夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『なくもんか』

2010年05月25日 | 映画(な行)
『なくもんか』
監督:水田伸生
出演:阿部サダヲ,瑛太,竹内結子,塚本高史,皆川猿時,
   片桐はいり,鈴木砂羽,伊原剛志,光石研,いしだあゆみ他

劇場に観に行くほどでもないかと思いましたが、
レンタル開始を心待ち。

『舞妓Haaaan!!!』(2007)と同じ監督・脚本・主演。
監督は、杉田かおるがまだ愛らしかった頃の『池中玄太80キロ』で
演出を担当していた人でもあります。

食堂を経営する両親のもとに生まれた祐太。
浮気に借金に悪癖と、どうしようもない父親は、
妊娠中の母親を見捨て、祐太を連れて家を出てしまう。

父親が身を寄せたのは、下町の商店街にある、
ハムカツが名物の惣菜屋“山ちゃん”。
ところが今度は祐太を残し、“山ちゃん”の売上金を持ち逃げ。

泥棒の息子だというのに、“山ちゃん”の夫婦は祐太に目一杯の愛情を注ぐ。
夫婦の実の娘である徹子と分け隔てなく可愛がり、
祐太はそんな夫婦に応えて、笑顔を絶やさず、真面目に働き、
いつしか商店街の人気者となって、“山ちゃん”を任される。

一方、父親と祐太が出て行ったあと、母親は弟を無事出産。
祐介と名づけ、女手ひとつで育てる。

しかし、祐介が小学生の頃、事故で呆気なく死亡。
親戚中をたらい回しにされた祐介は、生きていく手段として笑いを身につける。

学校を卒業してお笑い芸人を目指した祐介だったが、鳴かず飛ばず。
もう諦めようと思った折りに出会ったのが、先輩芸人の大介。
大介と祐介は兄弟漫才師として売り出し、大ブレイク。

ずっと、生き別れた弟を探し続けてきた祐太は、
あるとき、祐介が自分の弟であることを知り、押しかけるのだが……。

ドタバタ人情喜劇で134分はキツイのではと思いましたが、あっちゅうま。
オナラネタが頻出するのにはゲンナリですが、
それをやっているのが二枚目俳優のはずの伊原剛志なのは可笑しい。
阿部サダヲの「ゆうこママ」も下ネタに走りすぎ。
でも、最後はその下ネタから続く流れに泣かされるのでした。

個人的にいちばんヒットだったのは、
鈴木砂羽演じる母親が事故に遭うシーン。不謹慎で失礼。
原付で走行中、歩いている男性の後ろ姿を見て「あ、楳図かずお!」。
しかし、頭モジャモジャのその人は、楳図かずおではなく、藤村俊二でした。
藤村俊二はこの一瞬の友情出演。なんて粋な使われ方。

宮藤官九郎、三谷幸喜は好き嫌いが分かれるところですが、
やっぱり私はどちらも好き。安心して楽しめます。

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