ふぶきの部屋

皇室問題を中心に、政治から宝塚まで。
毎日更新しています。

カルネヴァーレ睡夢

2010-03-28 17:59:08 | 宝塚コラム

 電車の中吊りに「虞美人」のポスターが・・・関西みたいと

思ってしまいました

 

 カルネヴァーレ睡夢 

 

稲葉太地デビュー作品という事で色々考えるところありです

私のようにたかだか15年程の観劇歴でも数人の演出家さんのデビュー

作品には立ち会っているわけで。

比較してみようかな

 

 果たして独自の世界観が?

最初にショーのデビュー作品に立ち会ったのは中村一徳でした。

 中村一徳・・・「プレスティージュ」

月組久世星佳・風花舞・真琴つばさ・姿月あさと

 大劇場のみの公演でした。ロケットが2回入るのが特徴。

さらっと見てよかったーでも草野先生の作品を真似てる?みたいな

印象が

以後、中村一徳といえばひたすら生徒がヘトヘトになるまで踊り続けさせる

という事で見る側も演じる側も疲れます

(香寿たつきが「大階段も上れない程疲れた」って言ってました)

代表作・・・「LUCKY STAR」かな?悪いけどショー作家としての評価は

下がり続けてます。

 

 藤井大介・・・「GLORIOUS」

宙組姿月あさと・花總まり・和央ようか・湖月わたる

 いきなりサヨナラ公演担当で、一体どんだけ歌劇団の期待が大きい

んだろうと思いました。

クラシックをきっちりと使ってよいショーでした。でも当時、とっても音が

煩くてしょうがなかったんです・・・歳を感じたなあ

ロケットを隠すのが特徴。マイクを次々繋いで若手が歌っていくのも

よかったですね。

代表作・・・「カクテル」「JOYFULL」「アビヤント」等。

あれから押しも押されぬショー作家として第一人者になりました

生徒の個性を生かすのが上手。明るい雰囲気。下級生も使いこなす。

クラシックからJポップまで幅広いですね。

 

 斎藤吉正・・・「BLUE MOON BLUE」

月組真琴つばさ・檀れい・紫吹淳・初風緑・大和悠河・霧矢大夢

 デビュー作品で高見沢さんに曲を書いてもらうという話題付きでした。

曲もよかったし今でも好きなショーの一つです。

ただ、テーマがわかり憎かったり、わざと外したり・・・という事で出来

不出来が激しかったなあ。

娘役のコスプレ趣味が特徴。(絶対オタクだっ)

代表作・・・「RIO DEBRAVO」

満天星大夜總会」を見た時はもう駄目かと思いました

でも「HANACHANG」は面白かったけどね。

「エル・アルコン」以降、乗りに乗ってまして。これからが楽しみかも。

 

 荻田浩一・・・「パッサージュ」

雪組轟悠・月影瞳・絵麻緒ゆう・湖月わたる・朝海ひかる・貴城けい

 デビュー作から独自の世界観を切り開き、好き嫌いが激しい作家

でしたけど「パッサージュ」は本当にいい作品で。私は初めてショーを

見て泣きました。以降、「バビロン」「ソロモンの指輪」に至るまで外しなし。

 

 稲葉太地・・・「カルネヴァーレ睡夢」

雪組水夏希・愛原実花・彩吹真央・音月桂・未来優輝

 一言でいうと「オギーもどき」「オギーの真似」って感じです。

雪は前回もカーニバルをテーマにショーを展開しているのに、またも

カーニバルかいって感じで いくら作りやすいといっても、最初は

お国めぐりの方がよかったのでは?と、思います。

前半は非常にテンポがよく流れもスムーズ

でも、後半・・・黒燕尾あたりからぎくしゃくしだして、ロケット終了あたり

から「は?」状態

今回、彩吹真央がさよならなので、大階段のど真ん中に立たせたい気持ちは

わかりますし、銀橋をソロで渡らせるっていうのもわかります。

でも、印象に残らないのね  

まさにこれからの宝塚を担う筈だったのに・・・退団は残念

特徴としては流れるような場面転換と場面に隠されたストーリーや

メッセージの深さでしょうか?

 

楽しかったのは第5場 サンマルコ広場でしょうか?

水VS彩吹のダンス合戦はかっこよかったです。

今回、水&愛原はさよならでもないんだけど、やたら踊りまくってて

今からこんなにテンション高くて大丈夫か?と思ってしまいました。

それから・・・祭りのラスト。銀橋ですれ違う水&彩吹。

水が引きとめようとするのをするりとかわして彩吹は去っていくのですが

ここらへんは楽近くになるにつれて涙・涙でしょうね。

 

 衣装は新調が多く、とっても綺麗ですが、ロケットのへんてこな

チュチュみたいなの・・・あれは何とかしてくれーーー

趣味が悪すぎるよ。

 

パレード・・・キジ羽根ついてるゆみこちゃんにほっ

今になってこんなに上げるなら、雪に来た時からちゃんと正二番手の

扱いをして欲しかったわ

歌劇団の罪悪感が見え隠れしているようでねーー

 

 ふと・・これ以上、宝塚に魅力を感じなくなったら自分は

どうなっちゃうのかなと考えたりしました。

新専科制度以降、どんだけ裏切られても、それでも見続けてきた私

ですけど、今度という今度は続けるのが無理かも

そうなったら生きていくのが大変だろうなあって

ボケちゃうかもしれないし。心が乾いてしまって何も感じなくなるかも。

それを思うと、約一ヵ月後が怖い

 

 

 

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ソルフェリーノの夜明け2

2010-03-28 11:44:57 | 宝塚コラム

 出演者について

 

 水夏希

デュナン。学年的には植田先生の重厚な台詞を解釈し、きちんと

言えるのは当然の事。様式美にのっとった振り付けも当然の事。

中々やりようがない役柄で・・ラブシーンがなく、見せ場は赤十字を

書く所とラストのみ。

でも、未来との「戦争についての論争」シーンは秀逸でした

同期で丁々発止をやらせる所が憎いなあ・・・・

 

 愛原実花

アンリエット。元々台詞回しが固いのに輪をかけたような融通の利かない

性格なので当初、ヒロインなのに悪役か?と思ってしまいました

(しかも苛める相手は大月さゆだよっ

両親を殺された過去を持ち、恨みを引きずっている看護婦」という設定は

本人には中々理解しがたいところで、どう演じたらいいのかわからない

部分も多かったのではないかと思います

設定上仕方ないけど、ジャン・エクトールとの長々シーンがあり、非常に

違和感がありました。

 

 彩吹真央

ジャン・エクトール。

貴族のお坊ちゃまで優秀な医師なのにわざわざ戦場で働く

奇特な医師

しかもアンリエットが「デュナンさんについて行きたいのです」と言えば

黙って送り出す・・・そしてハーベルマン先生に「何で止めない?女性は

男性の強い愛を望んでいるんだ」と言われれば

好きな女性が幸せになる手助けをするのが私の愛です」とどこまでも

優しい男・・だけど報われず耐える不幸な男」です。

植田先生はさすがっていうか、ファンのツボをわかっているのね

そうそう、彩吹真央にハッピーエンドは似合わない。

ひたすら報われない愛に苦悶し、送り出し・・そして切々と歌うのよ。

見送りの場面だけ、どういうわけか白衣を脱ぎ捨て緑の貴族スタイル。

銀橋で歌うためだったのねーと納得。でもアンリエットは血だらけだし

あれで背中から抱きつかれたら汚れるんじゃないかと心配しました

銀橋で歌う」「花のように雪のように」は本当にいい曲でした。

ピアノ演奏でも流れており、涙を誘いました。

 

 音月桂

アンドレ・ポルリノ。

出番は少ないし、やりようがないし・・・でも今回は我慢してね。

いいじゃない?次期トップなんだから

でも、つくづく、この人に悪役は似合いませんね。

それがいいかどうかはわかりませんけど

 

 未来優希

ファンティ。イタリアン軍師団長。

これまた出番は少ないけど、デュナンと対照的な位置にいるという意味では

非常においしい役でした。

ラストの敬礼がなんともいえなくてね・・・・ぐすっ

 

 緒月遠麻

オーストリア軍兵士の役でしたが、非常に上手で若手を引っ張って

いるなーーという感じがしました 軍服も似合うし。

早霧せいな沙央くらま彩那音もそれなりにいい味出していたと思います。

 

 大月さゆ

マリア。看護婦の一人。

非常に優しくて尽くすタイプの女性で、ジャンだって本当はこっちに

惚れるべきなのでは?と思いました。

処刑される汝鳥将軍に敬礼する時の表情がとてもよかったです。

 

赤十字から150年という事で、日本赤十字社の近衛忠輝氏のメッセージ

なんかも展示されてます

皇室好きの人なら知っているでしょうけど、日本赤十字と皇室の関係は

深く、さらに照憲皇太后基金もジュネーブに今もあり、日本と赤十字は

非常に繋がりが深いのです

そういう意味ではタイムリーな作品でしたし、皇族方にも見て欲しい

作品です。

(東宮家はお断りですけど)

 

 

 

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ソルフェリーノの夜明け1

2010-03-28 10:47:18 | 宝塚コラム

 浅田真央選手、優勝おめでとう

でも、何でキム・ヨナが2位?長洲はどうした?えーー?

もはやジャッジに信頼性がゼロのフィギュアですね

 

 ソルフェリーノの夜明け 

 

昨日の16:00公演を見ました。余談ですけど16:00開始っていうのは

あまりいい事だと思いません

主婦は早く見て早く帰りたいのよ・・・それに出待ちするファンクラブの

事も考えなさいよねーー 特に新人公演組っ

何もかもファンクラブに頼りきりの癖にどうしてこういう事をするのかなあ。

 昨日のお席・・・何と2列目でした

ど・ど・どないしよう・・・ゆみこちゃんの顔が目の前にっ

きゃーーっ

でもSS席っていうのは基本的に舞台全体を楽しむ為の席ではなく

ひたすらご贔屓さんを見つめる為だけの席なのね

ゆえに全体的な感想・・・とはいかないかも。

ひたすらゆみこちゃんと衣装を見てましたーー

(ネタバレなので、読みたくない人はスルーしてね)

 

 幕開きにぎょっ!!これぞ宝塚っ!!

スカステ等でも、流れる映像といえば血だらけの人達ばかりなので

そういう始まりなのねと思っていたら、幕が開いた瞬間、「ベルサイユのばら」

オープニングのような場面が

間近で見ると圧巻でした 

みーんな白と緑の衣装で。それが新調だから、白がまぶしいっ

いいわねーー新調衣装の白って・・・・

華やかな幕開き。おおっ これぞ宝塚。わくわくもんでした。

 

 なんて事のないストーリーなの

見ている時は夢中になって泣いてばかりいた私ですけど、あとから

考えると山場がほとんどないストーリーなのね。

旅人のアンリ・デュナンが沢山の負傷者を見つけてびっくりしてイタリア

軍の教会に連れて行き、そこで働くようになって・・でも医薬品が不足

しているのでマントバまで負傷者を運びましょう。っていうだけの話。

じゃあ、後は何が描かれているかといえば、ひたすら「戦争はいけない」

というメッセージのみっ

曲もしつこく「ソルフェリーノの夜明け」が流れる以外は

花のように雪のように」だけ。

かなり古臭いけど重厚な台詞劇といえます。お稽古用にはぴったりの

脚本かも。

 

 個性が際立つのはむしろ脇役

いわゆる水・彩吹の両名はあまり個性がない役柄です。

デュナンは正義感の強い人っていうだけだし、アンリエットとの仲も

全く進展しないし、エクトールは貴族のお坊ちゃまで成績優秀な医者で

ミラノにいれば今頃裕福な医者になっていたのに、物好きにも戦場で

働いている・・しかも片思いのアンリエットを見守り、送り出すだけの・・・人。

見せ場がアンリエットを送り出すシーンだけで・・・す。

音月・未来は前半と後半のみ出てきて、未来はいいとして音月は

悪役そのものって感じでわめいているばかり。

愛原アンリエットは最初の場面で心底「意地悪な女だなあ」と思いました

何でジャンが好きになったのかわからない。

 

という主役クラスに比べて、個性豊かだったのがイタリア・オーストリア

両軍の兵士達と専科の汝鳥怜と未沙のえる。多分、植田先生としては

この二人と兵士を描きたかったんじゃないかなあ

 

 強烈な「戦争」へのアンチテーゼ

やっぱり本当に戦争を経験した人が描く「戦争」というのは迫力が違うし

台詞の重みも違います

特に植田先生の年代というのは、「国を守る為であっても戦争をするな

と強烈に思っている世代ですから、随所にそういう思想が見えます

水デュナンは何度も「戦争をしてはいけない」と説き、未来演じる将軍は

人間は知恵の実を食べるべきじゃなかった。お前のようなヒューマニズム

を持っていても戦争はこの世からなくならない」と叫びます。

それならいつかきっとこの地球から人類がいなくなる。そうなった時に

初めて人は戦争の愚かさをしるでしょう」と水デュナンは答えるのですが。

ジャン・エクトールもまた、「人間が生きている限り戦争はなくならない」と

戦場に生きる人の絶望感を訴え、水デュナンは「いや、絶対になくなる」と

希望を持つんですけどね。

数々の語られる台詞を聞いていると、本当に「人はなぜ戦争をるのか

と疑問に思えてくるから不思議です

イタリアの兵士もオーストリアの兵士も共に傷ついているのに、それでも

暇さえあれば互いをののしりあって喧嘩して・・みたいな愚かさを

見るとき、「同じ人間なのに」とつくづく思いますね。

 

 際立つキャラ

汝鳥怜が演じたベネディック将軍はオーストリアの捕虜。

部下が脱走を企てた為に身代わりとなって死刑になります。

この時、語られる「責任は私にある」という台詞の重さが胸を打ちます

戦場で多くの若者を死に至らしめた事の罪悪感から逃れたい・・・

将軍の心の中にはそんな思いがあったんでしょうね。

未沙のえるが演じたドクター・ハーベルマンはのんだくれの医者です。

でも実は娘を殺されたという過去があり、酒を飲んで気を紛らわせて

いないとやりきれない・・・と切々と語ります 涙・・涙です。

愛原アンリエットは両親をオーストリア軍に殺された記憶から、

どうしてもオーストリア兵士に優しくなれない、憎しみだけで生きているような

女性・・・そんな彼女がデュナンに出会う事によって「博愛」に目覚める

のですね

そうなると、旅人デュナンとお坊ちゃまエクトール先生が本当に

苦労知らずに見えるから・・・・ でもこの二人がいるからこそ

「理想」を語り、赤十字という一歩を踏み出す事が出来たのかもしれません。

 

 盆やセリを使わないわけ

ネットで「植田先生は盆やセリを使う事を忘れているんじゃないか」との

書き込みがあり、実際、使ってないです。

脚本的に見ると「1場・・教会・2場・・カーテン前」の繰り返し。

 経費節減の為?

盆だのセリを動かすのだって経費がかかるもん。そうそう気軽には

使えないんじゃないかと。

 舞台一杯に広がる重厚なセットを生かす為

盆を使えばセットの大きさは半分程度。でもいちいちカーテンを閉めて

組みなおしているので、常に一場面が舞台一杯に広がってます。

かなり古典的手法 出来ればもっと「場」を減らしたかったでしょうけど

そうはいかないので「繰り返し」に見えました。

でも、それでどんな効果があったかというと、観客の視線が一点に

集中するという事です。しっかり「芝居」を見て欲しい・・・というような

気持ちの表れだったのではないかと。

でも最後のシーン、音月・未来がいる塔と下にいる水達の対比による

会話は非常によかったと思います。

 

 退団する生徒への優しさを学ぶべき

何かと「古い・難しい」と指摘される植田先生ですが、私は今回、彩吹真央の

さよならには植田先生でよかったと思っています

なんせこの先生は退団する生徒と「これぞ」と思った生徒を、序列を越えて

起用してくれるという優しさを持っているから

下級生の名前を覚えるには丁度いいし、ご贔屓さんを退団で送る側にも

安心してみていられます。

そういうところ、やっぱり他の演出家さん達は学ぶべきではないかと

つくづく思いました

 

まあ、最も四字熟語と「少しも早く」「・・ではありませんか」の多用は

慣れるまでが大変かもね。

 

 

 

 

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