水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

驚くユーモア短編集 (58)部品

2024年01月19日 00時00分00秒 | #小説

 この程度なら修理してもらえるだろう…などと考えるのは、今の時代、甘い。^^
「部品がありませんから…」
「えっ! ダメなんですかっ!?」
 などと、予想外の言葉に私達は驚くことになる。販売元にすれば、自社製品のケアよりも買い替えてもらうことによる利益を優先する時代に立ち至っている訳だ。涙が出るような品々との別れに、ぅぅぅ…と涙することも少なくない。使い捨ての物質文明を進め過ぎた報(むく)いに違いない。映画じゃないが、エクスペンタブルズなのである。^^
「まあ、仕方ないか…。買ってから随分、経つからなぁ…」
 竪堀(たてぼり)は故障した電気製品を残念そうに眺(なが)めながら呟(つぶや)いた。故障した電気製品は平成初期の製品で、部品保有期間10年を優に過ぎていた。
「ジャパニーズ・スピリットが消えたな…」
 竪堀は、第二次大戦敗戦直後の人々の考え方を懐かしんだ。物が無いから修理して使おう…というものを大事にする考え方だ。それが驚くなかれ、今の時代はすぐポイ捨てする時代なのである。竪堀は大げさにも悲しみの涙を頬(ほお)に伝わらせた。
 驚くような文明変化の時代ですが、涙を流すほどのことは、ないように思えます。^^

                   完


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