夕方、パセリの葉を何げなく見ていると、揚羽蝶(あげはちょう)の幼虫さんがスタスタと長閑(のどか)に歩いておられた。さらに茎や葉を見ていると、停止状態の小さな幼虫さんなんかもいて、食糧確保にご苦労さんなことだ…と、つい思えてしまった。さらに見続けていると、驚くことにその幼虫さんの数が尋常でなく多いことに気づかされた。これでは食糧が足らないだろう…と思えたから、小プランターごとスコップに乗せ、葉が茂っている地植えパセリのところへ引っ越しをしてもらった。
朝になり、もう一度見てみると、上手(うま)くしたもので幼虫さん達は地植えパセリの方へと移動しておられた。大発生した幼虫さんの生命力の不思議さに、驚く昨日、今日となった訳である。
『どうも、御馳(ごち)になります…』
そんな声が、どこからともなく聞こえてくる。揚羽蝶の幼虫さんはパセリの葉を好物にしておられるようだが、私は料理に少し使うくらいで多用しないから、それでいいように思えている。今日は短編のフィクションめいた驚くことになった揚羽蝶(あげはちょう)の幼虫さん本当のお話でした。めでたし、めでたし…。^^
完