ふぶきの部屋

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サンセット大通り

2012-06-24 11:38:42 | ヅカOG その他舞台

公式サイトは   こちら

 

 サンセット大通り 

 

 ストーリーについて

売れない若い脚本家のジョー・ギリスが迷い込んだ屋敷にいたのは

無声映画時代のスター、ノーマ・デズモンド。

彼女は屋敷に引きこもって前時代的な生活を送り、執事のマックスだけが側にいる。

ジョーにノーマは自分が書いた脚本を見せて「手直しして」と命じる。

その頃、仕事仲間のベティがジョーの脚本に興味を示し、書き直しを勧めるが

ジョーは断ってノーマとの生活を始める。

やがてノーマはジョーを愛するようになり・・・でもジョーは束縛されて嫌だ ・・・

ベティが新鮮、ベティが好き・・・嫉妬に狂ったノーマがベティに嫌がらせの電話

・・・それを知ったジョーが激怒・・・出ていきます・・・銃でバーン!

という話です。

 

身につまされるというか何と言うか。

ノーマの年齢は50歳。

かつて無声映画でスターだったものの、時代に取り残されてしまい、

夢とうつつの間をさまようような生活。

今時50歳で年寄り扱いする人はいないでしょうけど、ミュージカルの時代の

中では相当な年寄り扱い

落ちぶれた大女優が若い男に入れあげて捨てられるなんてよくある話ですけど

このミュージカルではそれがなんともわびしくて可哀想で

アラフィフ女性にとっては辛い話だなあと思いました

 

ノーマもジョーも実力のわりにはプライドばかり高くて負けを認められない

性格だし、お互いに寂しくて辛くてしょうがないのにいたわり合う事すら出来ない。

二人とも「自分が」を押し通した結果、殺人事件まで行っちゃったのかなあ。

ベティも最終的にはジョーを理解出来なくてあっさり去っていくし。

誰もがほんの少し「私を大事にしてくれてる」という意識があれば、悲劇は

ふせげたのかも。

 

 安蘭けいには早すぎた?彩吹真央には遅すぎた?

さて・・・最初に登場する大女優・ノーマを見た時、正直

「これ、鳳蘭で見たいな」と思いました。

最初にノーマが階段に立つシーンは、「往年の大女優」オーラをきかせな

ければならないシーンだからです。

ツレちゃんが無理なら麻美れい。歌が・・・というならせめて涼風真世だなあって。

ノーマという50歳・・感覚的には60以上の女性を演じるには

安蘭けいはまだ早いのです。だって彼女、まだ40そこそこでしょう?

一生懸命に大女優オーラを放とうとしていても、無理があるっていうか・・・・・

一番は孤独感が見えなかったこと。

安蘭自身、年とった女優の悲しみなんてまだ理解できないだろうし、

年齢的には限界があり、何かを失うと取り戻す事は容易ではないという

諦め感もない。(だって、今がバリバリな人ですし)

そりゃあ、「MITSUKO」の時よりはましな役柄だけど、何も安蘭であらなくてもなあ。

2幕最初にエステでしわがどうの・・という話もあるけど、腕の細さや美しさを

見ると「嘘ばっかり」に見えちゃいます。

 

ベティは22歳。彩吹真央は・・・・・

すごく上手に演じていましたよ。しぐさとか声とか。

ノーマとは対照的に「可愛らしくて無邪気で屈折してない努力家」な娘で。

でもこれも「大月さゆで見たかったかも」と。

彩吹自身、可愛らしいし屈折してないいい子ですが、でも22歳の娘が持つ

無鉄砲さはないでしょ

ましてノーマと比較対象の娘なら、もう少し実年齢に近い、本当に無鉄砲さや

純粋さを出せる女の子で行くべきだったのでは?

 

 その他の出演者

田代万里生・・・ジョー・ギリス。ほぼ出ずっぱりで頑張っていましたね。

          いろんな所から引っ張りだこのミュージカルスターのよう。

          井上芳雄を若くしたような感じではありますけど。

          歌が上手なのは認めるけど、演技力はないのか?

          性格描写がイマイチだなあと。というのも、1幕の最後の方で

          突き放したノーマが可哀想になってつい・・抱きしめてベッドへ・・

          というシーンがあるんですが、ここは哀れみを感じなくちゃいけない

          んじゃないかと思いますけど、直情的

          2幕最後、ベティに暴言を吐いて追い出すシーンも、本当は彼女の

          為を思ってした筈なのにそんな優しさは表情から読み取る事は

           出来なかったのね。ゆえに、ベティを追い出しノーマにまで暴言を

          吐いてしまって殺されても当然の男になっちゃった

 

鈴木綜馬・・・マックス。マックスはわがままでいまだ過去の栄光から逃れられない

        女優をひたすら庇って尽くしている男。

        実はその昔、映画監督でしかもノーマの最初の夫だったと。

        全てを投げ打って彼女に尽くし、彼女が他の男を好きになっても耐える。

        ずーっと立って見守るシーンが多いんですけど、さすがの存在感。

        歌はすっかり劇団四季で、やっぱり上手だなあと

        ノーマの悲劇はマックスの存在の重要性に気づかなかったことよね。

 

「ロミジュリ」山崎育三郎にも感じた事ですが、若手のミュージカル俳優で

歌えるけど演技が出来ないのが多すぎっ

芸大とか音大とか、そういう音楽の専門学校を出て技術はあるのに

感情がついてこないという事。

四季の若手を引き抜く・・・ってわけにもいかないんでしょうねーー

(宝塚と違って四季の場合は退団してすぐに舞台には立てない。

ジャニーズ方式ですもんね)

田代君に感じた物足りなさが何とも残念でしょうがないのよ。

歌う事とミュージカルは別物なんだから。

かといって演技力をすぐにつけろといわれても、こればっかりは才能が・・・・

日本におけるミュージカル俳優の層の薄さは問題ですよね。

終演後、トークショーがありました。

安蘭けい&彩吹真央。

二人は上手から手を繋いで登場

万事控えめに行動するゆみこちゃんを見ていると

「この人って本当に永遠の二番手なんだなあ」と思います。

二人とも「納豆卵かけご飯」が好きで・・・とか、一緒に焼肉屋に行ったとかーー

まあ、本当に仲がよろしいことで。

ノーマからみたベティは?と聞かれて

若い。だから自分の事しか考えてなくて・・・」と安蘭が答えると

その台詞、そっくりそのままお返しします」とゆみこ。

上級生と下級生の会話だよーー

 

安蘭は太れない体質のようで、それなりに悩みだとか。

星組の「プラハの春」の時、骨が浮き上がっているような激やせ状態だった

時がありますが、以来って事かなあ。

冷え性だったり、色々女性としては不都合が多い部分もあるのではと心配に。

一方のゆみこちゃんは「私は太りますよ」ってあっさり・・・

この方は健康体なんだわね。

「永遠の二番手」ゆえ、組んだ相手がみんなトップさんになって

お仕事に呼んでくれる・・恵まれてるかもしれませんね。

でも、この二人の歌唱力があれば帝劇を感動で一杯にする事も可能でしょうに。

赤坂ACTも見やすくて好きな劇場だけど、格式ばっかり高い帝劇は

一体何をしたいの?とひとしきり・・・・

 

 

 

 

コメント (2)
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