ふぶきの部屋

皇室問題を中心に、政治から宝塚まで。
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クライマックス

2012-06-10 09:22:52 | 宝塚コラム

 クライマックス 

作・演出は三木章雄。あまり期待はしてなかったのですが。

 

 どこかでみたような場面の繰り返し

今回の三木先生は「古きよきレビュー」の再現をしようとしたのかなと感じました。

ご本人は「クライマックスの連続」とおっしゃっているようですが、見る側はそんな

新しくて斬新なイメージというよりは、「懐かしいわね」を演出したかったのかと。

でもどの場面も「なんかのショーでみたシーン」で・・それがオールドファンには

「思い出したいのに思い出せない」気持ち悪さに繋がってしまったかと

(自作をパクルならはっきり岡田作品みたいにそう言ってもらわないとさ・・・)

特に2景の「ラスト・アリア」は絶対に見た事あるっ でも作品名が思い出せない。

って感じでした。

3景の「ロスト・インザスターズ」も・・・・あのビリヤード・・・何だか記憶が

あるんだけど思い出せないよーー状態。

使っている曲も三木作品ではオーソドックスに使っているものばかりで

尚更「どこかで」みたーーって話になるのかも

 

 賛否両論の5景 「ローズ・ラメント」

振り付けがKAZUMI-BOYで、シーン冒頭、銀橋でカルメンを指すホセ。

バン!と暗転、次はまた場面が戻ってホセとカルメンとエスカミリオの殺し合い。

何度も繰り返される別パターンの殺し合い

その度にコロスが「CRY!」と叫ぶ・・・前衛的なシーンになってます。

とはいえ、そこは宝塚。最後は死んだ筈の3人が起き上がって踊るシーンに

なるわけですが

宝塚以外のショーでは、こういう場面は別に珍しくないって言うか。

明確にテーマやストーリーを提示せずに見る側にイメージをゆだねるという

手法はよく使われます。(私は好きじゃないけど)

何パターンもの「殺し合い」の再現は、それぞれが「クライマックス」を表現し

ているんだろうなあと思いましたけど。

でも決して気持ちのいい場面ではないっていうか(殺し合いだし)

照明・振り付け、どれも斬新で若々しいけど宝塚で見たいかと言われたら。

あまりにも他の場面と色が違いすぎて

5景のような「パターンの違うクライマックス」そのものをテーマにして

一つショーが作れるのでは ラブシーンとか出会いと別れとか・・・

アメリカのドラマではそういう手法もありますけどね。

 

 やっぱり素敵な燕尾シーン

あまりさよならっぽくないなあと思っていたのですが、さすがに羽山紀代美先生

振り付けの燕尾服シーンを見たらちょっと涙が・・・・

お別れは燕尾服・・・いいかも。

 

 出演者について 

 

大空祐飛・・・前作に比べるとインパクトが少ないような気がしますが、最後に

        変に暗くない祐飛君を見る事が出来てよかったです。

        本当に長かった宝塚生活・・・そこで完成した「男役芸」は下級生に

        受け継いで欲しいですよね。

        芝居の中で「ガイズ&ドールズ」及び「ダル・レークの恋」2幕冒頭

        シーンにそっくりな場面がありましたが、タイプが違っている筈の

        祐飛君と麻路さきが重なりました。 (ピストルつきつけシーン)

        男役の完成というのは同じところに行き着くのかもしれませんね

        芝居のラスト、赤い薔薇しょって似合うなんて、大空祐飛以外には

        考えられないし、ショー燕尾の最後の長いお辞儀。これこそ「スター」

        そのものでしたよ。卒業おめでとう。

野々すみ花・・・最後までトップの娘役としては中途半端に終わったなという印象。

          デコルテが美しくない・・・というのは以前から言われていましたが

          それゆえにどんな衣装を着ても上品に見えなかったというのは

          残念でなりません

          大人の女性に変身する暇もなかったのかなあって。レビューシーンでは

          ごてごて衣装で真ん中にたっていたけど、もう少し貫禄が欲しかったかも。

          でもすみ花ちゃんはテレビでは可愛らしく見えたので、今後は

          期待できるかも。

鳳稀かなめ・・・鳳稀かなめが一言喋りだすと、あるいは踊りだすとそこに

         「かなめワールド」が出来上がるんだなと実感

           独特の「軽さ」は武器です。ナチュラル志向っていうのかな。

          天海がなしえなかった「ナチュラルでもすごい宝塚」を完成できるかも。

          刑事さんの役作りは・・・古畑君ですか?         

北翔海莉・・・専科行きを前に、長々付き合ってきた大空との絡むシーンが多かった

       のは嬉しかったです。やっぱりこの二人が真の「コンビ」だったのかなって。

        今後、専科としてあらゆる舞台に出るけど、心配はしません。

         彼女なら大丈夫。

 

他にはロナウドの子供時代をやってた星吹彩翔がインパクトあり。

「キャぱ」の時もやたら上手だったし 名前と目の感じが彩吹っぽくて注目。

蓮水ゆうやは陰がなくなっても相変わらずかっこいい。このまま頑張って欲しい。

鳳翔大はさすがの存在感 濃い感じがいいわーー

びっくりしたのは「ラスト・アリア」の陰コーラスやってのあが研2の夢なつき

瑠依蒔世だった事。このまま伸びて欲しいけど、宙組って歌手の発掘は上手なのに

さっさと退団させちゃう前科あり。

和音美桜・音乃いづみ・七瀬りり子・・・いらないならよその組にやってねーー

それから風莉じん・・・退団が残念すぎるっ

「ネバーセイ」でものすごい歌唱力を発揮して注目を集め、その後は老け役でも

いい味出してたのにーー外で活躍してください。

 

 

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華やかなりし日々

2012-06-10 08:45:16 | 宝塚コラム

 退院後の初観劇でした 自分としては体力が回復していたと

思ったんですが、意外と帰宅してからぐったり・・・みたいな?

でも劇場にいるとそういうのは忘れますね

自覚していなかったけど、私って大空祐飛ファンだったんだなーーって。

キャトルで思わずクリアファイルだ、お写真だーーって買い捲り

なんていうか・・・どこまで素顔が綺麗で可愛いんだろうーーほれぼれーー状態。

天使の笑顔と悪魔の微笑を持っている人なのね。

 

 華やかなりし日々 

 

 作品について

一人の天才詐欺師がスターの卵に恋をして足を踏み外す。

追われたけど捕まりはしない。

女も金も捨てて最後はコイン一個からやり直し・・・・・という話は月並みだけど

目のつけどろこはいいと思いました

少なくとも「当時はーー云々」の児玉明子やら「トップは私のもの」の植田景子

よりはずっと脚本家として才能があるし公平だし。

台詞・・・理屈っぽくなりがちだけど硬くなく、韻も響く

演出・・・レビューショーの挿入や、ラストの銀橋に薔薇を置くシーンなど

      センスがいい部分もある

だから 問題は「場割り」なんですっ

これ、「キャパ」の時も書いたんですが

 1幕22場は多すぎる

 暗転が多い

 伏線が中途半端

要するに脚本家としての技術を学んでいないって話で。これでも座付き作家と

言われたんじゃ、基本をしっかり学びつつ、発表する場がない他の脚本家が

かわいそうです

上記3つをやると舞台はどうなるか・・・まるでテレビを見ているみたいに場面が

ぶつ切りになる。余計なシーンに1場面を費やすので芝居が間延びし

退屈になる。

例えば、3場の街角でニックが彼女に会いに行く・・・と別れて4場の回想シーンに

行くんだけど、そうじゃなくて、ロナウドを去らせてニックが舞台に残り、彼女に

宝石をプレゼントするシーンに入れば、12場の街角はいらないわけ

アーサーが警察で、ロナウドを殺そうとした犯人が自殺して写真を残したことに

ついてあれこれ言うけど、あれは舞台の端っこでちょろっとやれば十分。

伏線の引き方で言えばジュディとアーサーが幼馴染だったという設定を知るのが

遅いから、回想シーンの中にさりげなくジュディとアーサーを入れてしまうえば余計な

台詞は省かれます。

アンナの引き抜きシーンもわざわざ1場面にしなくても、劇場のスポンサーに

なった瞬間にこっそりアンナに「実はあなたにぴったりの劇場があるんですがね」と

話せばわざわざ1場面使って副組長に下手な歌を歌わせる必要はなかったと

思います

謎解きのシーン・・・・これは一つの山場でもあると思うんですが、名場面に

ならなかったのが残念で

ここでトップと二番手の「対決」をより効果的に見せる為には、最初から二人の

関わりを『ルパンと銭形」風にすべきだったのでは?

ちょっと「ガラスの風景」の香寿VS安蘭風ではありましたけど、あそこまで緊張感

漂うシーンになったかというと疑問。

アーサーはジュディを好きで、そのジュディがロシア貴族の末裔である大富豪と

くっついている・・・嫉妬と疑問の交錯。

恋と犯罪の駆け引きをもう少しうまく構成出来れば、トップと二番手が浮き彫りに

なったろうなーーと残念。

大劇場のよさは盆だのセリだのがいつでも使える事で。こんな恵まれた劇場は

他にないんですから、すぐに暗転とか紗幕を下げるなんて事をせずに、銀橋を

使う・・ダンスで時間経過・・・などを使えばスムーズな場面転換が出来たのでは?

小池先生の舞台をちゃんと見るべきですね。

あるいは植田先生の「ソルフェリーノの夜明け」を見て、「一点豪華主義」を学ぶと

よいでしょう。

 

 ちょっと疑問

 最初にロナウドを殺そうとした人間がロナウドの幼馴染だったらしいけど

  そんな彼が親友を殺そうとするだろうか?

 ジュディを追うギャングが彼女を「消す」と公言しているのに、なぜかファンに

  なっている。

 楽屋から外に出る方法を「こんど教えてやる」と言われていたロナウド。いっそ

  最初に教えてもらえていればラストシーンに「ああ」と素直に思えたかも。

 

要するに・・・・・「練り直し」が必要な作品でした。突っ込みを入れられつつ

3回くらい書き直しすれば完璧な脚本になったと思います。

ああ・・・残念

 

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