェックイン。9階の角部屋だった。部屋に入ると30度ある。空調を入れるがなかなか冷えない。一番低い20度にして強風に設定したけれど、30分しても1度しか下がらない。これではとても眠れないとフロントに訊くと、20度に設定すると部屋が冷えたと機械が勘違いして送風を止めてしまうので、24,5度に設定して空気清浄機を強にして風を廻してください、とのこと。

 1時間半ほどしてようやく27度まで下がったけれど、それほど暑いのが苦手でない私もきつかったので、暑がりの夫や息子ではさぞや大変だったろう。夫にLINEで連絡したら部屋を替えてもらえばと言われたけれど、全館的にそのようだったし、もう着替えもしてしまったので、諦めてパラリンピックの開会式も見ないでさっと入浴して、そのまま休んだ。
 果たして朝起きたら寒いくらいで、24度の設定どおり24度になっていた。随分時間がかかったものだ。
 まあ、ある程度年季の入ったホテルでは、こういうことも覚悟しなければならないのかもしれない。

 普段どおりスマホのアラームは鳴ったけれど、今日は少しゆっくり出来るのでベッドでニュースを見ながら30分ほどぐずぐず。ベッドから出て、浴槽足湯でなく朝風呂に入ってシャンプーもしてすっきりした。朝の連続テレビ小説をBSと地上波で2回視てからホテルを出て、近くの珈琲店でモーニングセット。
 まだ開店間もなかったので席がそれほど埋まっていない。1人でも広々した4人テーブル席に案内される。新聞を読みながらポットのアールグレーティーとフレンチトーストのセットをゆっくり頂く。今日は長丁場になるので本は2冊携えてきた。

 1冊目は近藤史恵さんの「私の本の空白は」(ハルキ文庫)。
 帯には「記憶喪失で目覚めたわたし。何もわからないけれど、現れた夫を愛していないことだけは、心が分かっていたー。心に刻まれた愛の形が残酷な真実を探し出す傑作恋愛サスペンス」とある。近藤さんの作品は、自転車ロードレースの世界を扱った「サクリファイス」「エデン」「サヴァイヴ」や先日までテレビ放映されていたフレンチ・レストランのシェフが客から持ち込まれた謎を解いてゆく「ビストロ・パ・マル」シリーズ等を拝読しているが、今回も期待を裏切らない面白さで頁を繰る手が止まらなかった。

 切りのいい所まで、もうちょっとだけ・・・と思いながら、なかなか本が閉じられない。10時からの骨シンチは15分前迄に来るように言われていたので、その5分前に到着するようにお店を出た。朝から湿度も高めで強い陽射しだ。 
 なんといっても病院まで5分とかからない。さらにまだチェックアウトもしていないので荷物も少なく身軽である。予定通りの時間に病院に到着し、自動再来受付機にIDカードを通す。面白いことに受付番号がホテルの部屋番号に0をつけた番号だった。

 地下1階のRI受付に移動する。以前は検査室に入る時に黄色いスリッパに履き替えた記憶があるが、今回はそのまま土足OKになっていた。予約の5分前に厳重な二重扉を通ってクラークの方から検査室に案内される。
 同じ時間に集合がかかっていたのが私ともう一人、年配の男性。奥様と思しき付き添いの方とご一緒だった。中廊下で放射線技師さんお二人から丁寧な説明があった。私は注射の後3時間後に検査で、男性は3時間半後とのこと。予約の15分前までにまた受付に戻ってくるように言われる。その間、しっかり水分を摂って何度もお手洗に行って膀胱に薬品を溜めないよう指示がある。

 とても久しぶりの検査なので「ポートは大丈夫ですか?」などと質問(前回はかつらも外すように言われている。)したら、ノープロブレムとのこと。別室に移動し、5分ほどして女性のドクターが見えて放射性医薬品の静脈注射。針刺しは殆ど痛まずお上手だった。前回は院内にいるように、とのことだったが、今回は外出OKと伺っていたので、そのままホテルに戻る。チェックアウト迄小一時間だが、こちらに戻って来るまでにまだたっぷり2時間半以上ある。

 ホテルに戻って靴を脱ぎ、涼しくて静かな部屋で水分を摂りながら本の続きを読めたので、有難かった。
 チェックアウトの時間ぎりぎりまで部屋にいた後は、別のカフェに移動。まだあと1時間半潰さなければならない。15時には造影CTを控えているので昼食を摂るなら12時迄に終えるように、と言われていたけれど、朝いつもより遅い時間にしっかり頂いているのでそれほどは空腹ではない。とはいえ、全く何も食べずに4時近くまではちょっときついので、ホットのチャイ・ティーラテとアールグレースコーンをチョイスして読書の続き。

 平日の午前中で、PC片手にお仕事中の方も複数いたけれど、かなり空いていたので、席は選り取り見取り。「この席は使わないように」と貼られたテーブルの隣のテーブルをチョイスした。結果的に荷物置きを含めて3つの椅子が使え、隣の2つの椅子には誰も来ないことになり、広々と読書とティータイムを過ごすことが出来た。冷房は効きすぎているほどでカーディガンを羽織って快適に過ごした。

 時間が迫ってきたので再び病院に戻り、直接地下1階のRI受付に戻ったことを伝える。お手洗いを済ませ、時間より2,3分前にもう一度お手洗いに行くように言われ、ダメ押しでお手洗いを済ませて中へ入る。
 午前中説明してくれた技師さんのお一人が検査着を持って更衣室を案内してくれる。今日は検査用にブラトップにカットソー、ゴムウエストのスカートなので着替えしないで大丈夫かと訊いたところ、「コロナで着替えるのがどうしても嫌と言う方もいるので強制は出来ないけれど、出来れば着替えをされた方が間違いない。」と言われたので、観念して上下着替える。

 時間通りに骨シンチのカメラのベッドに横になる。確か顔の極々そばまで近づくのだったな、と思い出す。圧迫感が苦手な人は結構辛いかもしれないけれど、私は目を瞑ってしまえば大丈夫だった。時間通りに開始。
 枕が痛かったので取りたいと言ったら「顎の位置を固定したいので、頭部が済んだら外しましょう、それまでちょっと我慢してください。」と言われる。

 15分ほどかけて頭の上からつま先まで、間近に接近したカメラに舐められるように撮影。8分ほどしたところで硬い枕を外してもらい続行。ベルトで身体を固定されているので暑い。「手はなるべく重ならないように開いておいてください。」と言われるけれど、狭いのでなかなか難しい。

 続いて胸部と腹部をベルトでそれぞれ固定し、両手を万歳に。耳にピタリと付くように指示され、カメラが回転しながらの撮影。合計で15分。こちらも8分して胸部が終わったところで一度声がかかる。腹部撮影は両手を少し緩めても良いとのこと。
 寝ているだけ、目を瞑って動かないようにしているだけだし、どこも痛くないので問題ないけれど、カメラが触れそうなくらいうんと迫ってくるので、圧迫感と閉塞感が耐えられないという方も多いという。そしてずっと万歳をきちんと出来る人もなかなか少ないそうだ。
「ちゃんと出来ていたので、綺麗に撮れましたよ。」とお褒め頂く。

 更衣室に入って時計を見ると、1時間近く経っていた。予定より20分超過してしまったことになる。次の造影CTの受付までたっぷり1時間以上あるので、また院内のカフェかなと思っていたけれど、着替えを済ませたらもう1時間を割っていたのでそのまま2階の放射線受付に上がる。
 まだ早いかなと思ったけれど、ひとまず受付番号を取る。予約時間の30分前になったら受付します、と言われたのでお手洗いを済ませ2冊目を読み始める。

 2冊目は桜木紫乃さんの「砂上」(角川文庫)。
 桜木さんの作品も好きで何冊も拝読しているが、今回は創作の苦しみに息苦しくなったほどだった。いや~、作家になりたいなんて大それた夢を持たなくて良かった・・・と胸をなでおろす。
 帯には“「あなた、なぜ小説を書くんですか」主人公は応募原稿を読んだと言う編集者に問われ、渾身の一作を書く決意をする。いつか作家になりたいと思いつつ40歳を迎えた主人公にとって、書く題材は亡き母と守り通した家族の秘密しかなかった。執筆にのめりこむうち、主人公の心身にも、もともと希薄だった人間関係にも亀裂が生じー。直木賞作家が創作の苦しみを描き切る、新たな到達点!”とあった。
 解説をカリスマ書店員・新井賞の選考委員である新井見枝香さんが書いておられる。「やっぱりどう考えても、この小説はクソ面白い、という結論に至った」だそうだが、私も本当に面白かった・・・(小学生並みの語彙力貧困な感想文)である。

 言われた通り30分前に受付が終わり、15分前にCT準備室へ行くように言われる。今日は放射性医薬品注射、今回の造影剤注入のためのルート確保と2回目の針刺し。右手の血管、頑張っている。止血テープは紙テープにしてもらっているので、なんとかなっているが、普通の粘着テープを貼ったりはがしたりするとあっという間に赤くなってしまう。

 準備室の看護師さんはベテランのKさん。着替えはなしで、荷物をロッカーに入れる。食事は12時までに終えたというと、もし気持ち悪くなったらすぐに横を向いて吐瀉物が喉に詰らないように、と脅かされる。造影剤用の針は太いし、午前中と別の位置から刺したからか痛みは若干強い。
 中廊下に出ると5分ほどして予約より10分前に名前を呼ばれた。そのままCT装置に寝っ転る。
 
 ベッドに寝て顎を上げ加減にして万歳の姿勢をとり、最初は造影剤なし、次に造影剤を入れて、2回の撮影。この流れはもうお馴染みで、始まったら所要時間は10分とかからない。
 ドクターがやってきて造影剤が注入されるや否や、薬液の匂いがツーンと鼻を突くし、味覚にも嫌な後味が残る刺激があって、口の中が気持ち悪い。血流と共に瞬く間に造影剤が体中を駆け巡り、体の芯までカーッっと熱くなってじーんと痺れる感じ。

 「息を吸って。止めて下さい・・・。」を繰り返して終了。良かった。気持ち悪くならなかった、とほっとする。看護師Kさんから針を抜いてもらい、止血テープをグルグル巻きにされて「外廊下でお待ちください。」と言われ、ロッカーから荷物を出して廊下で待つ。10分ほどで外して頂き、無事終了。放射線受付に戻ってファイルを戻し、会計へどうぞと言われる。

 1階の会計に向かうと、待合椅子はかなり混んでいたが、15分ほどの待ち時間で済んだ。自動支払機で25,000円ほどをカード支払。本日の病院滞在時間は6時間弱だった。もうランチタイムは終了しているし、昼前におやつ程度は摂っているし、これから何か食事をしていたら帰りはラッシュになってしまう、とそのまま帰宅することにした。

 外に出ると、陽射しが強くむわっと照り返し。あっという間に汗ばむ。
 なんとか最後の快速電車に乗り込むことが出来、本の残りを無心に読んだ。

 いつもより少し早く帰宅が叶ったが、生協のお届け物を取り入れながら、汗だくになった。お豆腐を落としてしまい1つをぐしゃっとさせてしまってがっくり。
 あれこれ片付けをしているうちに夫が帰宅。なんとかミールキットで夕食を整えた。明日は猛暑日の予報。通常勤務である。
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2021.8.22 リニューアル・オンライン瞑想ヨーガクラス第4回無事終了

2021-08-22 20:22:36 | ASHARE (アシェア)
 今日はASHAREさん主催「乳がん患者さんのためのオンライン瞑想ヨーガクラス」リニューアル後の第4回目。お天気が不安定だけれど、気温も湿度も高く不快指数は高そう。今日はとにかくリラックス優先のクラスにすることにした。

 いつもよりちょっとだけ寝坊。息子が帰省し、昨夜大量に洗濯したものが外干しでなかなか乾かないので、浴室乾燥に回す。
 朝食後、リビングをクラス仕様に整える。着替えを済ませ、クラス実施の準備完了である。

 Zoomに入室すると、今日は参加の方たちが5分前にはほぼ揃った。最後のお一人が入室される前、代表のUさんが少しお話しをされているうちに全員が揃い、代表Hさんからご挨拶があり、ほぼ定時にバトンが廻ってきた。

 今回もリピーターの方たちばかりで自己紹介の時間は不要だ。ゆったりリラックスして頂く時間が5分伸びるのはとても有難い。今回は立位のポーズはごく少しにして、座りポーズ中心に簡単でゆったり身体を解せる動きをメインに取り入れたクラスを用意した。これまで同様60分のクラスである。

 ヨーガの智慧でお伝えしたいことをお話してから、聖音ॐ(オーム)を唱えクラスを始める。
 ウォーミングアップで身体を温める。即効で暖まりやすい耳からアプローチして、日ごろ手放せないマスクのおかげで知らず知らずのうちにびっくりするほど凝り固まっている耳の回りを解し、首筋、髪の毛の生え際等重点的に顔と頭のマッサージを行う。
 続いて、脇腹を延ばす。足の指を1本1本目覚めさせ、足裏をマッサージ、続いて座ったまま捩じりのポーズを行って内臓に刺激を与える。少し動いただけで汗がじんわり出てくる。いつでも水分を補給して頂いてOKとお伝えする。呼吸を整えてゆっくりもとの楽な座位に戻る。

 今日は帰命敬禮の動きを復習する。マントラを最初に紹介し、動きの見本をお見せして一緒にマントラをつけた動きを繰り返す。

 続いて恒例の朝ヨガの上下、左右、回旋の動きを復習した後は、ヨーガニードラに移行して寝っ転がり瞑想。
 今日はショートバージョンにせずに20分強のフルタイムで、足の先から頭のてっぺんまで一つ一つのパーツを意識するようにスキャンすることが出来た。ゆっくり起き上がって頂いた後、皆さんのお顔を見ると、とてもリラックスされた様子がよくわかる。サンカルパ(願い事)を唱えることが出来なかった方のために若干の時間を取り、お馴染みのハレルヤ・キールタンを歌う。

 今日は1時間ちょっと、と数分オーバーしてしまったが、リラックスして頂けたので、良しとする。
 クラスが始まってほどなくして、夫と息子は隣駅までお散歩に出かけてくれた。

 クラス終了後は、若干のお手洗い休憩を挟み、プチお喋り会スタート。今日も2つのブレイクアウトルームで各々のグループに半分ずつ参加させて頂くことになった。ルームをワープする感じがいつもながら“どこでもドア”のようで楽しい。
 今日はフリートークだけれど、最近自分でホットな話題やモヤモヤしたこと等もどうぞ、と事務局のTさんから前振りがあった。

 最初のグループは代表のUさんが司会進行を担当された。自己紹介や今日の感想を伺う。再発治療中のKoさんから「瞑想中に他のことを考えてしまうけれど、今に集中するにはどうしたら良いか?」というご質問が出て、それにお答えする。とても納得頂けたようで、ほっとする。Kiさんは治療中に10年近くグレーだった検査が白になって、とてもハッピーということだった。
 皆さんガイドの声が心地良かったとのこと。リアルでもオンラインでも変わらず瞑想ヨーガの良さがお伝え出来て有難いことだ。

 2つ目のグループは代表のHさんが司会進行を担当された。
 私が入ったことで、皆さんから感想を頂いた。リアルクラスから来て頂いているOさんは、前回は初めてで入室に手間取ったけれど今日はうまく入室出来て良かったそうだ。コロナ禍で身体が丸くカチカチになっており、耳を引っ張ってとてもすっきりしたと仰る。

 同じく常連のIさんからは横になったポーズが多く、楽に出来た。特に仰向けだと呼吸がとても楽だったとのこと。Aさんは初めてヨーガニドラーをしたが、眠っているようなとても不思議な感じでリラックス出来たとのこと。
 初めてでエネルギーの光をイメージ出来たのは素晴らしいと思った。Hさんからは20分間で、よく眠ってしまいとてもすっきりした。手足の握手も普段からお風呂でトライして、すっかり出来るようになったとのこと。
 皆さんからのコメントで日々進化していることが伺い知れ、素晴らしいなと思う。
 というわけで、今日も沢山の嬉しいお言葉を頂くことが出来、幸せで充実した時間だった。
 来月は26日に開催予定だが、12日までとされている緊急事態宣言は終わっているだろうか、延長ばかりでいささか疑心暗鬼である。そんな中、皆さんが少しでもリラックスする時間を持てたのであれば、とても良かったと思う。

 お約束のお昼になるまでお喋りに花が咲き、代表Hさんのご挨拶で幕を閉じた。
 その後は質問がある方が残ってそれにお答えした後、事務局の皆さんと今後のスケジュールについて打ち合わせ。30分近く延長になった。その間、散歩から戻ってきた夫が「もう終わったのか」と思い込んで画面前を横切ったり、息子が事務局の皆様にご挨拶に登場したり、とあらあら・・・というアクシデントもあったが、ひとまず4回目も無事終了。
 
 昼食後は、冬物等沢山の荷物を下げて息子が帰阪した。夫は暑さ負けなのか、眩暈がすると言い、いつもは最低最寄り駅まで送っていくのに玄関でお見送り。私も何やら腰痛で、家の前で彼がタクシーに乗るまでの見送りになった。


 (追記)ASHAREさんの活動レポートに取り上げて頂きました。
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