来るべき時が来たとは思うけど、寂しいし悲しい。
松本零士氏 死去
急性心不全の為
享年85歳
個人的には熱烈なファンというわけではありませんでした。
ただ、世代的に「松本零士を見ないでは中高生と言えない」てきな空気が漂っていたんですね。
私はそもそもアニメファンではないから、ヤマトも999も、テレビで欠かさず見て批評するというような事はしなかったんです。
でも近くに住む友人がとにかくアニメオタクで「宇宙戦艦ヤマト」の初回放送、視聴率が全然取れない頃からのファンで、ストーリーを語る、画質を語る・・・というようなオタクぶりを発揮して語ってくれたので、嫌々ながら映画は見たという程度です。
銀河鉄道999も内容的には難しいなと思っていたけど、あの頃にしてはアニメの質がよく話もよく、映画になってからはサントラ盤まで買ってしまう始末。
今でも本当は「交響曲ヤマト」は欲しいなと思う程です。
つまり、ファンでもなんでもない人にも松本零士作品は浸透し、その主なキャラはみないでは済まなかったと言う事でしょうか。
ご存知のように松本零士の描く女性はみんな髪が直線で長い。
それが男性にはとにかく素敵に見えるらしい。
メーテルの黒のドレスはファッション的にも優れていたと思うし。
壮大な宇宙を舞台にしながらも、昔ながらのものにタイトルをつけるというのが、より子供達にとっては教養を積む要素になったのではないでしょうか。
もし「999」を知らなければ「銀河鉄道の夜」を読まなかった人、「宇宙戦艦ヤマト」を見なければ「戦艦大和」に興味を持たなかっただろう人が必ずいる筈です。
松本氏が館長をしていた「大和ミュージアム」にも一度行ってみたいと思いつつ、いまだ叶わない願いです。
それ程、昭和の子供達の青春に多大な影響を与えた松本零士氏がとうとう、銀河鉄道に乗って無限の旅に出てしまったと言う事は、寂しいけど喜ばないといけないのかもしれませんね。
あの世でメーテルに会えるかしら。
きっと彼は鉄郎になってるんじゃないかなと。
心から、心からご冥福をお祈りします。
年を取ると言う事はこんなに悲しい思いばかりする事なのだろうか。
ではなぜ生きるのかと時々自分に問いたくなります。誰もが経験する事とはいえ、文化的なものに触れれば触れる程、その偉大な方々を見送らないといけない辛さに怯えたりします。