ちょっとしたことで驚く人でも、鍛錬(たんれん)することによって少しは驚かなくのではないか? というお話です。^^
中学一年の谷山は気が小さい男で、誰からもお前は男かっ! と、からかわれていた。谷山としては、僕は男だっ! と言い返したかったが、気が小さいからそうとは言えず、黙って聞き流していた。だが、谷山としては、このまま言われっぱなしというのも癪(しゃく)に障(さわ)るから、よしっ! 鍛錬して男を証明してやるっ! と思うようになった。谷山の思考の導火線に火が点いたのである。谷山はその日から驚かないよう訓練することにした。まず(1)として、驚くことが起きたときを思って目を閉じ、沈思黙考した。目を閉じれば驚くことを避けられるからである。(2)として、木の枝の棒を刀に見立てて剣道のように素振りすることにした。一日に1,000回の実行である。(1)、(2)の努力が功を奏して、谷山は驚くことの呪縛(じゅばく)から解き放たれることになった。
『それが、どうした…』
驚くことが起きたとき、谷山はその言葉を自分に言い聞かせた。そうこうして、いつしか谷山は誰からもお前は男かっ! と、からかわれることが亡くなったという。
鍛錬すれば驚くことも驚かなくなる・・というお話です。
完